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そしてその日は解散する事になったのである。
(ルミナスに相談したら、解決するかもしれない)
そう思った俺は彼女に相談する事にしたのだった。
「あのさ、ルミナスに相談があるんだけど」
と聞くと彼女は快く応じてくれたのだ。
そこで先程父に言われた事を話してみると、やはり彼女も様子がおかしかったと言う事なので何か知っている可能性が高いと判断したのである。
「とりあえず、明日の朝もう一度訪ねてみましょう」
と言う彼女の言葉に頷くと、その日は解散する事にしたのだった。
翌朝、ルミナスと共に父の部屋を訪れたのだが、やはり父はいなかったのだ。
代わりに母が出てきて言ったのである。
「ごめんね、あの子今出掛けているの」
(どこ行ったんだよ!)
そう思いながらも仕方がないので待つことにした俺達だったのだが結局その日中に戻ってくることは無かったのだ……。
そして次の日の朝になると、母は深刻な表情でこう言ったのである。
「リュート君、貴方に会いたいという魔族の方がいるのだけれど……」
そう言われた瞬間に俺は嫌な予感を感じていたのだが断るわけにもいかず仕方なく会う事にしたのである。
「はじめまして、あなたがリュート君ですね?」
そう言って話しかけてきたのは魔族の少女であり、その表情は非常に穏やかだった。
どうやら悪い人物では無さそうだと思い、挨拶を交わす事にした俺は彼女に話しかけようとしたのだが、それよりも先に彼女が口を開いた。
「私はルミエールと申します」
そう名乗った彼女は優雅な仕草で一礼した後に俺に向かって微笑んだのだ。
その表情を見て思わず見惚れてしまいそうになってしまったが、すぐに気を取り直して彼女に話しかけた。
すると彼女は驚いたような表情を見せた後に納得したように頷くとこう言ってきたのである。
「あら、あなたには人間の血が入っているのね? 私と同じ魔族の血を引く者……そんな貴方が俺達の魔王になるなんて思いもしなかったわ」
と言う彼女の言葉を聞いて俺は困惑してしまったのだが、
「何、言っているんだ、魔王は父さんだろう」
と答えると、彼女は笑みを浮かべながらこう言ったのだ。
「そうね、貴方は何も知らないのよね……いいわ、教えてあげる」
その言葉に思わず身構えた俺を見てクスクスと笑った後、こう続けたのである。
「貴方を魔王に育て上げる、その為の準備をしていたのよ……さあ行くわよ」
そう言って俺の手を取るとそのまま歩き始めたのである。
(一体何が起こっているんだ?)
戸惑いながらも彼女に付いていくことにしたのだが、その時に見た彼女の横顔はとても嬉しそうだったのを覚えている。
そして連れてこられた先は何故か俺の部屋だったのだが、そこには一人の女性が待っていたのだ。
その女性は俺を見ると満面の笑みで出迎えてくれたのだった。
「御父様がお会いになるそうです」
「お前、魔族だな」
そう尋ねると彼女は驚きながらも嬉しそうに頷くとそのまま魔王の間に通された。
そこで待っていたのは、父クロードとその補佐官だった。
「父さん、ルミエール、これは一体どういう事なんだ?」
と尋ねると父も母も黙ったままだったので、仕方なく話を聞こうと思ったのだが……。
「お前には、魔族領地、エルフィに行って貰いたい」
と唐突に切り出された為、何の事やら理解できなかったので、聞き返そうとしたその時だった。
「えっ!?」
という声が聞こえたかと思うと背後で物音がしたと思ったらルミエールが後ろに立っていたのだ。
「エルフィに行くのは反対です、魔王クロード様、貴方は自分の子がかわいくは無いのですか?」
「勇者としての力を見込んでの事だ、父の代わりに、出向いてくれ、リュートよ」
父の言葉と共に、俺はエルフィへと旅立った。
俺の両親から、お前とルミエールを娶る事を許すと言われて、頭が真っ白になった所で我に返ったのを覚えている。
(いやいやいや、ちょっと待って下さいよ!)
そんな俺の心情とは裏腹に話はどんどん進んでいったのだった……。
リュート達が住む国は魔族に支配されていますが比較的平和です。
魔王城にいる将軍は人懐っこく世話焼きな性格で領民からの評判も良く、領民からの信頼も厚く慕われていましたが反乱が起きた
際は容赦なく鎮圧したのですがその際に多くの犠牲が出てしましました。
「なあ、リーゼ。メイドとして雇うには言葉遣いも礼儀作法もなってないから、仕事はないな」
俺とマリーは二人で過ごしているし、王女だったことは王城でも隠し通せたので侍女ではなくメイドが必要だと母親に伝えに行くと即答されてしまった。
まあ俺は自分の面倒も見切れないし、今までこうしてきたのだから問題ないと思う。
と言うよりこんなに可愛いのだからこのまま逃したくないというのが本心だ。
幸い見た目はまだ少女だが成長すれば大丈夫だろうと軽く考えていたのだが……その考えは甘かったようで、後々わかることでもあった。
「ひ、人外が住む森。」
目の前の森を見て俺は絶望した。
確かにゲームの中ではダンジョンが存在し、リュートはそこに向かうことになるのだが、
今いるこの森は明らかに怪しい雰囲気を醸し出している。
何故なら夜になったというのに一向に暗くならず、むしろ明るくなっているからだ。
普通ならあり得ない現象であり、これは何かあると警戒を強めるのが普通だが
俺の呟きにリーゼがビクッと震えたのが分かったので彼女を抱き締めると安心させるように言うのだ。
「大丈夫、俺が守ってやるさ。」
先程まで王女だった少女はというと今にも泣きそうな表情を浮かべながらも笑顔を見せて言ったのだった。
すみませんその見た目で子供っぽいのはずるいです。
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