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(なるほど、そういうことか……)
俺は納得すると、聞いてみることにした。
「俺に何をさせたいんだ?」
俺が尋ねると、彼女は言った。
「私は強くなりたいんです。だから貴方に稽古をつけて欲しいんです!」
その言葉に俺は驚くと同時に呆れた。
(いきなり何を言い出すかと思えば……馬鹿馬鹿しい)
そう思ったものの、俺は敢えて断ることにした。
しかし、それでも食い下がってきたので俺は仕方なく承諾することにした。
(仕方がない、少しだけ付き合ってやるか……)
そう思って了承したのだが、直後に後悔することになるとはこの時はまだ知る由もなかった……。
~数分後~
俺は溜息を付いた。
(やれやれ、とんでもない奴を引き受けてしまったな……)
今更ながら後悔する。
(しかし、どうしてこうなったのか……)
心の中で呟くと、再び回想を始めることにする。
あれは、今から一時間ほど前のこと……、
突然現れた美少女達が、俺のことを引き取りたいと言い出した。
当然、最初は何を言っているのか理解できなかった。
しかし、彼女たちの言葉を理解するにつれて、驚きを隠せなくなっていく。
(一体どういうことだ……?)
混乱する頭で必死に考えようとするが上手くいかない。
(何故こんなことになっているんだ……!?)
頭の中で自問するが答えは出ないままだった……。
その後、紆余曲折を経て、最終的に結論を出した俺達は今後の方針について話し合うことになったのである。
まず最初に切り出したのはアリアだった。
「ところでこれからどうするのかしら?」
それに対してミレイが答える。
「まずは情報収集じゃないかしら?この世界についてもまだ分からないことも多いし……」
そう言うと今度はアリシアが口を開いた。
それを聞いたアリアは頷くと立ち上がった。
「そうね、じゃあ行きましょうか」
と言って、歩き出すので俺たちも後に続くことにした。
そうして、向かった先はギルドと呼ばれる施設だった。
ここでは冒険者たちが情報交換をしたり依頼を受けたりする場所らしい。
(ちなみに受付嬢は美人揃いのようだ)
そこで、情報収集を行うことになったのだが、ここでも予想外の出来事が起こったのだ。
それは、何故かと言うと、受付にいる女性に声を掛けたところ、何故か俺を見て驚いていたからだ。
しかも、他の従業員たちも似たような反応をしていた。
その様子を見て不審に思った俺は、一体何事なのかと思い尋ねてみることにした。
返ってきた言葉は予想外なものだったのだ。
なんと、どうやら俺は有名人らしい。
いや、正確には違うかもしれないが少なくともこの町では有名みたいだ。
(何でなんだ? 意味がわからない……)
疑問に思っていると説明してくれた人がいた。
その人は俺のことを知っているようで事情を話してくれたのだ。
それによるとこういうことらしい。
なんでも先日、行われた闘技大会での出来事が原因なのだとか……。
その大会というのが武闘大会のことで、この国で一番大きなイベントであり、世界中から腕自慢が集まる祭典でもあるそうだ。
そんな大会で優勝したということもあって俺は一躍有名人となったのだという正直言って全く実感がなかった……。
(それにしても……俺がそんな大会に出場してたなんてなぁ……全然、知らなかったぞ)
そんなことを考えているうちに話は進んでいたらしく、いつのまにか次の目的地へと向かっているようだった。
そこでようやく我に返った俺は慌てて後を追いかけることにしたのだった……。
(まったく、勘弁してほしいぜ)
そう思いながらも歩き続けるしかなかった……。
こうしてようやく、目的地へと到着した俺達は早速中へと入っていった。
中に入ると早速依頼掲示板を確認することにした。
そこには様々な種類の依頼が貼り出されていた。
その中に気になるものを見つけたので確認してみると、それは行方不明になった子供の捜索依頼だった。
内容を読んでみると、最近子供が失踪する事件が相次いでおり、調査の結果、何者かに連れ去られた可能性が高いとのことだった。
報酬はそれなりに高額だったが、今の俺にとっては大した額ではなかった。
そして、戦った相手に女剣士を見つけると俺は声を掛ける事にした。
「よう、久しぶりだな」
と言いながら近づくと相手は一瞬驚いたように目を見開いた後、少し警戒した様子でこちらを睨んできたが、
すぐに冷静さを取り戻すと話しかけてきた。
「あら、誰かと思えば貴方だったのね」
続けて言う。
「それで何の用かしら?」
その問いに答えるべく口を開く。
それから、しばらく話をした後、本題に入ることにした。
「俺のハーレムに来ないか? 今は魔王しているんだ」
「え……?」
その言葉に驚くと同時に困惑する。
「俺の所に来たら、良い思いが出来るぜ」
そんな誘い文句と共に手を差し出されたことで余計に混乱してしまった。
「貴方の所に行けば幸せになれるって言うの?そんなの信じられるわけないわ!」
反射的に叫んでしまうが、内心は迷っていたのも事実だった……。
(どうしよう……どうすれば……)
そんな葛藤を繰り返しているうちに彼は畳み掛けるように言葉を続ける。
まるで逃さないとばかりに詰め寄ってくる彼に対して恐怖を感じ始めていた時だった。
不意に誰かに腕を掴まれると引っ張られるような感覚がしてよろめいてしまう。
思わず倒れそうになったところを誰かが支えてくれたようで何とか助かったようだが一体誰が
助けてくれたのだろうかと思い見上げるとそこには見覚えのある顔があった。
それは先ほど別れたばかりの人物だったからだ。
彼は心配そうな表情を浮かべていたが、特に目立った外傷はない様子だった。
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