77 / 134
77.
しおりを挟む
それから二人で食事を取りながら他愛のないことを話し合って過ごす。
バレッド様と過ごしている時間は私にとっては大切な時間でもある。
しかし、この日は何時もとはちょっと違いがあった。
彼は何処かへ出掛けると言い出して身支度を整えると外出して行ったので、
一人になった私もまた外に出ることにした。
そうして屋敷から出て向かったのは教会だった。
そこにはシスターの姿が有ったので私は彼女に挨拶をすることにした。
「あら、貴女は確かバレッドさんと一緒に暮らしている娘ですね」
バレッド様のことをそう呼んだ事に驚いたが、バレッド様はこの教会の
関係者というより私と同様にバレッド様が保護した少女であったのだ。
そのため彼女がここで働いていることも理解できて私は納得していた。
そして私は最近起きている事件の話を聞こうとした。
「あの、すみませんが、例の件に関してなんですが何か分かりましたでしょうか?」
そう聞いたところ彼女からは答えを返されることは無かった。
それは私に対する警戒が表れているためのものだと分かったが、私がバレッド様の妻として相応しくないと
思わせるために色々と言われ続けた結果、私は彼女の敵となっていたのだ。
私自身もそんなことをするつもりはさらさらなかったわけで、
バレッド様から言われるまではそうではなかったのであるが、
結果として私がした事はそういうふうになってしまったのだから私自身でも反省すべき所だと思う。
「いえ、特には。ただ私としてはバレッドさんの側にいてあげることが一番だと思います。
それに貴女の行為は世間的に悪とされている行為なんですからそれを咎められても仕方がないことですよ。
悪い意味ですが」
私を罵倒するのは良いけどバレッド様を悪く言われたくは無かった。
彼は決して間違った行いはしていないからだ。
ただ、そんなに好きな相手が居ながら他の異性に手を出した事を指摘されているのは確かに
間違っていると思わざるを得なくて。
けれどそれで良い。
私は自分の意思を持って行動しているから間違いもないし。
「私がどんな目に遭おうが私の勝手でしょう? あなた方が口を出すことじゃないはずです。
ましてや私が幸せになれるなどと妄言は言わないようにして頂けませんかね」
私はそんな風に返した後で少しばかりの間が空いてしまい沈黙が続いたところで私が切り出したのだ。
もう用も済んだからそろそろいいかしらと思ってね。
「失礼します。私には他にやるべきことがあるんで帰ります。邪魔されたくないんですよ。ではごきげんようで」
「待ちなさい! そうやって逃げ出そうとしても無駄だから。私からは決して逃がさないからね。
私は決めたのよ。あいつに復讐するために私は貴方を捕まえて二度と外に逃げられないようにした上で
徹底的に痛めつけるんだから」
「私はね。私はあんたが嫌いなの。はっきり言って大っ嫌なのよね。
どうしてこんな奴が幼馴染なのか疑問でしかないし
関わりたくもなかったから今まで会わないようにしていたんだけどね」
突然私に対して罵りだしたので面食らう羽目になったのは仕方のない事であろう。
まさか自分の親友と初めて出会った際にここまでの仕打ちを受けるとは全く予想もしてなかったけど、
彼女は私の話を聞くつもりなど一切ないらしい。
私は溜め息をつくと、冷めた目つきを向けると呆れた声音で言うことにした。
どうもこいつは勘違いをしているのだけど、私がお前と話すのも嫌だしそもそも
一緒に居ることすら苦痛なのに気が付いていないとか愚かとしか言えないから。
あ~こいつマジ面倒臭い性格してんじゃん。
あーうざ。
バレッド様と過ごしている時間は私にとっては大切な時間でもある。
しかし、この日は何時もとはちょっと違いがあった。
彼は何処かへ出掛けると言い出して身支度を整えると外出して行ったので、
一人になった私もまた外に出ることにした。
そうして屋敷から出て向かったのは教会だった。
そこにはシスターの姿が有ったので私は彼女に挨拶をすることにした。
「あら、貴女は確かバレッドさんと一緒に暮らしている娘ですね」
バレッド様のことをそう呼んだ事に驚いたが、バレッド様はこの教会の
関係者というより私と同様にバレッド様が保護した少女であったのだ。
そのため彼女がここで働いていることも理解できて私は納得していた。
そして私は最近起きている事件の話を聞こうとした。
「あの、すみませんが、例の件に関してなんですが何か分かりましたでしょうか?」
そう聞いたところ彼女からは答えを返されることは無かった。
それは私に対する警戒が表れているためのものだと分かったが、私がバレッド様の妻として相応しくないと
思わせるために色々と言われ続けた結果、私は彼女の敵となっていたのだ。
私自身もそんなことをするつもりはさらさらなかったわけで、
バレッド様から言われるまではそうではなかったのであるが、
結果として私がした事はそういうふうになってしまったのだから私自身でも反省すべき所だと思う。
「いえ、特には。ただ私としてはバレッドさんの側にいてあげることが一番だと思います。
それに貴女の行為は世間的に悪とされている行為なんですからそれを咎められても仕方がないことですよ。
悪い意味ですが」
私を罵倒するのは良いけどバレッド様を悪く言われたくは無かった。
彼は決して間違った行いはしていないからだ。
ただ、そんなに好きな相手が居ながら他の異性に手を出した事を指摘されているのは確かに
間違っていると思わざるを得なくて。
けれどそれで良い。
私は自分の意思を持って行動しているから間違いもないし。
「私がどんな目に遭おうが私の勝手でしょう? あなた方が口を出すことじゃないはずです。
ましてや私が幸せになれるなどと妄言は言わないようにして頂けませんかね」
私はそんな風に返した後で少しばかりの間が空いてしまい沈黙が続いたところで私が切り出したのだ。
もう用も済んだからそろそろいいかしらと思ってね。
「失礼します。私には他にやるべきことがあるんで帰ります。邪魔されたくないんですよ。ではごきげんようで」
「待ちなさい! そうやって逃げ出そうとしても無駄だから。私からは決して逃がさないからね。
私は決めたのよ。あいつに復讐するために私は貴方を捕まえて二度と外に逃げられないようにした上で
徹底的に痛めつけるんだから」
「私はね。私はあんたが嫌いなの。はっきり言って大っ嫌なのよね。
どうしてこんな奴が幼馴染なのか疑問でしかないし
関わりたくもなかったから今まで会わないようにしていたんだけどね」
突然私に対して罵りだしたので面食らう羽目になったのは仕方のない事であろう。
まさか自分の親友と初めて出会った際にここまでの仕打ちを受けるとは全く予想もしてなかったけど、
彼女は私の話を聞くつもりなど一切ないらしい。
私は溜め息をつくと、冷めた目つきを向けると呆れた声音で言うことにした。
どうもこいつは勘違いをしているのだけど、私がお前と話すのも嫌だしそもそも
一緒に居ることすら苦痛なのに気が付いていないとか愚かとしか言えないから。
あ~こいつマジ面倒臭い性格してんじゃん。
あーうざ。
0
お気に入りに追加
379
あなたにおすすめの小説
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる