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次に、勤務時間や休暇についての記述が一切なく、ただ単に
「業務を遂行すること」
としか記載されていなかったり、給料についても具体的な数字が何も書いていなかったりととにかくめちゃくちゃだったのだ。
(おいおいマジかよ……)
いくらなんでも無茶苦茶すぎるだろこんなの、と思ったが、今さら引き返すこともできないので渋々サインすることにした。
こうして俺と彼女との共同生活が始まったわけなのだが、最初はどうなることかと思ったが、案外なんとかなるものだなと思うようになった。
実際、家事全般については俺が担当することになったのでそこまで苦労することはなかったし、
何より一緒に過ごす時間が楽しいと思えるようになってきたため、このままずっと続いてほしいと思っていたくらいだ。
しかし、そんなある日のこと、事件が起こった。
その日、いつものように仕事を終わらせてから家に帰ると、玄関の前に見知らぬ女性が立っているのが見えたので不審に思いながら近づいてみると、
向こうの方から声をかけてきた。
「あの、あなたがレオンハルトさんですか?」
いきなり名前を呼ばれたので驚きつつも返事をすると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべながらさらに続けた。
彼女の名前はレイナといって数日前にこの街に来たばかりの旅人だそうだ。
何故自分のことを知っているのかと聞くと彼女は微笑みながら答えた。
なんでも自分が倒した魔物の死体を片付けているところを見ていたらしくその時に気になったのだという事だそうだ。
それで実際に会ってみたくなったから来たということだったようだが一体何のためにそんな事をしたのかと思っているとレイナさんが
言った言葉に耳を疑ったのだった。
(嘘だろ……?)
その言葉を聞いた瞬間頭の中が真っ白になったような気がしたが何とか平静を装っていると彼女は続けてこう言ったのだった。
それを聞いた瞬間背筋が凍るような感覚が襲ってきたような気がしたものの何とか取り繕うことに成功したようで安堵していると
彼女は微笑みながら言ってきたのだった。
「それじゃあそろそろ戻りましょうか……それとももう少し休んでいきますか……?」
その問いに答える代わりに首を横に振る事で意思を伝える事にしたところでふとある事を思い出した為それを尋ねてみる事にした。
というのも彼女には聞きたい事が色々とあったからである。
「そういえばさっきの戦いの時なんですけど……」
そう言うと何かを察したかのように頷いた後、静かに語り始めたのである。
「はい、何でしょう」
と返してきた彼女に俺は言葉を続ける事にする。
そうして俺はあの時感じた疑問をぶつけてみる事にしたのだ。
そう、なぜ俺に攻撃してきたのかという事だ。
いくら敵同士とはいえ、わざわざ殺す必要はなかった筈だ。
それなのに、あえて殺さずにいた理由は何なのかという部分について知りたいと思ったからだった。
その問いに対し、少し考える素振りを見せた後でゆっくりと口を開いた。
「そうですね、あの時は本当にすみませんでした。
ですが、私にもどうしても譲れないものがあったのです」
それを聞いて首を傾げる俺に、苦笑を浮かべつつその理由を教えてくれた。
曰く、あの時の俺は明らかに様子がおかしいように見えたから、何かあったのではないかと思ったとの事である。
そして、その原因を突き止めるために尾行していたらしいのだが、結局最後まで教えてもらえなかったという訳だ。
なので、直接聞きにきたというわけだ。
そういう事なら隠す必要もないと思ったので正直に話すことにした。
すると、彼女はホッとしたような表情を見せた後でお礼を言ってくれた。
それに対して気にするなと言って返した後で話を元に戻したのだ。
さて、それでは次の質問に移るとしようか。
といっても、特に聞くこともないんだけどなぁ、うーん、どうしたものかな?
などと考えていたら不意に声をかけられた。
そちらの方を向くと、そこにいたのは金髪の女性であった。
年齢は20代前半といったところだろうか? スタイル抜群な美人さんって感じだね。
そんなことを考えているうちに近づいてきたその人は僕の前で立ち止まると言った。
えっと誰だろうこの人?
見た感じ外国人っぽいけど日本語上手だなぁなんて思いながら見ているとその視線に気づいたのか自己紹介を始めたんだ。
それから聞いた話によるとこの人はアリアという名前らしくてこの国のお姫様なんだってさ、
驚いたよまさかそんな人が目の前にいるだなんて思いもしなかったからね!
でもなんでそんな人がこんなところにいるんだろうって思ったりもしたけれどそれよりも気になることがあったから聞いてみたんだ。
そしたらあっさり教えてくれて拍子抜けしちゃったけどね。
あっけなかったなあと思ったけどまあいいかと思い直すことにして本題に入ることにするかな まずはどこから話そうかなと
考えを巡らせていると彼女が先に話し始めたんだ。
なるほどそういうことか、つまりこういうことなんだな?
「わかった、とりあえず君の言うことを信じようじゃないか。だからもう泣き止んでくれないかな?
これじゃまるで僕が悪者みたいじゃないか。僕は女の子には優しい方なんだ、できれば泣かせたくないしね。
それにほら、可愛い顔が台無しだよ?せっかく綺麗なんだから笑っていてほしいんだけどな」
そう言いながら頭を撫でてあげると安心したのか笑顔を見せてくれた。
よかった、これでなんとか話はできそうだな、やれやれと思いながらも再び口を開く。
というわけでさっそく質問をしてみたんだがやはりというかなんというか返ってきた答えは芳しくなものばかりだった。
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