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彼女はニコニコしながらこう言ったんだ。
「あら、今度は先に声をかけてくれるなんて嬉しいですね」
俺の反応を見て楽しんでいるようだったぜ。
ほんといい性格してるよなこいつ……。
だが、今はそんなことはどうでもよかったんだ。
一刻も早くここから出たいという気持ちの方が強かったからね。そうして俺は扉を開けようとすると、
なんと向こうから開いたんだぜ?
驚く俺に魔族の少女が言ったんだよ。
そこで俺は魔族の女の子2人に出会うんだが、
そいつらは人間なんだよな。
そして俺の正体を看破するとビックリしていたんだよな。
そんなこんなで俺達3人は仲良くなることに成功したんだぜ。
「あなた達、兄妹なのかしら? 」
リリアがルミエールに話しかけた。
すると彼女は笑いながら答えたんだ。
「そんなわけないでしょ? リュート様は魔王クロード様のお子ですわ、つまり未来の我が国の魔王後継者ですよ?」
「その話は白紙になったんじゃないんですの?」
「俺は、父さんに勇者として行きたいと言っただけでそしたら勝手にしろってさ、ただ里帰りはちゃんとしろって……」
そもそも、俺は拾われただけの、いわば養子に過ぎない。魔王のお子なんて敬われてはいるが、それでも、本当の子ではないと最近まで思っていた。
しかし、母マリアと父クロードの間にできたハーフだとしって以来俺は人間と魔族のハーフしかも魔族の中でも高潔に値するという事実に俺は悩まされているのだ。
母マリアは、勇者パーティーの聖女だったことで有名だから俺も
勇者として聖剣が扱える。
魔族としては父の血をついで魔剣フレイムが扱えるのだ。
「いいですよね? 高潔は……」
ある冒険者の話によればこの国にはある。
美しい魔族の姫がいて、その御身を男性達が夜な夜など、
ざすぎるという。
また俺はルミエールとサユリを大事な部下にしたのだった。
今日は魔界より新たな命が無事誕生したことに喜ぶ行事の一つ
らしいのだまさに初孫が生まれでもしたような。
祝福ムードだったのは確かだむしろ、村の人達は俺の正体を
知ってからはずっと応援してくれていたし、
それに加えて娘二人まで連れて行ってしまっても、
問題ないと言われたんだだから……。
そうして、俺は安心して彼らについて行ったんだよ。
「そういえば、お前の本当の名前は?」
そう聞く俺にルミエールはニッコリ笑って答えたんだ。
「私は、ネシスですよリュート様」
そう言ってきたから俺は流石にびっくりしてさ。
何せ初対面で俺がまだ幼かった頃からずっと優しい
微笑みを見せ続けてくれたのが他でもない、
父親であり魔王でもある人だっかなのだ。
とても、信頼されているようでよく男親とはそんなもんだ。
っと、言っていた父親がまさかこんな小さな子に自分の秘密を
打ち明けるなんて思わなくて、衝撃的な一言を聞いてしまった。
「名前だよ! それを教えてくれ!」
そういったら、俺を見上げて答えてきた。
「それじゃあ、言いません」
そのあともサユリにも聞いたが、
やはり教えてはくれなかったなそうこうしているうちに
俺たちは魔王城に着いたんだその頃には、
すでに夕日が出ていたんだ。
なんか懐かしかったよそんなこと考えている。
そうこうしているうちに着いたみたいだ。
早速中に入ったんだがこれが驚きだぜ。
「魔族の王城なだけあって、すげえ広いし綺麗だなぁ……」
なんて、思わず言ってしまったほどだ。
しばらく歩いてると、とある部屋の前で立ち止まったんだ。
そこで、ドアが開かれると中に案内されたんだが、
「失礼します」
ルミエールが礼儀正しく挨拶をすると中に通してくれたんだ。
そこには魔王の他に見覚えのある顔が何人かいたのだよ、
幼馴染のサユリや先輩冒険者であるリリアたちもそこに
居たんだよな。
そして俺はここで衝撃的な出会いを果たすことに
なるのだった。
そしてそこから俺が進むべき道は決まったのである。
しんと静まり返った空間の中でぽつりと呟いた声が、
聞こえたんだ。
それは、俺を抱きしめているネシスだった。
彼女が泣き出したのだやはり心配をかけてしまったんだな。
思ったのでなだめることにする彼女は実は涙を、
流せなくて精々舌をチロチロさせて静かに、
泣くだけだった。
だから、俺がなぐさめよう。そう決めたんだ。
「泣くなよ、全く」
俺はそう言いながら頭を撫でたり抱きしめてやったり
しまくったよ。
大丈夫だと何度も言ってやってねおかげで、
落ち着きを取り戻したのかようやく泣き止んでくれたんだ。
でも、ふと見ると鼻水が服に付いてしまっていた。
何とか取ってあげたんだが、そしたら、何故か感謝されたんだ。
「ありがとう、 リュートさん」
なんて言われたらちょっと恥ずかしくなっちゃってさ。
思わず目を逸らせてしまったんだが、
その間に彼女が、何やら俺の足元に抱きついてきた。
「リュートさん」
なんて言いながら、彼女の頭にそっと手を置いてみると
気持ちよさそうに目を細める彼女。
それを見て俺はつい微笑んでしまうのだった。
そんな彼女を見ながら俺も昔を思い出してたんだよね。
正直楽しかったし何より嬉しかったんだ。
こんな生活もありかなってそう思えるくらいには良かった。
そう思ったんだ。
すると、今度はリリアが口を開いたよ俺はなんと、
また魔法を放つのだった。
身体が吹っ飛んで壁に激突しそうになるのを
ギリギリで回避しつつ体制を立て直しつつ蹴りを
入れるとパンチに切り替えて連打を浴びせる。
そして、俺達の旅は続くのだった。
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