勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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その後も何度も攻撃を仕掛けるものの、全て空振りに終わった。
やがて息が上がってきた頃を見計らって、一斉に飛びかかってくるのが見えた。
しかし、それを予想していた俺は冷静に対処することに成功した。
剣を地面に突き刺して軸にして回転蹴りを放つことで一気に薙ぎ払うことに成功すると、
そのまま跳躍し回し蹴りを叩き込む、さらに追撃を加えようと距離を詰めたところで、
後ろからの攻撃に気づくと、振り向きざまに裏拳を放ち相手を昏倒させる。
しかしその間に他の奴らが集まってきたため、一旦距離を取ることにする。
魔王軍の兵士として働いていた俺は、ある日突然、解雇された。
理由は単純明快で、俺が弱すぎたからだ。
最初はショックだったが、今は違う。
「よし、決めたぞ」
俺がそう言うと、みんなが一斉にこちらを見た。その視線を感じながら、宣言する。
「俺は冒険者になる!」
俺の言葉に、全員がぽかんとした表情になる。だが構うことなく続けることにした。
「いつまでも親の世話になるわけにもいかないからな、それにもう働かないと食っていけないだろう」
そう言いつつ立ち上がる。俺の言葉を聞いた皆の反応はそれぞれだった。喜ぶ者、呆れる者、苦笑する者と様々だったが、反対意見はないようだ。
そういうわけで、俺たちは冒険者になることに決めたのだった。
数日後、俺たちは冒険者ギルドの前に立っていた。
外観は他の建物と変わらない普通の造りに見えるが、
その中には冒険者たちが集まる場所であり、様々な依頼が掲示されている掲示板がある。
ギルドに入るためには登録手続きが必要であり、まずはその手続きを済ませる必要があった。
ギルドの扉を開け、俺たちは中に足を踏み入れた。
中は賑やかで、冒険者たちが交流し情報を交換している様子が見受けられた。
カウンターの前にはギルドのスタッフがいて、新規の登録者を案内している。
俺たちはスタッフに声をかけられた。
「初めての登録ですか?」
「はい、そうです。冒険者になるために登録したいんです」
スタッフはにっこりと笑顔で応じた。
「承知しました。まずは基本情報の登録と身分証明書の提出をお願いします。 また、ギルドの規則や冒険者の倫理規範についての説明もありますので、よろしければお待ちください。」
俺たちは順番に基本情報を記入し、身分証明書を提出した。
スタッフはそれらを確認しながら、冒険者の倫理規範についての説明を始めた。
「冒険者ギルドでは、冒険者同士の信頼関係を築き、安全かつ適切な活動を行うことを目指しています。危険な任務に挑む際にはチームを組んだり、情報を共有したりすることが重要です。 また、市民への対応や任務遂行の際にはマナーを守ることが求められます。 これらの規範を守っていただくことで、ギルドの活動が円滑に進むことになります。」
説明が終わると、スタッフは俺たちにギルドのバッジを渡した。
「これは冒険者ギルドのバッジです。 身に着けることで冒険者としての身分を示すことができます。 さらに、掲示板には様々な依頼が掲示されていますので、興味のある任務があれば挑戦してみてください。 それでは、冒険者としての活動を楽しんでくださいね」
そういって微笑んだ後、次の客の対応に向かったのだった。
そうしていくつかの依頼を受けた後、俺達は街に帰ってきた。
報酬を受け取った俺達は宿に戻り、今後の方針を決めることにしたのだった。
翌朝、俺達は早速冒険者ギルドに向かうことにした。
受付嬢に案内され、奥の部屋に入ると、そこには三人の人物が待っていた。
そのうちの一人を見て驚くことになるとは思いもしなかったのだ。
その人物こそ昨日出会ったばかりのあの少女だったのだから……。
彼女は俺達の姿を見ると立ち上がり、声をかけてきた。
どうやら彼女は俺たちの担当官のようで、彼女の名前はアリアというらしい。
彼女は俺達のことをじっと見つめていたが、しばらくすると笑顔を浮かべて言った。
(やっぱり可愛いなぁ)
そんなことを思いながら見つめていると彼女が口を開いた。
アリアはあなたに向かって微笑みながら言います。
「あら、君たちが冒険者になるとは驚きだわ。でも、きっと素晴らしい冒険が待っているわよ! 私も君たちをサポートすることができるから、安心して頑張ってね。」
彼女の言葉に背中を押され、俺達は更に意気込みを高めます。
「ありがとう、アリア! 一緒に冒険を楽しもう!」
こうして、新たな仲間と共に新しい生活を始めることになったあなた達でした。
その後、アリアに連れられて向かった先は訓練場のような場所だった。
そこで、基本的な戦闘技術を学んだ後で、いよいよ初任務に臨むことになった。
最初の仕事は街の外れにある森に出る魔物の討伐だ。
アリアが付き添いで来てくれることになり、三人で出発した。
森の中に入りしばらく進むと、ゴブリンの群れが現れた。
前衛を務める戦士の男と盗賊の女が突っ込んでいき、アリアも後方から支援魔法を飛ばしている。
俺も弓を構え、狙いを定めてから矢を放った。
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