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そして、そのまま馬車に乗ると、出発したのですが、その間ずっと手を握っていてくれたのが嬉しかったです。
そうして暫くすると、目的地である王都に到着し、中に入ると大通りを通って、そのままカフェへと向かいます。
「ここが目的の店だ。入りたまえ」
と言われて入ることにしました。
店内に入ると、落ち着いた雰囲気でとても素敵な感じだったんですが、あまり高級そうなお店だったので、正直、場違いな気がしてきました。
でも、せっかく連れて来てくれたのですから、ここで帰るわけにはいきませんよね?
そう思って、勇気を出して入ることにしたんです。
店員さんに案内されて席に着くと、注文を聞かれましたが、特に食べたいものがなかったので、
どうしようか悩んでいると、彼がオススメを選んでくれることになりました。
それを聞いて安心した私は、彼にお礼を言うと、さっそく料理を注文することにしました。
そして、暫くすると、次々と運ばれてきましたので、それらを全て食べていきました。
「ふぅ、美味しかった」
と言いながら一息ついていると、不意に視線を感じたような気がしたので顔を上げると、
そこにはヴァルディール様がこちらをじっと見つめていたので、どうしたのかと思い、首を傾げていると、唐突にこんなことを言われたの。
「いや、すまないね。あまりにも美味しそうに食べていたものだから、つい見惚れてしまっていたんだよ」
そう言われてしまうと、なんだか恥ずかしくなったけれど、同時に嬉しくもありました。
だって、それだけ私のことを気に入ってくれたってことですよね?
そう思うと、胸がドキドキしてきました。
そうして、暫く見つめ合っているうちに、段々と顔が近付いてきて、キスをされるかと思ったところで、
ハッと我に返った私は、慌てて顔を逸らしました。
そうしたら、何故か笑われてしまったので、不思議に思っていると、その理由を教えてくれました。
どうやら、無意識のうちに期待しているような表情をしていたらしいのです。
そのことに気付いてしまった私は、恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまいました。
ですが、そんな私の様子を見ていた彼が、ニヤリと笑った後、耳元で囁いてきたのです。
「次は何処へ行きたいとかあるかい?」
「えっ!?」
突然の問い掛けに驚いた私は、どう答えていいのか分からず、言葉に詰まってしまいます。
(どうしよう……、何て答えたらいいのかしら?)
そんな風に悩んでいたら、痺れを切らした彼から、催促されてしまった。
なので、仕方なく正直に答えることにしたのだけれど、それを聞いた彼は、少し考えた後で、こう言ってきたの。
「そうか、分かったよ」
そう言うと、いきなり私の手を取って歩き始めたので、戸惑いながらも付いていくことにしました。
それから、暫く歩いていると、急に立ち止まったかと思うと、こちらを振り向いてこう言ったのよ。
「キスしてくれ」
「ええっ!? い、今ですか?」
驚いて聞き返すと、無言で頷く彼を見て、覚悟を決めた私は、ゆっくりと顔を近付けていき、
唇に触れるだけの軽いキスをしたあと、すぐに離れようとしたんだけど、今度は逆に抱き寄せられてしまい、
身動きが取れなくなってしまいました。
しかも、さらに深く口付けられて、舌を入れられてしまいました。
歯茎や上顎を舐め回され、舌を絡め取られてしまいます。
さらには、唾液を流し込まれて飲み込むように促されたので、言われるままに飲み干していきます。
やがて、満足したのか解放される頃には、すっかり息が上がってしまっていました。
そんな私を気遣うこともなく、今度は首筋に吸い付かれました。
「んっ、あぁっ、やっ、やめてぇ、そんなところ吸わないで、跡が残っちゃうからぁ、
お願い、許してください、お願いします、何でもします、だから、許してください」
「本当に何でもするのかい?」
「はい、本当です、ですから、どうか許してください」
「分かったよ、じゃあ、ここで抱かせてもらうよ、人気もないしね」
「え、あの、ここ外ですよ、誰かに見られたりしたらどうするんですか!」
「大丈夫だよ、誰も来ないさ、それよりも早く服を脱いでくれ、それとも、無理矢理脱がされたいかい?」
そう言われると、従うしかありませんでした。
そうして暫くすると、目的地である王都に到着し、中に入ると大通りを通って、そのままカフェへと向かいます。
「ここが目的の店だ。入りたまえ」
と言われて入ることにしました。
店内に入ると、落ち着いた雰囲気でとても素敵な感じだったんですが、あまり高級そうなお店だったので、正直、場違いな気がしてきました。
でも、せっかく連れて来てくれたのですから、ここで帰るわけにはいきませんよね?
そう思って、勇気を出して入ることにしたんです。
店員さんに案内されて席に着くと、注文を聞かれましたが、特に食べたいものがなかったので、
どうしようか悩んでいると、彼がオススメを選んでくれることになりました。
それを聞いて安心した私は、彼にお礼を言うと、さっそく料理を注文することにしました。
そして、暫くすると、次々と運ばれてきましたので、それらを全て食べていきました。
「ふぅ、美味しかった」
と言いながら一息ついていると、不意に視線を感じたような気がしたので顔を上げると、
そこにはヴァルディール様がこちらをじっと見つめていたので、どうしたのかと思い、首を傾げていると、唐突にこんなことを言われたの。
「いや、すまないね。あまりにも美味しそうに食べていたものだから、つい見惚れてしまっていたんだよ」
そう言われてしまうと、なんだか恥ずかしくなったけれど、同時に嬉しくもありました。
だって、それだけ私のことを気に入ってくれたってことですよね?
そう思うと、胸がドキドキしてきました。
そうして、暫く見つめ合っているうちに、段々と顔が近付いてきて、キスをされるかと思ったところで、
ハッと我に返った私は、慌てて顔を逸らしました。
そうしたら、何故か笑われてしまったので、不思議に思っていると、その理由を教えてくれました。
どうやら、無意識のうちに期待しているような表情をしていたらしいのです。
そのことに気付いてしまった私は、恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまいました。
ですが、そんな私の様子を見ていた彼が、ニヤリと笑った後、耳元で囁いてきたのです。
「次は何処へ行きたいとかあるかい?」
「えっ!?」
突然の問い掛けに驚いた私は、どう答えていいのか分からず、言葉に詰まってしまいます。
(どうしよう……、何て答えたらいいのかしら?)
そんな風に悩んでいたら、痺れを切らした彼から、催促されてしまった。
なので、仕方なく正直に答えることにしたのだけれど、それを聞いた彼は、少し考えた後で、こう言ってきたの。
「そうか、分かったよ」
そう言うと、いきなり私の手を取って歩き始めたので、戸惑いながらも付いていくことにしました。
それから、暫く歩いていると、急に立ち止まったかと思うと、こちらを振り向いてこう言ったのよ。
「キスしてくれ」
「ええっ!? い、今ですか?」
驚いて聞き返すと、無言で頷く彼を見て、覚悟を決めた私は、ゆっくりと顔を近付けていき、
唇に触れるだけの軽いキスをしたあと、すぐに離れようとしたんだけど、今度は逆に抱き寄せられてしまい、
身動きが取れなくなってしまいました。
しかも、さらに深く口付けられて、舌を入れられてしまいました。
歯茎や上顎を舐め回され、舌を絡め取られてしまいます。
さらには、唾液を流し込まれて飲み込むように促されたので、言われるままに飲み干していきます。
やがて、満足したのか解放される頃には、すっかり息が上がってしまっていました。
そんな私を気遣うこともなく、今度は首筋に吸い付かれました。
「んっ、あぁっ、やっ、やめてぇ、そんなところ吸わないで、跡が残っちゃうからぁ、
お願い、許してください、お願いします、何でもします、だから、許してください」
「本当に何でもするのかい?」
「はい、本当です、ですから、どうか許してください」
「分かったよ、じゃあ、ここで抱かせてもらうよ、人気もないしね」
「え、あの、ここ外ですよ、誰かに見られたりしたらどうするんですか!」
「大丈夫だよ、誰も来ないさ、それよりも早く服を脱いでくれ、それとも、無理矢理脱がされたいかい?」
そう言われると、従うしかありませんでした。
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