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まず初めに勇者に対して斬りかかる!
そして相手の首を一閃! 確実に切断できるはずだったのだが……しかし、奴はそれを回避し、あろうことか反撃してこようとしてきた!
(くそ! 流石と言うべきか、なんというべきか)
「魔族になったって聞いたときは、少しは出来るようになったかと思ったけど、リュート、お前弱いな、だから、魔王様にも捨てられたんじゃねぇのか?」
(なんだと!)
奴の言葉を聞いて俺はキレそうになる。
(こいつだけは絶対に殺す)
心の中でそう思いながら再び攻撃態勢に入る。
するとその時だった、不意に何者かが割り込んできたかと思うと、その攻撃を防いでみせたのだ。
(誰だ!?)
驚いて見てみるとそこにいたのはなんとルーティアだった。
「え? ねぇさん」
なんで彼女がここにいるのだろうかと一瞬考えたが、すぐに答えに思い至った。
(まさか俺の後を追ってきたのか?)
確かに彼女ならやりかねないと思ったものの一応確認してみることにした。
「なんで来たんだ!」
すると彼女は答えた。
「貴方を助けに来たに決まってるでしょ!」
(マジかよ)
そんなやり取りをしている間にアギトは距離を取ると聖剣を構えたままこちらの様子を伺っているようだ。
そんな相手にルーティアは言った。
「お父様からの伝言よ、城に戻って来いって」
(やはりそうきたか)
もう逃げられないようだ。
そこで仕方なく従う事にするが一つだけ条件をつけた上で、戻る事を承諾した。
それから数日後、俺は元居た城に戻っていた。
(はぁ、どうしてこんな事に……)
そんなことを考えながら歩いていると不意に声をかけられた。それはかつての仲間である聖女アリアの声だった。
「お久しぶりですね、リュート様」
それを聞いた時、俺は複雑な気持ちになってしまう。
何故なら彼女には散々迷惑を掛けてきた上に裏切ってきたという負い目があるからだ。
なので思わず顔を伏せてしまう。
「お父様、わざわざ迎えに行ってくれたんですよ」
「ルーティアの事だろう? 父さんの変身魔法は大したものだけど、あんな格好で街を歩いてたら悪目立ちするに決まっているだろ」
そう言いながら溜め息をつく俺に対して彼女は言う。
「そんな事よりこれからどうします?」
そんな事を言われても正直言って困るというのが本音だ。
何せ今までが今までだったから何をすればいいのか分からないし、そもそも、この年になって父親同伴で出かけるというのもなんだか情けないような気がするし、
何より恥ずかしいのである。
そんな俺に向かってルーティアは言う。
「まずはお洋服ですね、さすがにその格好のままでは外に出られませんから」
確かに今のままだと外には出られないだろう。
「ねぇ父さん、なんでルーティアで助けに来たの?」
「五将の一人、青のアギトが勇者アギトだと確信に至ったからよ」
その言葉に俺は衝撃を受けた!
(まさかそんなはずは……)
だってそうだ、奴がアギトだとすればおかしい事だらけなのだ!
(だってそうだろう?)
俺は勇者と共に召喚された時にステータスを見た時の事を思い出した。
名前:アギト
職業:剣士
種族:人間(覚醒者)
性別:男性
(あれっ?)
何度見ても結果は変わらなかった。
それを見て愕然としているとルーティアが言った。
「ほら見て下さい、ちゃんと表示されていますよね?」
いや、でも、可笑しいだろう、勇者が仮にもスパイとか……。
「ねぇ父さん、魔王の名前ってなんだっけ」
すると父親は答えた。
「何を言っているの、魔王の名前は魔王、あなたじゃない」
(やっぱりか)
これではっきりしたが間違いない、勇者の正体がアイツだというのなら全てに辻褄が合う。
俺は魔王、つまり魔族の王子で、魔王とは俺の事だったのだ。
(どおりで変だと思ったんだよ)
なんせ勇者が敵国に潜入するなんてありえないからな、そんな事を考えているとルーティアが言った。
「それより、服を買いに行きませんか?」
それに対して俺は頷いた。
「父さん、なんで俺を魔王にした」
ずっと聞きたかったことである。
「何か不満ですか? リュート」
にこやかな笑みですが、殺すと目が訴えている。
「いや、そうじゃなくてさ……」
口ごもりながら言い訳をするも聞く耳を持ってくれそうにはないようだ。
そしてそのまま強引に連れて行かれてしまったのだった。
さてどうしたものか。
(このまま素直に従うべきか?)
それとも逆らってみるべきか? しばらく悩んだ末に出た結論はこうだ。
「わかった行くよ」
そう言って渋々ついていくことにしたのだった。
「いい子ね、リュート、姉さんは嬉しいわ」
そう言って頭を撫でてくるが俺は子供じゃないぞ。
~数分後~ 商店街へとやってきた俺はまず最初に衣服屋に向かった。
そこで一通り見繕ってもらうと次は靴を見に行くことになったのだが、何故かサイズピッタリだったのは何故なのだろう? 気になったので聞いてみると……
「あら、知らないの? 魔力を流すことである程度大きさが調整できるのよ」
とのことらしい。
なるほどと思いながらも感心していると、突然ルーティアが尋ねてきた。
「ところでリュート、貴方は何色が好きなのかしら?」
いい加減父と子の会話なのに、変身魔法のせいで違和感しか残らない。
「父さん、解いてくれませんか」
(もう耐えられない)
そう思い俺は懇願する。しかし……返事はノーだった。
しかも、その答えは、更に衝撃的なものだったのである。
「あら駄目よ、だってこれを解くには、私の願いを聞かないといけないもの」
(なん、だと!?)
驚きを隠せない俺に彼女は言う。
「ちなみに私は白が一番好きよ」
それを言われて俺は思い出した。
(確か母さんも白が好きだったような)
すると、それを見透かしたかのように彼女は言った。
「ふふふ、可愛い私のリュート、姉の願いをかなえて頂戴ね」
(うっ、まずい、完全に手玉に取られている)
だが、俺はあえて抵抗する道を選んだ。
そして相手の首を一閃! 確実に切断できるはずだったのだが……しかし、奴はそれを回避し、あろうことか反撃してこようとしてきた!
(くそ! 流石と言うべきか、なんというべきか)
「魔族になったって聞いたときは、少しは出来るようになったかと思ったけど、リュート、お前弱いな、だから、魔王様にも捨てられたんじゃねぇのか?」
(なんだと!)
奴の言葉を聞いて俺はキレそうになる。
(こいつだけは絶対に殺す)
心の中でそう思いながら再び攻撃態勢に入る。
するとその時だった、不意に何者かが割り込んできたかと思うと、その攻撃を防いでみせたのだ。
(誰だ!?)
驚いて見てみるとそこにいたのはなんとルーティアだった。
「え? ねぇさん」
なんで彼女がここにいるのだろうかと一瞬考えたが、すぐに答えに思い至った。
(まさか俺の後を追ってきたのか?)
確かに彼女ならやりかねないと思ったものの一応確認してみることにした。
「なんで来たんだ!」
すると彼女は答えた。
「貴方を助けに来たに決まってるでしょ!」
(マジかよ)
そんなやり取りをしている間にアギトは距離を取ると聖剣を構えたままこちらの様子を伺っているようだ。
そんな相手にルーティアは言った。
「お父様からの伝言よ、城に戻って来いって」
(やはりそうきたか)
もう逃げられないようだ。
そこで仕方なく従う事にするが一つだけ条件をつけた上で、戻る事を承諾した。
それから数日後、俺は元居た城に戻っていた。
(はぁ、どうしてこんな事に……)
そんなことを考えながら歩いていると不意に声をかけられた。それはかつての仲間である聖女アリアの声だった。
「お久しぶりですね、リュート様」
それを聞いた時、俺は複雑な気持ちになってしまう。
何故なら彼女には散々迷惑を掛けてきた上に裏切ってきたという負い目があるからだ。
なので思わず顔を伏せてしまう。
「お父様、わざわざ迎えに行ってくれたんですよ」
「ルーティアの事だろう? 父さんの変身魔法は大したものだけど、あんな格好で街を歩いてたら悪目立ちするに決まっているだろ」
そう言いながら溜め息をつく俺に対して彼女は言う。
「そんな事よりこれからどうします?」
そんな事を言われても正直言って困るというのが本音だ。
何せ今までが今までだったから何をすればいいのか分からないし、そもそも、この年になって父親同伴で出かけるというのもなんだか情けないような気がするし、
何より恥ずかしいのである。
そんな俺に向かってルーティアは言う。
「まずはお洋服ですね、さすがにその格好のままでは外に出られませんから」
確かに今のままだと外には出られないだろう。
「ねぇ父さん、なんでルーティアで助けに来たの?」
「五将の一人、青のアギトが勇者アギトだと確信に至ったからよ」
その言葉に俺は衝撃を受けた!
(まさかそんなはずは……)
だってそうだ、奴がアギトだとすればおかしい事だらけなのだ!
(だってそうだろう?)
俺は勇者と共に召喚された時にステータスを見た時の事を思い出した。
名前:アギト
職業:剣士
種族:人間(覚醒者)
性別:男性
(あれっ?)
何度見ても結果は変わらなかった。
それを見て愕然としているとルーティアが言った。
「ほら見て下さい、ちゃんと表示されていますよね?」
いや、でも、可笑しいだろう、勇者が仮にもスパイとか……。
「ねぇ父さん、魔王の名前ってなんだっけ」
すると父親は答えた。
「何を言っているの、魔王の名前は魔王、あなたじゃない」
(やっぱりか)
これではっきりしたが間違いない、勇者の正体がアイツだというのなら全てに辻褄が合う。
俺は魔王、つまり魔族の王子で、魔王とは俺の事だったのだ。
(どおりで変だと思ったんだよ)
なんせ勇者が敵国に潜入するなんてありえないからな、そんな事を考えているとルーティアが言った。
「それより、服を買いに行きませんか?」
それに対して俺は頷いた。
「父さん、なんで俺を魔王にした」
ずっと聞きたかったことである。
「何か不満ですか? リュート」
にこやかな笑みですが、殺すと目が訴えている。
「いや、そうじゃなくてさ……」
口ごもりながら言い訳をするも聞く耳を持ってくれそうにはないようだ。
そしてそのまま強引に連れて行かれてしまったのだった。
さてどうしたものか。
(このまま素直に従うべきか?)
それとも逆らってみるべきか? しばらく悩んだ末に出た結論はこうだ。
「わかった行くよ」
そう言って渋々ついていくことにしたのだった。
「いい子ね、リュート、姉さんは嬉しいわ」
そう言って頭を撫でてくるが俺は子供じゃないぞ。
~数分後~ 商店街へとやってきた俺はまず最初に衣服屋に向かった。
そこで一通り見繕ってもらうと次は靴を見に行くことになったのだが、何故かサイズピッタリだったのは何故なのだろう? 気になったので聞いてみると……
「あら、知らないの? 魔力を流すことである程度大きさが調整できるのよ」
とのことらしい。
なるほどと思いながらも感心していると、突然ルーティアが尋ねてきた。
「ところでリュート、貴方は何色が好きなのかしら?」
いい加減父と子の会話なのに、変身魔法のせいで違和感しか残らない。
「父さん、解いてくれませんか」
(もう耐えられない)
そう思い俺は懇願する。しかし……返事はノーだった。
しかも、その答えは、更に衝撃的なものだったのである。
「あら駄目よ、だってこれを解くには、私の願いを聞かないといけないもの」
(なん、だと!?)
驚きを隠せない俺に彼女は言う。
「ちなみに私は白が一番好きよ」
それを言われて俺は思い出した。
(確か母さんも白が好きだったような)
すると、それを見透かしたかのように彼女は言った。
「ふふふ、可愛い私のリュート、姉の願いをかなえて頂戴ね」
(うっ、まずい、完全に手玉に取られている)
だが、俺はあえて抵抗する道を選んだ。
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