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ただ、一つ気がかりなことがあるとすれば、果たしてこのままの関係を続けていて良いのかという点だろうか?
いくら何でも、今のままだとまずいと思うのよね、
主に私の精神衛生上においてだけど……。
だってそうでしょう? 仮にこの先、彼と結ばれるようなことがあれば、いずれは子供を産むことになるかもしれないのだから、
そうなったら色々と面倒なことになるのは間違いないわ。
間違いなくね――とはいえ、だからといって、そう簡単に割り切れるものではないのも事実で、
現に今もこうして悩んでいるわけなんだけど、一体どうしたものかしら……?
そんなことを考えているうちに、不意に声をかけられたので振り返ってみると、そこにいたのは他でもない皇帝陛下その人だったのだ。
驚きのあまり固まっていると、不意に抱きしめられたので、慌てて距離を取ろうとしたものの、
上手く力が入らずにされるがままになってしまうのだった。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
何とか声を絞り出すことに成功したものの、それでどうにかなるはずもなく、それどころか更に強く抱きしめられてしまったことで、
身動きが取れなくなってしまっただけでなく、彼の温もりや匂いを感じ取ってしまったせいで、身体の奥底から熱いものが込み上げてきそうに
なったところで、私はある異変に気付いた。
それは、お腹の下辺りにある違和感だった、恐る恐る手を伸ばしてみたところ、何やら硬いものが当たっていたのが分かったので、
その正体を確かめようとした私は、それを握り締めた瞬間、全身を駆け巡るような快感に襲われた直後、意識を失ってしまったのだった。
目を覚ました私は、真っ先に下半身の方へと目を向けたのだが、そこには何も無かったことから、あれは夢だったのかと思いかけたのだが、
直後に襲ってきた強烈な痛みに現実だと思い知らされることになったのだった。
どうやら、気を失う直前に何かを掴んでしまったらしく、そのことが原因で破瓜を迎えてしまったらしい。
幸いにも出血自体は大したことなかったのだが、初めての経験ということもあり、しばらくの間は痛みに悩まされることになってしまった。
とはいえ、いつまでもベッドの上で横になっているわけにもいかないと思った私は、何とか起き上がってみることにしたものの、すぐに力尽きてしまい、
そのまま倒れ込んでしまったところで、部屋に誰かが入ってくる気配を感じた。
慌てて起き上がろうとしたものの、思ったように身体が動かなくて困っていると、こちらへ向かって近付いてくる足音が聞こえてきたので、
そちらに目を向けると、そこに立っていたのは、皇帝のお付きのメイドさんだった。
彼女は心配そうにしながらこちらに歩み寄ってくると、優しく声を掛けてきてくれたので、それに応えるように返事をしたところ、
ホッとした様子で胸を撫で下ろしていた。
それから少しして、彼女が水の入ったコップを差し出してくれたので、お礼を言いながら受け取った。
私は、一気に飲み干した後で、再び口を開いた。
「……すみません、ご迷惑をおかけしてしまって」
すると、彼女から気にするなと言われたことで、少しだけ気持ちが楽になった気がした。
そこで改めて周囲を見回してみると、ここが自室であることに気付いて、ホッと安堵の息を漏らしていたところで、
ふと思い出したことがあったため、彼女に尋ねてみることにする。
それは、私が気を失っている間に何があったかということだったのだが、返ってきた答えは意外なものだった。
いくら何でも、今のままだとまずいと思うのよね、
主に私の精神衛生上においてだけど……。
だってそうでしょう? 仮にこの先、彼と結ばれるようなことがあれば、いずれは子供を産むことになるかもしれないのだから、
そうなったら色々と面倒なことになるのは間違いないわ。
間違いなくね――とはいえ、だからといって、そう簡単に割り切れるものではないのも事実で、
現に今もこうして悩んでいるわけなんだけど、一体どうしたものかしら……?
そんなことを考えているうちに、不意に声をかけられたので振り返ってみると、そこにいたのは他でもない皇帝陛下その人だったのだ。
驚きのあまり固まっていると、不意に抱きしめられたので、慌てて距離を取ろうとしたものの、
上手く力が入らずにされるがままになってしまうのだった。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
何とか声を絞り出すことに成功したものの、それでどうにかなるはずもなく、それどころか更に強く抱きしめられてしまったことで、
身動きが取れなくなってしまっただけでなく、彼の温もりや匂いを感じ取ってしまったせいで、身体の奥底から熱いものが込み上げてきそうに
なったところで、私はある異変に気付いた。
それは、お腹の下辺りにある違和感だった、恐る恐る手を伸ばしてみたところ、何やら硬いものが当たっていたのが分かったので、
その正体を確かめようとした私は、それを握り締めた瞬間、全身を駆け巡るような快感に襲われた直後、意識を失ってしまったのだった。
目を覚ました私は、真っ先に下半身の方へと目を向けたのだが、そこには何も無かったことから、あれは夢だったのかと思いかけたのだが、
直後に襲ってきた強烈な痛みに現実だと思い知らされることになったのだった。
どうやら、気を失う直前に何かを掴んでしまったらしく、そのことが原因で破瓜を迎えてしまったらしい。
幸いにも出血自体は大したことなかったのだが、初めての経験ということもあり、しばらくの間は痛みに悩まされることになってしまった。
とはいえ、いつまでもベッドの上で横になっているわけにもいかないと思った私は、何とか起き上がってみることにしたものの、すぐに力尽きてしまい、
そのまま倒れ込んでしまったところで、部屋に誰かが入ってくる気配を感じた。
慌てて起き上がろうとしたものの、思ったように身体が動かなくて困っていると、こちらへ向かって近付いてくる足音が聞こえてきたので、
そちらに目を向けると、そこに立っていたのは、皇帝のお付きのメイドさんだった。
彼女は心配そうにしながらこちらに歩み寄ってくると、優しく声を掛けてきてくれたので、それに応えるように返事をしたところ、
ホッとした様子で胸を撫で下ろしていた。
それから少しして、彼女が水の入ったコップを差し出してくれたので、お礼を言いながら受け取った。
私は、一気に飲み干した後で、再び口を開いた。
「……すみません、ご迷惑をおかけしてしまって」
すると、彼女から気にするなと言われたことで、少しだけ気持ちが楽になった気がした。
そこで改めて周囲を見回してみると、ここが自室であることに気付いて、ホッと安堵の息を漏らしていたところで、
ふと思い出したことがあったため、彼女に尋ねてみることにする。
それは、私が気を失っている間に何があったかということだったのだが、返ってきた答えは意外なものだった。
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