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ちなみにバレッド様は王都を離れ、隣国へ旅立つことになったのですから当然私は同行することになり、
その後は順調に夫婦生活を送れたといえましょう。
「君と会えて本当に嬉しい。これから先も君の事を大切にするつもりでいる。
この結婚を後悔させたりする事は絶対にさせない。改めて言わせて貰うが、君のことを幸せにしてみせる」
と彼が言ってくれたので、私も精一杯の努力をする事を心に決めた。
彼が帰ってきた時に笑顔で出迎えたいという想いを胸に私はただ待つだけだった。
そんなある時の事。
旦那様にも秘密にしている事が私の体の中で育っていく事に私は気づくことが出来なかった。
ある日、突然下腹部が痛くなったのでお腹を抱えて歩く羽目になってしまったのだが
原因は未だに分からないままだった。
「大丈夫ですか、マリアベル様」
心配そうに声を掛けてくれたのはお世話になっている侍女だった。
バレッド様と一緒になってからは彼の命令で離れに住むようになっていたので
そのことについては問題無いのだと理解してくれたみたいね。
「えぇ。おかげ様で痛みはすぐに引いたわ」
「でも無理だけはなさらないで下さいね」
彼女の名前はアシュリー。
元貴族の令嬢であり、実家が没落寸前の状況に陥っていた際にバレッド様から救いの手を
差し伸べてもらい現在はこうして働いているそうだが詳しい事情については聞かない事にし、
今はお城に仕えているがいずれは自分の店を開きたいと考えており、
「マリアベルちゃんにプレゼントを渡すなら何をあげるといいと思います?
やっぱり手作りの品物がいいんですよね。あ、そうだ、マリアベルちゃんの
スリーサイズを教えてくれないかな」
なんて言われた時には思わず苦笑いしてしまいまして。
とりあえずは適当な数字を伝えたところでその場を離れたので何とかなったけれども。
でもその数日後、事件は起きてしまう事となる。
なんとミディアが私のお屋敷に乗り込んできたの。
どういう風の吹き回しで私の所に来たのかわからなかった為、
問い質すとミディアは私に謝罪をしてきた後に何事もなく立ち去っていき、私はホッとした。
「ごめんなさい、実は私の知り合いから貴方の過去について教えられたもので
ついつい確認するために来てしまいました」
と言っていたので私の身を案じたからこその行動だったのでしょう。
私の事は嫌いだろうと思っていたのだけれどどうやら違った様子だった。
それを聞いたバレッド様が嬉しそうに私を抱き締めてくれましたわ。
そうそう、子供が生まれて一年が経ったので、名前を考えるのに悩みましたのよ。
候補の中には女の子だった場合に付けようと思って決めていた名前の案も
あったのでそちらを採用することも出来ましたわ。
「お前さ、本当はこの国に残ってやりたかった事あるんじゃねぇの?」
「ふふふふふふ、あひゃははははははは!
あーあ、見破られちゃいましたか。あははは、でもね、今の私はとっても幸せ。
バレッド様と結ばれた事もあって子供を産むこともできた。
それに私みたいな女の人が沢山居る世界になったんだもん。だから私、頑張るね!」
そして私はバレッド様の妻として一人の性娼婦になるのです。
その後は順調に夫婦生活を送れたといえましょう。
「君と会えて本当に嬉しい。これから先も君の事を大切にするつもりでいる。
この結婚を後悔させたりする事は絶対にさせない。改めて言わせて貰うが、君のことを幸せにしてみせる」
と彼が言ってくれたので、私も精一杯の努力をする事を心に決めた。
彼が帰ってきた時に笑顔で出迎えたいという想いを胸に私はただ待つだけだった。
そんなある時の事。
旦那様にも秘密にしている事が私の体の中で育っていく事に私は気づくことが出来なかった。
ある日、突然下腹部が痛くなったのでお腹を抱えて歩く羽目になってしまったのだが
原因は未だに分からないままだった。
「大丈夫ですか、マリアベル様」
心配そうに声を掛けてくれたのはお世話になっている侍女だった。
バレッド様と一緒になってからは彼の命令で離れに住むようになっていたので
そのことについては問題無いのだと理解してくれたみたいね。
「えぇ。おかげ様で痛みはすぐに引いたわ」
「でも無理だけはなさらないで下さいね」
彼女の名前はアシュリー。
元貴族の令嬢であり、実家が没落寸前の状況に陥っていた際にバレッド様から救いの手を
差し伸べてもらい現在はこうして働いているそうだが詳しい事情については聞かない事にし、
今はお城に仕えているがいずれは自分の店を開きたいと考えており、
「マリアベルちゃんにプレゼントを渡すなら何をあげるといいと思います?
やっぱり手作りの品物がいいんですよね。あ、そうだ、マリアベルちゃんの
スリーサイズを教えてくれないかな」
なんて言われた時には思わず苦笑いしてしまいまして。
とりあえずは適当な数字を伝えたところでその場を離れたので何とかなったけれども。
でもその数日後、事件は起きてしまう事となる。
なんとミディアが私のお屋敷に乗り込んできたの。
どういう風の吹き回しで私の所に来たのかわからなかった為、
問い質すとミディアは私に謝罪をしてきた後に何事もなく立ち去っていき、私はホッとした。
「ごめんなさい、実は私の知り合いから貴方の過去について教えられたもので
ついつい確認するために来てしまいました」
と言っていたので私の身を案じたからこその行動だったのでしょう。
私の事は嫌いだろうと思っていたのだけれどどうやら違った様子だった。
それを聞いたバレッド様が嬉しそうに私を抱き締めてくれましたわ。
そうそう、子供が生まれて一年が経ったので、名前を考えるのに悩みましたのよ。
候補の中には女の子だった場合に付けようと思って決めていた名前の案も
あったのでそちらを採用することも出来ましたわ。
「お前さ、本当はこの国に残ってやりたかった事あるんじゃねぇの?」
「ふふふふふふ、あひゃははははははは!
あーあ、見破られちゃいましたか。あははは、でもね、今の私はとっても幸せ。
バレッド様と結ばれた事もあって子供を産むこともできた。
それに私みたいな女の人が沢山居る世界になったんだもん。だから私、頑張るね!」
そして私はバレッド様の妻として一人の性娼婦になるのです。
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