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「おはようルミア」
背後から王太子が挨拶をしてくれます。
どうやら部屋にいなくて正解のようでした。
私は軽く会釈をする程度で済ませて食卓につき、用意されている朝御飯に手をつけようとしたところで王太子がお父様に言い寄っている光景を目撃することになったの。お二人はなかなか離れてくださいません。お二人がそんなに仲睦まじい間柄であることを今まで存じ上げずにおり驚きを禁じ得ませんでした。
やがて王太子が去り私はようやく息を吐きます。まさか王太子と父が旧知の関係でお付き合いがあるなど想像もしておりませんでした。
「さあ母上の元へ戻りましょうか?」
私の前に腰掛けながらそう言う王太子を見ているうちに胸にモヤッとしたものが芽生えてきて心がざわめき出します。
私はこの胸の高鳴りが抑えられなくなりそうだったので、咄嵯に誤魔化すことに決めました。
「……はいっ」
私は笑顔を浮かべながらそう言うと慌てて手渡された水差しを取ります。
「こぼさないようにするんだぞ?」
と言う王太子の言葉を聞きながらも慌ただしくなり、一気に水が溢れ出してしまいます!
零れた水を布巾を手に駆け寄る王太子の部下である執事。ところが間に合わず絨毯の上に垂れ落ちて染みを広げていってしまいます!
「きゃっ!」
と言いつつもなんとか溢さずに済みそう!安心していたら足を踏み外しバランスを失ってしまいそうになる!
倒れる前に何とか支えてくれた人が居て事なきを得ます!
「危なかった……」
と言った所で王太子の方へ向き直すとなぜか王太子は硬直してしまっていた!
「何て事をしてくれているんだよ!
これはお仕置きしないといけないな」
「そんなぁ!」
私は泣きそうになりながらもどうにかして許してくれるよう説得を試みました。しかし結局聞き入れられずにいただいたのは手荒な折檻です!
私は罰として裸体のまま鎖で繋がれたまま放置されることになっていました。幸いと言っていいのでしょうか部屋の外へ出ることは出来たのでトイレなどでこっそり服を脱いで着替えることぐらいは出来ました。ですが夜になると寝るまで監視されていたために常に裸体で居る破目になっていきます。
最初は少し寒いかなと思ったけど時間が経つにつれて段々と暖かくなってきた。
「もう少し寒ければちょうどよかったかもね」
目の前にいる王太子の言葉を聞いてふと考え込んでしまう。私達の初めての体験を思い返しているらしい彼の表情はとても幸せそうだわ!
初めて殿方を受け入れるということは思ったよりも辛くもあり痛みを伴った行為だったわ。今思い返すとちょっと血が出たりした記憶があって怖くなるわね。その後は彼に徹底的に仕込まれて身体が変化していく中で私は女になっていったんだわ。彼と過ごした日々を思い出すと恥ずかしくなってきてまともに彼の顔を見ることが出来ないくらいなんだけど、
「何を考えているの?」
彼が耳元で囁いて、私の顔を上げさせてくるの。突然の出来事に驚いた私は動揺して頬が熱を持つのを感じたわ。私はそれを隠すために俯こうとするけど彼によって阻止されてしまうわね……。今は公務が終わった後のベッドの上で彼は私の上に覆い被さる形でいるのだけれど、優しく撫でられながらこう言われたの!
「やっと二人きりになれたな」
私は彼の言葉に返答できなかった。本当は素直に嬉しいと言えたら良いんだけど恥ずかしさが先行して言葉を紡ぐことができずにいたの。
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