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曰く、選ばれた花嫁候補には全員、子作りをしてもらわなければならないのだという。
それを聞いた瞬間、頭が真っ白になってしまったものの、すぐに気を取り直すことに成功した私は、改めて話を聞くことにした。
どうやら、候補者の中には、すでに結婚している者もいるらしく、その場合は相手の了承を得てから行うように言われたのだ。
つまり、現時点で恋人もしくは婚約者がいる者は、相手に許可を取った上で、今回の一件に関して承諾してもらう必要があるということのようだ。
ただし、これはあくまでも最終手段であって、必ずしもそうしなければならないというわけではないらしい。
また、中には既婚者であっても、子供がいない場合は例外となる場合もあるため、その点については要注意とのことなので、
決して無理強いしないようにと言われた。
もっとも、たとえ相手が断ったとしても、諦める必要はないとも言っていたのだが、果たしてどういう意味なのだろうか?
私は、それについて尋ねてみたところ、どうやら皇帝陛下も過去に同じような経験をしたことがあったようで、
その時の経験を元にアドバイスしてくれたのだった。
その結果、私が出した結論は、ひとまず保留にして様子を見ることに決めた。
というのも、私には心に決めた人がいたからだ。その人とは、幼馴染のレイスだ。
彼との出会いは、今から十年ほど前まで遡ることになるのだが、当時、まだ幼かった頃の私達は、
よく一緒に遊んでいたのだが、ある時を境に疎遠になってしまうことになったのだ。
ある出来事がきっかけで、彼が私のことを避け始めたことが原因だった。
その理由については、今でも分からないままだが、一つだけ確かなことがあるとすれば、彼は私の前から姿を消したということだ。
それ以来、今日まで会うことは一度も無かったのだが、最近になってようやく再会を果たすことができたのだ。
以前とは違って、普通に話すことが出来るようになっただけでなく、最近では頻繁に連絡を取るようになっていたこともあり、
少しずつではあるが距離が縮まっているような気がするのも嬉しかったりする。とはいえ、未だに彼には気になる異性がいないようなので、
このまま黙って見ているだけというのはさすがにまずいだろうということで、思い切ってアプローチを仕掛けてみることにした。
幸いにも、今はこうして二人っきりの状況だし、邪魔者もいないので絶好のチャンスだと思った私は、意を決して行動に移すことにしたのだった。
まずは、軽いスキンシップから始めることにすると、最初は驚いていた様子だったが、徐々に受け入れてくれたようで、
嫌がる素振りも見せずに大人しくされるがままになっていた。おかげで、思っていた以上に上手くいったこともあって、
調子に乗っていたのかもしれない。気付けば、彼に覆い被さるような体勢を取っていたことに気付いた時には、もう手遅れで、
気が付けば唇を重ねていた後だったのだ。
しかし、ここまで来てしまえばもはや止まることなど出来るはずもなく、そのまま事に及んでしまった私は、
無事に彼と結ばれることに成功するのだった。
それからしばらくの間、余韻に浸っていたところで、不意に彼から声を掛けられたかと思うと、
思いがけないことを言われて驚いてしまうのだった。
というのも、彼は私のことを知っていたというのだ。
以前からずっと好きだったのだと告げられて、一瞬耳を疑ってしまったのだけど、 よくよく考えてみれば納得できる部分もあった。
なぜなら、以前に一度だけ会ったことがあったからだ。
それも偶然ではなく、意図的に会いに行ったのだから当然といえば当然だ。
それを聞いた瞬間、頭が真っ白になってしまったものの、すぐに気を取り直すことに成功した私は、改めて話を聞くことにした。
どうやら、候補者の中には、すでに結婚している者もいるらしく、その場合は相手の了承を得てから行うように言われたのだ。
つまり、現時点で恋人もしくは婚約者がいる者は、相手に許可を取った上で、今回の一件に関して承諾してもらう必要があるということのようだ。
ただし、これはあくまでも最終手段であって、必ずしもそうしなければならないというわけではないらしい。
また、中には既婚者であっても、子供がいない場合は例外となる場合もあるため、その点については要注意とのことなので、
決して無理強いしないようにと言われた。
もっとも、たとえ相手が断ったとしても、諦める必要はないとも言っていたのだが、果たしてどういう意味なのだろうか?
私は、それについて尋ねてみたところ、どうやら皇帝陛下も過去に同じような経験をしたことがあったようで、
その時の経験を元にアドバイスしてくれたのだった。
その結果、私が出した結論は、ひとまず保留にして様子を見ることに決めた。
というのも、私には心に決めた人がいたからだ。その人とは、幼馴染のレイスだ。
彼との出会いは、今から十年ほど前まで遡ることになるのだが、当時、まだ幼かった頃の私達は、
よく一緒に遊んでいたのだが、ある時を境に疎遠になってしまうことになったのだ。
ある出来事がきっかけで、彼が私のことを避け始めたことが原因だった。
その理由については、今でも分からないままだが、一つだけ確かなことがあるとすれば、彼は私の前から姿を消したということだ。
それ以来、今日まで会うことは一度も無かったのだが、最近になってようやく再会を果たすことができたのだ。
以前とは違って、普通に話すことが出来るようになっただけでなく、最近では頻繁に連絡を取るようになっていたこともあり、
少しずつではあるが距離が縮まっているような気がするのも嬉しかったりする。とはいえ、未だに彼には気になる異性がいないようなので、
このまま黙って見ているだけというのはさすがにまずいだろうということで、思い切ってアプローチを仕掛けてみることにした。
幸いにも、今はこうして二人っきりの状況だし、邪魔者もいないので絶好のチャンスだと思った私は、意を決して行動に移すことにしたのだった。
まずは、軽いスキンシップから始めることにすると、最初は驚いていた様子だったが、徐々に受け入れてくれたようで、
嫌がる素振りも見せずに大人しくされるがままになっていた。おかげで、思っていた以上に上手くいったこともあって、
調子に乗っていたのかもしれない。気付けば、彼に覆い被さるような体勢を取っていたことに気付いた時には、もう手遅れで、
気が付けば唇を重ねていた後だったのだ。
しかし、ここまで来てしまえばもはや止まることなど出来るはずもなく、そのまま事に及んでしまった私は、
無事に彼と結ばれることに成功するのだった。
それからしばらくの間、余韻に浸っていたところで、不意に彼から声を掛けられたかと思うと、
思いがけないことを言われて驚いてしまうのだった。
というのも、彼は私のことを知っていたというのだ。
以前からずっと好きだったのだと告げられて、一瞬耳を疑ってしまったのだけど、 よくよく考えてみれば納得できる部分もあった。
なぜなら、以前に一度だけ会ったことがあったからだ。
それも偶然ではなく、意図的に会いに行ったのだから当然といえば当然だ。
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