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「あのね、私達はいつまでもこのままじゃダメだと思うの。
そろそろね、私達は前に進まなきゃいけない時が来たんじゃないかなって。
だからね、そろそろって考えてみたの」
私の真剣な口調にバレッド様は黙々と話を聞いていた。
私は意地悪だと思いつつもバレッド様の胸板に手を当ててみたり彼の太腿をなぞるように
指でつぅ~と伝わせるの。
そして私はバレッド様が私からの誘惑に耐え切れなくなると確信していたので
耳元でこう囁いたわ。
「好き、愛している」
と。
「好きだ、俺は君のことが」
彼から愛の言葉を聞き、私は嬉しく思っていた。
そして私達の間に産まれた子供もすくすくと育っており、
男の子だということが判明した。
私に似た黒髪が特徴の女の子で、瞳の色は青色だ。
私とバレッド様の子供で名前を付けるのが本当に大変だったので
二人で相談した上で決めることになった。
私達が名付けたのが、クレアという名前を付けました。
意味としては"聖女"、"神の使者 "を意味していてまさに
彼女にふさわしい名前を授かったと思いますね。
「あ、ママ、パパ、おかえり」
彼女は私の姿を目にしてすぐさま駆け寄り、飛びついてくる。
これが日常風景となっており、いつも私と一緒に居る時はべったりなのだ。
それが例え夫の目の前でもお構いなしなのです。
私も最初こそ嫉妬の眼差しをぶつけられたものの今では慣れてしまったようで
特に気にしていないような態度を取っていた。
その様子はとても面白くないので私と娘が抱き合っているのを微笑ましそうに
見つめる夫に怒りの感情が湧き上がりましたが何とか抑え込み、
平常心を装いながら出迎えをしたのだった。
私は夫が帰られるまでの間、家の外で待機をしているのだけど今日は何と
珍しい事に彼自ら玄関まで迎えに来てくださるみたいだ。
扉を開けてみるとそこには確かに彼の姿がそこにあったの。
だけど私は違和感を覚えると同時に警戒してしまったの。
「ただ今戻りましたわ旦那様」
わざと丁寧に話した後、私の後ろに娘がくっついていることに気づいた夫は
まるで私に浮気相手ができたかのような視線を浴びせて来た。
普段ならば私は彼に抱きしめられていたことだろう。
ですが今回に限っては娘が抱きついたままだった。
夫に気づかれない内にそっと離れると娘と手を繋ぐ。
それから私は旦那様が帰ってくるなり、抱き着いてきたので抱き返しつつ頭を
ゆっくりとした動きで撫で回していく。
私はこれっぽちも怒っていないというのにも関わらずに夫に
疑われているという状況で苛立っていた。
「君はどうしてあんな男の傍にいて、何も文句を言わずに過ごしているんだ。
君の事を悪く言ってくる奴が君の傍にいるということに俺は納得ができない。
それに俺はあいつと一緒になるために頑張って仕事を覚えていたって言うのに
それを全部、水泡に帰そうとするなんて許せない」
「旦那様。貴方はお忘れではないですかしら、私と貴方との仲を邪魔しようと
企んでいた人物の事を、私はその時から貴殿方に害を成す輩を排除し、
守ろうと努力してきたのですわ。私は彼から何をされても絶対に負けないと決めたのです」
私がこうして今まで生きていられることもすべて、
バレッド様のお陰であり、バレッド様がいなければ私は何もできなかったでしょう。
私も夫のために頑張ろうと思っていても結局は彼に頼りっきりになっていたから、
この前の夜会での出来事も当然の結果でしかないの。
バレッド様が国王に呼ばれたということで一人で待っていた。
暫く経ち彼が戻ってきて開口一番で私に謝罪したので理由を聞くことになった。
そろそろね、私達は前に進まなきゃいけない時が来たんじゃないかなって。
だからね、そろそろって考えてみたの」
私の真剣な口調にバレッド様は黙々と話を聞いていた。
私は意地悪だと思いつつもバレッド様の胸板に手を当ててみたり彼の太腿をなぞるように
指でつぅ~と伝わせるの。
そして私はバレッド様が私からの誘惑に耐え切れなくなると確信していたので
耳元でこう囁いたわ。
「好き、愛している」
と。
「好きだ、俺は君のことが」
彼から愛の言葉を聞き、私は嬉しく思っていた。
そして私達の間に産まれた子供もすくすくと育っており、
男の子だということが判明した。
私に似た黒髪が特徴の女の子で、瞳の色は青色だ。
私とバレッド様の子供で名前を付けるのが本当に大変だったので
二人で相談した上で決めることになった。
私達が名付けたのが、クレアという名前を付けました。
意味としては"聖女"、"神の使者 "を意味していてまさに
彼女にふさわしい名前を授かったと思いますね。
「あ、ママ、パパ、おかえり」
彼女は私の姿を目にしてすぐさま駆け寄り、飛びついてくる。
これが日常風景となっており、いつも私と一緒に居る時はべったりなのだ。
それが例え夫の目の前でもお構いなしなのです。
私も最初こそ嫉妬の眼差しをぶつけられたものの今では慣れてしまったようで
特に気にしていないような態度を取っていた。
その様子はとても面白くないので私と娘が抱き合っているのを微笑ましそうに
見つめる夫に怒りの感情が湧き上がりましたが何とか抑え込み、
平常心を装いながら出迎えをしたのだった。
私は夫が帰られるまでの間、家の外で待機をしているのだけど今日は何と
珍しい事に彼自ら玄関まで迎えに来てくださるみたいだ。
扉を開けてみるとそこには確かに彼の姿がそこにあったの。
だけど私は違和感を覚えると同時に警戒してしまったの。
「ただ今戻りましたわ旦那様」
わざと丁寧に話した後、私の後ろに娘がくっついていることに気づいた夫は
まるで私に浮気相手ができたかのような視線を浴びせて来た。
普段ならば私は彼に抱きしめられていたことだろう。
ですが今回に限っては娘が抱きついたままだった。
夫に気づかれない内にそっと離れると娘と手を繋ぐ。
それから私は旦那様が帰ってくるなり、抱き着いてきたので抱き返しつつ頭を
ゆっくりとした動きで撫で回していく。
私はこれっぽちも怒っていないというのにも関わらずに夫に
疑われているという状況で苛立っていた。
「君はどうしてあんな男の傍にいて、何も文句を言わずに過ごしているんだ。
君の事を悪く言ってくる奴が君の傍にいるということに俺は納得ができない。
それに俺はあいつと一緒になるために頑張って仕事を覚えていたって言うのに
それを全部、水泡に帰そうとするなんて許せない」
「旦那様。貴方はお忘れではないですかしら、私と貴方との仲を邪魔しようと
企んでいた人物の事を、私はその時から貴殿方に害を成す輩を排除し、
守ろうと努力してきたのですわ。私は彼から何をされても絶対に負けないと決めたのです」
私がこうして今まで生きていられることもすべて、
バレッド様のお陰であり、バレッド様がいなければ私は何もできなかったでしょう。
私も夫のために頑張ろうと思っていても結局は彼に頼りっきりになっていたから、
この前の夜会での出来事も当然の結果でしかないの。
バレッド様が国王に呼ばれたということで一人で待っていた。
暫く経ち彼が戻ってきて開口一番で私に謝罪したので理由を聞くことになった。
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