婚約を破棄されたので、王子とその恋人の聖女に嫌がらせをして破滅させてやりました。

一ノ瀬　彩音

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なぜかと言うと私の傍には見知らぬ男性が座っておりずっと看病してくれていたということが分かったからだ。
事情を聞くと彼が私を助けてくれて介抱してくれたとのことなので感謝を伝えると気にしないでくれと言ってくれた。
優しい人だと感じると同時にどこか惹かれるものを感じてしまいドキッとした。
そして改めて名前を教えて欲しいと伝えるとそれに応じて名乗ってくれたので私は素直に感謝を述べた。
「ありがとうございます。名前を聞けば貴方の顔を思い出すことができるでしょうから」
そう告げて笑顔を向ける
私の言葉を受けて男性は戸惑っているような雰囲気を見せていた。
無理はない
私はこの人に恋心を抱いていると自覚してしまった。
だから少しでも長く一緒に過ごしたくて食事を振る舞おうとしたのだが断られてしまう
その理由としてはお腹が減っていないとの事でしたので仕方がなく諦めることにして家に帰ろうとしたのだがふと思ったことがあった。
もしこの人が私と同じように過去に記憶を失った経験がある人間であれば色々と聞き出せるかもしれないと
そこで私は彼に問いかけてみた。
果たして反応はあるだろうか？
「……んぅ～？」
どうやら起きたみたいね
まずはこの子の名前を呼ばせてみましょう。上手く行くといいんだけど
さぁやってちょうだい
名前を呼ぶとこの子は泣き出した
どうら正解だったらしくとても喜んでいる。
よしよしいい感じじゃない
これならきっと私のこともママと呼んでくれるはずよ
私は期待を込めて次の言葉を待つ
しかし返ってくるのはまだ幼い子供の声で発せられる拙く聞き取りにくいものばかりだったけれどどうにか意味を理解することはできた。
だけどもここで問題が一つ発生した。
どうやらこの子の言語能力はまだまだ未熟のようだ。
「あうー」
あらまた泣いちゃいましたね
困ったものです。
どうしたらよいのでしょうか？
とりあえずは頭を撫でれば落ち着くはずですよね
ゆっくりと優しく丁寧に髪をすくように触れていくと次第に落ち着いてきたみたい
良かった
ホッとしましたわ
こうして私は息子のアルフォンスを育てることになりました。
といってもまだ生後間もないのでしばらくは様子を見ることになりますが
幸いなことに夫は育児に協力的であり協力してくれるおかげで負担が軽減されています。
ちなみに私の年齢は25歳になります。
本来であればもう子供がいてもおかしくないのですがまだ妊娠はしておらず子供を産むには少し年齢的に厳しいかもしれません
とはいえそんな心配は必要ないようであり夫の子供を身籠ることができたので夫婦共々幸せな生活を送っています。
ちなみに名前はアルフォンスと名付けました。
由来は言うまでもありません
ただ最近は息子が泣く度にあの女のことを思い出してしまい辛い日々を過ごしていました。
そしてそんな状況に変化が訪れたのはとある日の朝のことであり私は夫に呼び出されて相談を受けることになった。
その内容は驚くべきものでありまさかこんな日が来るなんて思っていませんでした。
というのも実は最近になって夫が妙に落ち込んでいることが多くなっていたのですが
理由はアルフォンスのことでした。
普段は穏やかな性格の彼もさすがに耐えかねたのか思い切って問いただしたところついに重い口を開いて打ち明けてくれたのがきっかけだった。
なんと夫と妻の間には隠し事ができないという厄介なものが存在していた。
どうやらお互いに嘘をつけない呪いが掛けられているようで下手に誤魔化そうとすると体に異変が生じる
今回は特に何も起きなかったので良かったが場合によっては深刻な事態を招くこともあり得るそうだ。
そんなわけで私は夫からある事実を聞かされた。

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