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「そうですか、それは良かったです♪それでは朝食の準備をして参りますので、少々お待ちくださいませ♡」
そう言って台所に向かう彼女を見送ると、今度は後ろから
声をかけられた。
振り返ると、そこにはもう一人の少女が立っていた。
彼女はこちらを見て微笑むと、話しかけてきた。
「おはよー! ねえねえ、今日一緒に遊ばない??」
突然の申し出に困惑していると、更に畳み掛けるように
言ってきた。
「ほら、いいから行くよ!」
そう言って強引に手を引かれるままに連れて行かれることに
なった。
連れてこられたのは街の外れにある小さな空き地だった。
ここには滅多に人が来ないらしく、人目を気にする
必要が無いというのは好都合かもしれないと思った。
そんな事を考えているうちに準備が整ったようだ。
そして次の瞬間には視界が暗転していた。
驚いて声を上げようとしたが上手く喋れなかった。
それどころか手足の自由も利かない状態だ。
一体どうなっているんだと考えているうちに意識が
遠のいていった……。
気がつくとベッドの上だった。
辺りを見回すと見覚えのある光景が広がっていることに
気づいた。ここは自分の部屋のようだ。
「よかった……」
ホッと胸を撫で下ろすと同時に、自分が何をしていたのかを
思い出すことができた。
そうだ、確か風呂で倒れて……そこからの記憶がないということは気を失って倒れたのだろう。
あのまま放置されていたら風邪を引いてしまっていたに
違いない。助けてくれた誰かに感謝しなければなるまいと
思いながらベッドから降りた瞬間、違和感に気づいた。
身体が妙に軽いのだ。
よく見れば若返っている気がする。
「まさか、本当に……?」
半信半疑のまま鏡の前に立つと、そこには18歳くらいの
自分の姿があった。
どうやら本当に若返ったらしい。
驚きのあまり声も出ない。
しばらく呆然としていたが、ふと我に帰るとこれから
どうするかを考え始めた。
このままここで暮らすわけにはいかないだろう。
かといって行く当てもない。
どうしたものかと思案していると、ドアがノックされた。
返事をする間もなく入ってきたのは、一人の女性だった。
年齢は20代後半くらいだろうか。
長身ですらっとした体型の女性だった。
髪は長く、後ろで一つにまとめられている。
顔立ちは非常に整っており、美人という言葉が
ぴったり当てはまるような人だった。
「今日から、お世話をさせていただくことになりました、ニーナと申します」
そう言って頭を下げると、彼女は俺の服を脱がせにかかった。
抵抗しようとしたが、何故か身体に力が入らずされるがままになってしまう。あっという間に裸にされると、そのまま浴室へと連れていかれた。
温かいお湯をかけられた後、石鹸のようなもので全身を洗われる。その間ずっと彼女の視線を感じていたせいで、なんだか落ち着かない気分だった。
その後湯船に浸かりながら、これからどうするかを考えることにした。
(とりあえず、情報収集から始めるべきだろうな)
まず最初に思い浮かんだのは、この世界についてだった。
見たところ普通の民家といった感じだが、
よく見ると壁に何かの紋章のようなものが刻まれていることに
気がついた。
それに触れてみると、
突然紋章が光り輝きだした。
光が収まると、目の前には一人の女性が立っていた。
その女性は背が高く、スタイル抜群の美人だった。
年齢は二十代前半くらいだろうか。
彼女はこちらをじっと見つめながら話しかけてくる。
「あなたが新しい子ね?」
その言葉に頷くと、彼女はにっこりと微笑んできた。
その顔を見た瞬間、胸が高鳴るのを感じた。
(あれ? なんだこれ……?)
戸惑っているうちに腕を掴まれ、引っ張られるように
して歩き出すことになった。
そうして連れて来られたのは寝室のような場所だった。
ベッドの上に座るように促されたので従うことにする。
すると、彼女も隣に座ってきた。
それからしばらくの間沈黙が続いたが、やがて彼女が
口を開いた。
「あなたの名前は何ていうのかしら?」
そう聞かれて一瞬戸惑ったものの、素直に答えることにした。
「……ルシフェル」
それが自分の名前だと答えると、彼女は驚いた表情を
浮かべた後でこう言った。
「素敵な名前ですね」
そう言われて何だか照れ臭かったので顔を逸らすと、 それを見た彼女がクスクスと笑ったような気がしたが気にしない
ことにする。
その後は他愛のない話をしたりして過ごした後、
そろそろ寝る時間だということになり解散することになった。
自室に戻った後はベッドに寝転がると、すぐに眠りにつくことができたのだった……。
翌朝目を覚ますと、自分の身体を確認するために
洗面所へと向かったのだが、そこで再び驚かされることになった。
なんと昨日までは確かに男だったはずの自分の身体がかなりいい男のものになっていたからだ。
しかもかなり美男子になっているようで、
自分でも見惚れてしまうほどだった。
そんな自分の姿を見ていると、不意に背後から声をかけられた。振り返るとそこにいたのはアリアだった。
彼女は心配そうな表情をしながらこちらを見つめていた。
どうやら様子を見に来たらしい。
しかし今の姿を見られるのはまずいと思い咄嗟に背を
向けようとしたところでバランスを崩してしまった。
倒れそうになったところを彼女に支えられたが、
その際に彼女の胸に顔を埋めるような形になって
しまったことで余計に動揺してしまった。
そう言って台所に向かう彼女を見送ると、今度は後ろから
声をかけられた。
振り返ると、そこにはもう一人の少女が立っていた。
彼女はこちらを見て微笑むと、話しかけてきた。
「おはよー! ねえねえ、今日一緒に遊ばない??」
突然の申し出に困惑していると、更に畳み掛けるように
言ってきた。
「ほら、いいから行くよ!」
そう言って強引に手を引かれるままに連れて行かれることに
なった。
連れてこられたのは街の外れにある小さな空き地だった。
ここには滅多に人が来ないらしく、人目を気にする
必要が無いというのは好都合かもしれないと思った。
そんな事を考えているうちに準備が整ったようだ。
そして次の瞬間には視界が暗転していた。
驚いて声を上げようとしたが上手く喋れなかった。
それどころか手足の自由も利かない状態だ。
一体どうなっているんだと考えているうちに意識が
遠のいていった……。
気がつくとベッドの上だった。
辺りを見回すと見覚えのある光景が広がっていることに
気づいた。ここは自分の部屋のようだ。
「よかった……」
ホッと胸を撫で下ろすと同時に、自分が何をしていたのかを
思い出すことができた。
そうだ、確か風呂で倒れて……そこからの記憶がないということは気を失って倒れたのだろう。
あのまま放置されていたら風邪を引いてしまっていたに
違いない。助けてくれた誰かに感謝しなければなるまいと
思いながらベッドから降りた瞬間、違和感に気づいた。
身体が妙に軽いのだ。
よく見れば若返っている気がする。
「まさか、本当に……?」
半信半疑のまま鏡の前に立つと、そこには18歳くらいの
自分の姿があった。
どうやら本当に若返ったらしい。
驚きのあまり声も出ない。
しばらく呆然としていたが、ふと我に帰るとこれから
どうするかを考え始めた。
このままここで暮らすわけにはいかないだろう。
かといって行く当てもない。
どうしたものかと思案していると、ドアがノックされた。
返事をする間もなく入ってきたのは、一人の女性だった。
年齢は20代後半くらいだろうか。
長身ですらっとした体型の女性だった。
髪は長く、後ろで一つにまとめられている。
顔立ちは非常に整っており、美人という言葉が
ぴったり当てはまるような人だった。
「今日から、お世話をさせていただくことになりました、ニーナと申します」
そう言って頭を下げると、彼女は俺の服を脱がせにかかった。
抵抗しようとしたが、何故か身体に力が入らずされるがままになってしまう。あっという間に裸にされると、そのまま浴室へと連れていかれた。
温かいお湯をかけられた後、石鹸のようなもので全身を洗われる。その間ずっと彼女の視線を感じていたせいで、なんだか落ち着かない気分だった。
その後湯船に浸かりながら、これからどうするかを考えることにした。
(とりあえず、情報収集から始めるべきだろうな)
まず最初に思い浮かんだのは、この世界についてだった。
見たところ普通の民家といった感じだが、
よく見ると壁に何かの紋章のようなものが刻まれていることに
気がついた。
それに触れてみると、
突然紋章が光り輝きだした。
光が収まると、目の前には一人の女性が立っていた。
その女性は背が高く、スタイル抜群の美人だった。
年齢は二十代前半くらいだろうか。
彼女はこちらをじっと見つめながら話しかけてくる。
「あなたが新しい子ね?」
その言葉に頷くと、彼女はにっこりと微笑んできた。
その顔を見た瞬間、胸が高鳴るのを感じた。
(あれ? なんだこれ……?)
戸惑っているうちに腕を掴まれ、引っ張られるように
して歩き出すことになった。
そうして連れて来られたのは寝室のような場所だった。
ベッドの上に座るように促されたので従うことにする。
すると、彼女も隣に座ってきた。
それからしばらくの間沈黙が続いたが、やがて彼女が
口を開いた。
「あなたの名前は何ていうのかしら?」
そう聞かれて一瞬戸惑ったものの、素直に答えることにした。
「……ルシフェル」
それが自分の名前だと答えると、彼女は驚いた表情を
浮かべた後でこう言った。
「素敵な名前ですね」
そう言われて何だか照れ臭かったので顔を逸らすと、 それを見た彼女がクスクスと笑ったような気がしたが気にしない
ことにする。
その後は他愛のない話をしたりして過ごした後、
そろそろ寝る時間だということになり解散することになった。
自室に戻った後はベッドに寝転がると、すぐに眠りにつくことができたのだった……。
翌朝目を覚ますと、自分の身体を確認するために
洗面所へと向かったのだが、そこで再び驚かされることになった。
なんと昨日までは確かに男だったはずの自分の身体がかなりいい男のものになっていたからだ。
しかもかなり美男子になっているようで、
自分でも見惚れてしまうほどだった。
そんな自分の姿を見ていると、不意に背後から声をかけられた。振り返るとそこにいたのはアリアだった。
彼女は心配そうな表情をしながらこちらを見つめていた。
どうやら様子を見に来たらしい。
しかし今の姿を見られるのはまずいと思い咄嗟に背を
向けようとしたところでバランスを崩してしまった。
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しまったことで余計に動揺してしまった。
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