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俺は納得すると、自己紹介を行う。
すると、彼女は少し驚いたような顔をすると、微笑んだ。
どうやらこちらの素性をある程度把握しているようだ。
それから、少しだけ世間話をすると、本題に入ることにする。
「ところで、なにかご用でしょうか?」
そう尋ねると、少しだけ躊躇うようにしていたが意を決した様子で口を開く。
「あの、もしよろしければ、一緒に依頼を受けてもらえないかなと思って」
どうやら、パーティを組んで欲しいということだった。
俺は少し考え込むと、一応確認しておく。
「それは、俺が勇者パーティーにいた時のメンバーでという意味ですか」
そう尋ねると、彼女は少し困ったように笑うと、口を開く。
「えっと、そういうことなんですけど、その前に一つ聞いておきたいことがあるのですが」
そう言って彼女は俺の目をじっと見据えた。
どうやら俺の正体に気付いているらしい。
俺は観念すると、彼女に告げた。
すると、彼女は嬉しそうに笑うと、俺の手を握ってくる。
「やっぱり、あなただったのね」
どうやら最初から気付いていたらしい。
俺は苦笑すると、彼女に尋ねた。
「いつ気づいたんだ」
すると、彼女は嬉しそうに答える。
「最初に会った時から」
どうやら、一目見た時に正体に気が付いてしまったようだ。
俺は思わず苦笑すると、彼女に手を引かれるがままについていく。
それから、彼女の案内で、ある場所へと連れていかれる。
そこは、この国で一番大きな屋敷だった。
俺は思わず目を大きく見開くと、その大きさに圧倒される。
それから、中に入ると、そこには大勢のメイド達が並んでいた。
どうやら、この家の者達のようだった。
その光景に驚いていると、奥の方から一人の少女が現れる。
その少女は俺達を見ると笑顔で駆け寄ってきた。
「おかえりなさいませ、御父様」
そう言って嬉しそうに笑う。
どうやらこの子がこの家の娘らしい。
その姿を見て、俺は思わず固まった。
何故なら、その子はニーナにそっくりだったからである。
髪の色や、耳の形など違う部分もあるが、それ以外は瓜二つだった。
俺が呆然としていると、彼女は首を傾げる。
どうやら、俺のことを不審に思っているようだ。
(どうしよう、なんて説明すればいいんだ)
俺は焦りながら、必死に言い訳を考える。
だが、何も思いつかない。
「ニーナじゃないんだよな」
(まずいな……)
俺は冷や汗を流していた。
するとニーナが俺の代わりに答えてくれる。
「ニーナとはどなたですか? リュート様」
そう言って彼女は首をかしげる。
本当に、ニーナでは無いのだろう。
(良かった……)
俺はホッとする。
「君はなんて言うんだ?」
俺は改めて目の前の少女の名前を聞くことにしたのだが……。
「レフィーナです」
返されてしまった。
(名前を教えたくないのか?)
俺はそう思ったのだが、どうにも違和感を覚える。
そこで俺はもう一度名前を尋ねてみた。
しかし、やはり同じ反応が帰ってくるだけだった。
(どうなっているんだ?)
俺は困惑する。
ただ、これ以上は答えてくれそうにないので、諦めることにした。
すると、彼女は何かを思い出したかのような表情を浮かべると、俺に尋ねてくる。
「そうだ、お母様がお呼びでしたので、ご一緒に来ていただいても宜しいでしょうか」
どうやら、俺に話があるらしい。
俺は断る理由もなかったので、素直に従うことにして、彼女と共に部屋を後にする。
(一体なんの話なんだろうか)
俺は疑問を抱きながら歩いて行くのであった。
それからしばらく歩くと目的地に到着したようだ。
(ここって……)
その場所を見て、俺は驚くことになるのであった。
俺達は応接室までやってくると、ソファーに腰を下ろす。
それからしばらく待っていると、扉が開いた。
どうやら、誰かがやってきたらしい。
俺はそちらに視線を向けると、そこにいた人物を見て、驚愕する。
(どうしてここに……)
そこに居たのは、俺の元婚約者である、アリスだったのだ。
彼女は俺の姿を見つけると、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「久しぶりですね、お兄様っ!」
そう言って抱きついてきた。
俺は戸惑いながら、なんとか離れようとする。
すると、彼女は不満げな表情で俺を見つめてきた。
どうやら、久しぶりに会えたことが嬉しいらしい。
俺は苦笑すると、仕方なく受け入れることにする。
すると、彼女は満足したようで、俺から離れる。
それから、彼女は俺の隣に座ると、楽しげに話しかけてくる。
どうやら、俺と話すのが楽しいらしい。
俺はそんな彼女の様子を眺めながら、どうしたものかと考える。
(まさか、こんな所で再会するとはな……)
俺は内心動揺していた。
というのも、俺が追放された後すぐに彼女が姿を消したからだ。
(一体どこに行っていたのだろうか)
俺は不思議で仕方がなかった。
すると、そんな俺の気持ちを察したのか、彼女は俺に尋ねてきた。
「ねぇ、私に聞きたいことでもあるの?」
どうやら、俺の様子がおかしいことに気がついたらしい。
俺は素直に質問することにした。
「ああ、実は……」
俺は今までの経緯を説明する。
すると、彼女は少しだけ悲しそうな顔をした。
どうやら、俺が追放されて落ち込んでいると思ったのかもしれない。
俺は慌てて否定する。
「いや、別に気にしていないから大丈夫だぞ」
そう言って笑いかけると、彼女は安心したようだ。
それから、俺はさらに詳しく事情を聞いてみることにする。
「それで、どうして俺に会いに来たんだ?」
すると、意外な言葉が帰ってきた。
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