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まあ当然といえば当然だがこれでは話が進まないと判断した俺は別のアプローチを試みることにしたんだが、それが功を奏したようだ。
「あ、いえ、違うんです。その、すみません」
そう言って慌てて頭を下げる姿を見て苦笑しつつ声をかける。
「いいよ、気にしないでくれ。それより顔を上げてくれるかい?」
と言うと恐る恐るといった感じで顔を上げる彼女に向かって優しく微笑みかけるとほっとした表情を見せる。
それを見てほっと胸を撫で下ろしつつ改めて質問を投げかけることにする。
まずは簡単なものからいこうかなと考えて手始めとして自分の名前を名乗ることにしたんだ。
まあ、偽名だけどね。
その後で所属と階級を告げることにした。
まずは名前だな、流石に本名をそのまま言うわけにはいかないので適当に思いついた名前を口にした。
ちなみに苗字はなしだ。
「ええっ!?  いや、さすがにそれはまずいんじゃないかな……」
驚く彼女を他所に続けるようにして言った。確かにその通りだとは思うのだがこればかりは仕方がないというものだし諦める
しかないだろうと考えた上での提案なのだということも伝えることにしたのだがそれでも納得していない様子だったために
更に言葉を付け加えることにしたのだ。
その結果、どうにか理解してもらうことができたようだったがまだ不安が残っているようであったがひとまずこの場は納得することにしてくれたようなので
一安心といったところだろうか?
「ありがとうございます、ご主人様」
私は感謝の気持ちを込めて頭を下げたあと、彼に言われたとおりにすることにすることに決めた。
まず最初にやることと言えばもちろん着替えだが、そこで私はあるものの存在に気がついた。
それはなんとメイド服だったのだ!
しかもご丁寧に下着まで用意されているではないか!
一体いつの間に用意したのだろうかと考えるよりも先に手が動いていた。
私は手早く着替えを済ませてしまうと鏡の前に立つ自分の姿を眺めてみた。
(これが今の私の姿なのか……)
なんだか不思議な気分だった。
自分じゃないみたいな感じがするっていうかなんていうか上手く言えないんだけどね。
それにしても凄い格好してるよなぁ私って、スカート短いしさ、胸元だってこんなに開いてるし、
「あのー、いつまで見てるんですか?」
おっといけない、つい見惚れてしまっていたみたいだ。
危ないところだったぜ。危うくまた怒られるとこだったからな、
気をつけないと。まったく困ったもんだ全く。
ふう、やれやれだぜ。
俺は今、とある人物の目の前に立っている。
そいつは俺のことを見上げながらきょとんとした表情を浮かべていた。
無理もないことだとは思うが、ここまで来るといっそ清々しい気分にもなるってもんだぜ。
「あの、もしかして私に何か御用でしょうか?」
不安そうに尋ねてくる彼女に対して、俺はなるべく優しい声色を意識して答えることにした。
「ああ、実は君にお願いがあって来たんだ」
彼女は俺の言葉を受けて、ますます困惑した様子を見せた。
それも無理はないことだろう。
何せ今の俺の姿は幼い少女の姿をしているのだから。
(ふふ、驚いてやがるな)内心ほくそ笑む俺を余所に、彼女は訝しげな視線を向けてきた。
しかし、すぐに気を取り直したのか姿勢を正すと、真面目な顔つきになってこう切り出してきたのだった。
どうやら話を聞く気になったらしい。
ならば遠慮する必要は無いだろうと、早速用件を伝えることにした。
「ふむ、悪くないんじゃないか?むしろアリだと思うぞ!」
一応褒めておくことにしようと思ったので素直に感想を述べておくことにする事にしたのである。
それを聞いた瞬間、彼女の顔色がパッと明るくなったのが分かった。
よほど嬉しかったのだろうということが伝わってくるようで微笑ましく思えたものだ。
それはさておき、問題はこれからどうするかということだ。
このまま見捨てるという選択肢もあるが……いや駄目だ、
それだけは絶対にしてはならないことなのだから考えるまでもないことではあるのだがね。
さてどうしたものか、ううむ、などと思案していると突然後ろから声をかけられたのである。
ルミナスだ!
「ねぇ、大丈夫だったぁ~?」
見るとそこには心配そうにこちらを見ている仲間たちの姿があった。
良かった、無事だったんだな、とホッとしていると、向こうから声をかけてきた。
それを聞いて安心すると同時に、俺も負けてられないという気持ちが強くなってきたのである。
そしてついに、その時は訪れた。
遂にこの時が来たのだ。
俺は心の中で歓喜に打ち震えていた。
何故ならこの瞬間こそが待ち望んでいたものだったからだ。
そしていよいよその時が訪れた。
その瞬間俺は叫んでいた。
そう、これこそが俺の求めていたものなのだ。
俺が望んだものはここにある、
そう思った次の瞬間にはもう遅かった。
俺の手は既に剣を振り上げており、あとは振り下ろすだけだったのだから。
ズバッという感触と共に鮮血が飛び散り、目の前の景色を赤く染め上げていくのが見えたような気がしたもののそんな事はもうどうでもよかったのかもしれない。それよりも今はもっと大事なことがあるのだからそっちの方に集中しなければならないと思うんだよな!
そんなわけで気持ちを切り替えようとした矢先のことだった、
突如背中に衝撃が走ったかと思うと何かがぶつかってきたような感覚を覚えたと思ったらそのまま押し倒されてしまったんだよ。
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