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目的の場所へ到着すると、ちょうど中から人が出てきたところだったので、慌てて身を隠した直後、
中から出てきた人物を見て思わず固まってしまうのだった。
それもそのはずで、なんと出てきた人物は、皇帝陛下本人だったのだ。
(何でこんなところに……?)
不思議に思っていると、彼は部屋の中に向かって声を掛けたあと、そのまま歩き始めてしまったので、慌てて後を追うことにした。
そうしてたどり着いた場所は、応接室のようなところで、中に入るとそこには二人の人物が待っていた。
一人は言うまでもなく皇帝陛下であり、もう一人は初めて見る女性だった。
年齢は二十代後半といったところだろうか?
落ち着いた雰囲気の女性で、とても綺麗な人だった。
二人は向かい合うようにしてソファーに座っていたので、必然的に私は彼らの向かい側に座ることになる。
ちなみに、部屋の中には他に誰もおらず、完全に二人きりの状態となっていた。
そのため、自然と緊張感が増していったところで、女性がおもむろに立ち上がり、 深々と頭を下げてきたので、
つられて頭を下げると、自己紹介を始めた。
彼女の名前は、ラミアというらしい。
名前から察するに、どうやら人間ではないようだが、見た目は完全に人間のそれだった。
とはいえ、魔族と呼ばれる種族は総じて長寿であるため、実年齢に関しては想像すら出来ないが、外見的には若く見えることから、
恐らくはまだ若い方なのだろうと思った。
そんなことを考えていると、不意に声を掛けられたので、慌てて意識を戻したところで、今度は皇帝陛下が立ち上がったので、
反射的に身構えていると、そのまま目の前まで歩いてきたかと思えば、突然抱き締められてしまった。
突然のことに驚いていると、耳元で囁かれたせいで、一気に顔が赤くなってしまったが、
それと同時に下腹部の奥がキュンとなったような気がした。それが何を意味するのかを理解した瞬間、
身体が火照り始めたのを感じたところで、さらに追い打ちを掛けるように耳たぶを舐められたことで、危うく声が出てしまいそうになったが、
何とか我慢することができた。だが、そのせいで余計に意識してしまい、次第に呼吸が荒くなっていくのが分かった。
それでもお構いなしといった様子で、何度も執拗に責められたことで、とうとう我慢できなくなってしまった私は、
その場で達してしまうのだった。
その様子を見ていたらしい皇帝陛下が嬉しそうに微笑んでいたのだが、
それを気にする余裕など私には無かった。
「では、話を始めるとしよう」
そう言った皇帝陛下の言葉を受けて、我に返ることが出来た私は、気持ちを切り替えてから耳を傾けることにした。
といっても、内容はほとんど頭に入ってこなかったのだが……、
何故なら、頭の中は別のことでいっぱいだったからだ。
それは、彼の視線や仕草から伝わる想いが原因だった。
何せ、今まで一度もそういった素振りを見せたことが無かっただけに、どうしても気になって仕方がなかったからだ。
(一体、どういうつもりなのかしら?まさか、今になって告白するつもりじゃないでしょうね……?)
などと不安に思いながらも、彼の言葉に耳を傾けていくのだが、その内容は驚くべきものだった――何故なら、皇帝の花嫁候補に選ばれてしまったからだ。
しかも、それは私だけではなかったらしく、他にも何人かいることが分かったため、驚きのあまり絶句してしまったのだが、
そんな彼の口から告げられたのは、とんでもないことだった。
中から出てきた人物を見て思わず固まってしまうのだった。
それもそのはずで、なんと出てきた人物は、皇帝陛下本人だったのだ。
(何でこんなところに……?)
不思議に思っていると、彼は部屋の中に向かって声を掛けたあと、そのまま歩き始めてしまったので、慌てて後を追うことにした。
そうしてたどり着いた場所は、応接室のようなところで、中に入るとそこには二人の人物が待っていた。
一人は言うまでもなく皇帝陛下であり、もう一人は初めて見る女性だった。
年齢は二十代後半といったところだろうか?
落ち着いた雰囲気の女性で、とても綺麗な人だった。
二人は向かい合うようにしてソファーに座っていたので、必然的に私は彼らの向かい側に座ることになる。
ちなみに、部屋の中には他に誰もおらず、完全に二人きりの状態となっていた。
そのため、自然と緊張感が増していったところで、女性がおもむろに立ち上がり、 深々と頭を下げてきたので、
つられて頭を下げると、自己紹介を始めた。
彼女の名前は、ラミアというらしい。
名前から察するに、どうやら人間ではないようだが、見た目は完全に人間のそれだった。
とはいえ、魔族と呼ばれる種族は総じて長寿であるため、実年齢に関しては想像すら出来ないが、外見的には若く見えることから、
恐らくはまだ若い方なのだろうと思った。
そんなことを考えていると、不意に声を掛けられたので、慌てて意識を戻したところで、今度は皇帝陛下が立ち上がったので、
反射的に身構えていると、そのまま目の前まで歩いてきたかと思えば、突然抱き締められてしまった。
突然のことに驚いていると、耳元で囁かれたせいで、一気に顔が赤くなってしまったが、
それと同時に下腹部の奥がキュンとなったような気がした。それが何を意味するのかを理解した瞬間、
身体が火照り始めたのを感じたところで、さらに追い打ちを掛けるように耳たぶを舐められたことで、危うく声が出てしまいそうになったが、
何とか我慢することができた。だが、そのせいで余計に意識してしまい、次第に呼吸が荒くなっていくのが分かった。
それでもお構いなしといった様子で、何度も執拗に責められたことで、とうとう我慢できなくなってしまった私は、
その場で達してしまうのだった。
その様子を見ていたらしい皇帝陛下が嬉しそうに微笑んでいたのだが、
それを気にする余裕など私には無かった。
「では、話を始めるとしよう」
そう言った皇帝陛下の言葉を受けて、我に返ることが出来た私は、気持ちを切り替えてから耳を傾けることにした。
といっても、内容はほとんど頭に入ってこなかったのだが……、
何故なら、頭の中は別のことでいっぱいだったからだ。
それは、彼の視線や仕草から伝わる想いが原因だった。
何せ、今まで一度もそういった素振りを見せたことが無かっただけに、どうしても気になって仕方がなかったからだ。
(一体、どういうつもりなのかしら?まさか、今になって告白するつもりじゃないでしょうね……?)
などと不安に思いながらも、彼の言葉に耳を傾けていくのだが、その内容は驚くべきものだった――何故なら、皇帝の花嫁候補に選ばれてしまったからだ。
しかも、それは私だけではなかったらしく、他にも何人かいることが分かったため、驚きのあまり絶句してしまったのだが、
そんな彼の口から告げられたのは、とんでもないことだった。
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