王子の妹君を虐めて婚約破棄される私~実家で療養の為にお屋敷を貰い そこの領主となったのでのんびりスローライフを満喫したい~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
上 下
12 / 56

12.

しおりを挟む
ミレナは勿論、本当の事ですよと答えました。
すると、その男性は是非とも天使のリンゴを譲ってくれないかと言い出したのです。
ミレナは少し考えて、それはダメよ、上主の献上品なのだから、と言えば諦めてくれると思ったのですが、
その男はどうしても欲しいの一点張りでした。
ミレナは仕方なく、今はまだ数が少ないので無理だけど、もう少ししたら売りに出すかもしれないと伝えると
その男はとても喜んで その時は絶対に買うからと約束してくれたのです。
ミレナは、今、思い出しても本当に嫌な気持ちになります。
その男の態度はまるで自分が天使のリンゴを手に入れたかの様に振る舞っていて
ミレナは不快な気分になったのです。
そうこうしている内に目的の場所に着いた様で、ミレナは降りようとしますが
何故かスティラは降りる気配を見せません。
ミレナが不思議に思っていると スティラが口を開きました。
「ミレナ様、実は今回の事件解決の為に協力して頂いた功労者が居ましてね、
その方を紹介したいと思います。
まぁ、紹介といってもその方はもう既にミレナ様とは面識があるのですが」
その言葉を聞いてミレナは思わず えっ!? と、声を出してしまいます。
ミレナはどういう意味か聞く前に馬車の扉が開かれて そこから出てきた人物を見て
ミレナは驚愕したのです。
そこに現れたのはカナエでした。
カナエはミレナに近づき ミレナの手を取ると ニッコリと微笑みながら
ミレナ様にご挨拶させていただきます。
「初めまして、ミレナ様、私はカナエと申します。
以後、お見知りおきを」
ミレナはカナエに手を引かれて屋敷の中に案内されます。
屋敷の中に入るとカナエはミレナに椅子に座って待ってて下さいと言ってお茶の準備を始めます。
ミレナは言われた通りに椅子に座って待つ事にしたのです。
暫くするとカナエが戻って来てミレナの前に紅茶の入ったカップを置くと ミレナの隣に座りました。
「カナエ、あなたはどうしてここに?」
「はい、ミレナ様、私は上主スティラ様の命で此方に参りました。
そして、ミレナ様の護衛を務めさせていただいておりました。
実は上主スティラ様よりミレナ様をお守りするよう命令されておりました」
「そうなのですか」
「はい、上主スティラ様からはミレナ様の身辺警護をする事も任務の一つになっておりました。
それと、ミレナ様には私がこれから話す事は内密にお願い致します。
これは命令ではなくお願いです。
ミレナ様の身に危険が及ぶ恐れがありますので、お願い出来ますでしょうか?
もし、私に何かあった場合はカナエに責任を問わないで下さい。
ミレナは真剣な表情でカナエを見つめるのでした。
カナエはその視線を受け止めると 静かに首肯して答えるのでした。
カナエは一呼吸置いて ミレナに向き合うと ミレナの目をじっと見つめて ゆっくりと話始めました。
カナエの話によると、カナエはミレナが王宮に向かった後、すぐに行動を開始して
まず最初に行ったのはカナエの上司である上主スティラの執務室に向かいました。
カナエがノックして入室許可を求めると 中に入る事を促されたので、
カナエはスティラの居る部屋に入りました。
カナエがスティラに挨拶をするとスティラも挨拶を返してくれて スティラから
今回の天使のリンゴの盗難事件についての報告をして欲しいと言われたのでカナエは報告をしました。
報告が終わるとカナエはスティラから勲章を授与するので王城に来て欲しいと頼まれたのです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす

まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。  彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。  しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。  彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。  他掌編七作品収録。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」  某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。 【収録作品】 ①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」 ②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」 ③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」 ④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」 ⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」 ⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」 ⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」 ⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した

基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。 その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。 王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

私があなたを好きだったころ

豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」 ※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

処理中です...