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私も負けじとお返しとばかりにバレッド様を喜ばせるために全力で奉仕する。
その後は一緒にお風呂に入った後にベッドに戻って一緒に寝ることにした。
「バレッドさま、大好きですよ」
私はバレッド様の腕の中でそう呟くと、眠りについた。
(これで幸せになれたわ)
と心の底で思いながら。そして次の日、私とバレッド様は二人で街へと出かけて、二人で買い物を楽しんだ。
そして夕方になる頃にはすっかり暗くなってしまったので、私達は帰りの馬車に乗って帰ることにする。
その最中で、不意打ちでバレッド様が私を抱き寄せて口付けを交わす。
そしてバレッド様は私に対して告白をする。
「ねぇ、今度の休みの日に二人でデートしよう。君に見せたい場所があるから」
私はその誘いに了承して、約束をした。
その日から数日後、ついに私達の休日がやって来た。私とバレッド様は二人きりで街中を歩いていく。
まず最初に訪れたのは公園である。私達がよく待ち合わせ場所として利用している場所でもあった。
「ここはいつも来ていますけど、何か思い出の場所とかあるんですか?」
私はバレッド様に対して質問する。
すると彼は首を横に振った。
「いや、そういうわけではないんだけど。ただ君と一緒に過ごしたかっただけだよ」
そう言うと彼は優しく微笑んでくれる。
私はそんな彼にドキドキしながらも何とか平静を保つ、そして、
「私もバレッド様とこうして過ごせて嬉しいです」
と口に出して伝えるとバレッド様は私をぎゅっと抱きしめてくれる。
私はバレッド様の体温を感じて嬉しくなる。しばらくそうやって過ごしてから私達は移動を開始する。
次に私達が向かったのは本屋である。
私はそこでバレッド様と色々な本を立ち読みする。
私にとっては懐かしいと思える光景である。
私が昔読んでいた小説も置いてあり、つい読んでしまう。
バレッド様は私の隣で興味深そうにその作品を眺めていた。
私は彼がその作品の感想を口にするのを期待していたが、バレッド様は苦笑するだけであった。
やがて時間が経つと、バレッドはそろそろいいかと言ってから、私の手を引いてその場を離れる。
次に向かったのは喫茶店だった。
このお店はバレッドさまとのお茶会でよく利用しており、ここで他愛のないことを喋ったり、
時には口付けを交わしたり、それ以上のこともしたりしていた場所だ。
私は彼との思い出を思い出して少し寂しい気分になるが、バレッドはそんなことは知らないといった風に、
店員さんに注文をしている。
私はバレッドの頼んだものが来るまでの間、メニュー表をじっくりと見ていた。
しばらくしてバレッドの分のコーヒーとケーキが運ばれてくる。
彼は早速フォークを手に取るとケーキを食べ始めた。
私がその様子を見ていると、バレッドは微笑みかけてきた。
「どうしたんだ、食べないのか?」
と言われたので、私もケーキを食べることにした。
ケーキは甘くとても美味しく、私の心を癒してくれた。
幸せな時間を堪能していたが、ふと疑問に思ったことがあったのでバレッドに聞いてみる。
バレッド様のことが気になって仕方がなかった。
どうして私のことをそこまで大切に扱ってくれるのだろうか?
そもそも、何故私のことを選んでくれたのだろうか?
考えれば考えるほどに謎が湧き上がってくるのだ。
そのことについて尋ねてみると、少し困り顔になった後でゆっくりと話し始めたのだ。
その話を要約すればこうだ。
私はバレッド様のことが好きすぎて、気がつけばバレッド様のことを目で追ってしまっていたらしい。
そしてその目線の先には決まって貴方がいた。
その後は一緒にお風呂に入った後にベッドに戻って一緒に寝ることにした。
「バレッドさま、大好きですよ」
私はバレッド様の腕の中でそう呟くと、眠りについた。
(これで幸せになれたわ)
と心の底で思いながら。そして次の日、私とバレッド様は二人で街へと出かけて、二人で買い物を楽しんだ。
そして夕方になる頃にはすっかり暗くなってしまったので、私達は帰りの馬車に乗って帰ることにする。
その最中で、不意打ちでバレッド様が私を抱き寄せて口付けを交わす。
そしてバレッド様は私に対して告白をする。
「ねぇ、今度の休みの日に二人でデートしよう。君に見せたい場所があるから」
私はその誘いに了承して、約束をした。
その日から数日後、ついに私達の休日がやって来た。私とバレッド様は二人きりで街中を歩いていく。
まず最初に訪れたのは公園である。私達がよく待ち合わせ場所として利用している場所でもあった。
「ここはいつも来ていますけど、何か思い出の場所とかあるんですか?」
私はバレッド様に対して質問する。
すると彼は首を横に振った。
「いや、そういうわけではないんだけど。ただ君と一緒に過ごしたかっただけだよ」
そう言うと彼は優しく微笑んでくれる。
私はそんな彼にドキドキしながらも何とか平静を保つ、そして、
「私もバレッド様とこうして過ごせて嬉しいです」
と口に出して伝えるとバレッド様は私をぎゅっと抱きしめてくれる。
私はバレッド様の体温を感じて嬉しくなる。しばらくそうやって過ごしてから私達は移動を開始する。
次に私達が向かったのは本屋である。
私はそこでバレッド様と色々な本を立ち読みする。
私にとっては懐かしいと思える光景である。
私が昔読んでいた小説も置いてあり、つい読んでしまう。
バレッド様は私の隣で興味深そうにその作品を眺めていた。
私は彼がその作品の感想を口にするのを期待していたが、バレッド様は苦笑するだけであった。
やがて時間が経つと、バレッドはそろそろいいかと言ってから、私の手を引いてその場を離れる。
次に向かったのは喫茶店だった。
このお店はバレッドさまとのお茶会でよく利用しており、ここで他愛のないことを喋ったり、
時には口付けを交わしたり、それ以上のこともしたりしていた場所だ。
私は彼との思い出を思い出して少し寂しい気分になるが、バレッドはそんなことは知らないといった風に、
店員さんに注文をしている。
私はバレッドの頼んだものが来るまでの間、メニュー表をじっくりと見ていた。
しばらくしてバレッドの分のコーヒーとケーキが運ばれてくる。
彼は早速フォークを手に取るとケーキを食べ始めた。
私がその様子を見ていると、バレッドは微笑みかけてきた。
「どうしたんだ、食べないのか?」
と言われたので、私もケーキを食べることにした。
ケーキは甘くとても美味しく、私の心を癒してくれた。
幸せな時間を堪能していたが、ふと疑問に思ったことがあったのでバレッドに聞いてみる。
バレッド様のことが気になって仕方がなかった。
どうして私のことをそこまで大切に扱ってくれるのだろうか?
そもそも、何故私のことを選んでくれたのだろうか?
考えれば考えるほどに謎が湧き上がってくるのだ。
そのことについて尋ねてみると、少し困り顔になった後でゆっくりと話し始めたのだ。
その話を要約すればこうだ。
私はバレッド様のことが好きすぎて、気がつけばバレッド様のことを目で追ってしまっていたらしい。
そしてその目線の先には決まって貴方がいた。
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