悪役令嬢は隣国へ嫁ぐようですよ!?~私は旦那様に愛されてそして生まれるRhapsody~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
上 下
103 / 134

103.

しおりを挟む
「君と一緒に過ごせて楽しいよ」
「バレッド様」
「なんだいマリアベル」
「私も同じ気持ちよ」
何とも言えない幸せを感じられた一日はあっという間に過ぎ去って行きました。
夜になると屋敷で晩餐会が開かれることになっていたのでお父様から招待されたこともありましたし、
何の問題も無いように感じたからこそ、何も疑わずに過ごしていたのにね。
でもその油断が私の命取りとなってしまう事になるなんて、この時の私は全く知りませんでしたの。
でもバレッド様との食事があまりにも楽しすぎて食べ過ぎた所為で眠くなり始めていました。
「少し寝ておくかい?」
「ええ、お願いします」
バレッド様に抱かれて移動していきベットにたどり着くと横になり、
頭を撫でられて、額に口づけをされたので眠りに落ちていく事にした。
――バレッド様の腕の中に包まれている私。
この上ない至福を感じる事が出来たと同時に私にだけ向けられているであろう愛情を一身に受けて、
私自身も彼に惹かれていくようになり、次第には離れたくない、ずっとこうしていて欲しいと願い始めてきた。
「私だけをずっと見ていて」
「あぁ、分かった。だからお前のことも俺にくれ」
こうして私の初めては愛する人との交わりによって終えることとなりました。
しかしそこで異変が生じましたの。
何があったのかというと私としたことがお手洗いに行きたいという衝動に駆られてしまった。
それも我慢できずに漏れてしまいそうになったので私は何とか堪えようとしてみました。
けどね、私の力じゃ抑えることができなかったの。
だから必死に懇願するようにして訴えたものの聞いてもらえるはずがなく、
「仕方がないな」
と言われた直後に唇を奪われてしまい、同時に放尿してしまったところを彼の手で
受け止めてもらうことしか出来なくて、その事実にショックを受けてしまいましたわ。
まさか、あの人の手で汚してしまうことになるとは夢にも思ってはいませんでしたからね。
そして更に絶望を突きつけられる事態が発生する事となる。
なんとこのお屋敷にはバレッド様だけでなく使用人達も住まわせているのですが、
「お前には勿論この子たちの相手をしてもらうつもりだからそのつもりでいるんだぞ」
と言い放った。
その一言を聞いた私は怒りを抑えきれず、バレッド様の顔を叩いた。
「どうして!  私達には避妊をしないでいいとか言ってたのに、
こういうことをするときはダメってどういう事ですか!
私達は夫婦で愛を育むための性行為をしているんじゃ無かったんですか!」
と叫ぶ。
だが私の発言など意に介していないのかバレッド様は冷静さを失っていないように見えた。
それどころか笑っていた。
「ククッ、はははははははっ!
そう言えば君は知らなかったなぁ。性行為をする際には必ず避妊具を
着用しなければ孕む危険性が高いことを俺としては君との間にできた子を
すぐに産ませてもらいたいと思っているんだけどねぇ。だから俺はね、
今まではしっかりとしていたのだよ?
ただ俺も人間だ。欲が出てしまっただけの話だ」
と言い出した。
つまり最初から私のことを愛玩具として扱うつもりだったらしい。
それを悟ってしまい愕然としていると私の手首を掴むや否やその細腕を掴み上げるなり強引に
引き剥がして拘束されてしまったので抵抗することができなくなり、
されるがままの状態へと陥った。
そしてそのまま私はバレッド様の手から逃げることもできないまま、寝室に連れて行かれるのです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

今夜で忘れる。

豆狸
恋愛
「……今夜で忘れます」 そう言って、私はジョアキン殿下を見つめました。 黄金の髪に緑色の瞳、鼻筋の通った端正な顔を持つ、我がソアレス王国の第二王子。大陸最大の図書館がそびえる学術都市として名高いソアレスの王都にある大学を卒業するまでは、侯爵令嬢の私の婚約者だった方です。 今はお互いに別の方と婚約しています。 「忘れると誓います。ですから、幼いころからの想いに決着をつけるため、どうか私にジョアキン殿下との一夜をくださいませ」 なろう様でも公開中です。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫

梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。 それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。 飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!? ※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。 ★他サイトからの転載てす★

私の知らぬ間に

豆狸
恋愛
私は激しい勢いで学園の壁に叩きつけられた。 背中が痛い。 私は死ぬのかしら。死んだら彼に会えるのかしら。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

処理中です...