あららっ、ダメでしたのねっそんな私はイケメン皇帝陛下に攫われて~あぁんっ妊娠しちゃうの♡~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
上 下
7 / 38

7.

しおりを挟む
もしや、これは魔力暴走ではないのか? 以前にも似たような経験をしたことがあるため、そうではないかと予想したのだが、
だとするとまずい状況だ。このまま放置しておくと、最悪命を落としかねないだろう。

かといって今の私に対処する方法はないに等しい、どうしたものかと頭を悩ませていた時だった。
不意に後ろから声をかけられたのは、聞き覚えのある声だったために振り返ってみると、そこには皇帝陛下が立っていた。
どうしてここに!? 驚きのあまり固まっていると、彼が声をかけてきた。

だが、その内容は私の想像していたものとは大きく異なっていたのだ、
何と彼は私の身体に起こっている異変について知っていたような口ぶりだったのだ!
なぜそのことを知っているのかと問いかけたところ、返ってきた答えは次のようなものだった。

実は、数日前から妙な胸騒ぎのようなものを感じていたらしく、その原因を突き止めるために色々と調べて回っていたらしい。
その結果、一つの可能性に行き着いたとのことなのだが、確証がなかったこともあり、確信を得るためにこうして私を呼び出したのだという。

そこまで話を聞いたところで、思わず溜息を漏らしてしまった、つまりは最初からバレてしまっていたというわけである。
もちろん恥ずかしいという気持ちはあったけれど、それ以上に嬉しかったというのが本音だった。

だってそうだろう、これまで隠し通してきたというのに、それをあっさりと見破られてしまったのだから、怒るどころか感謝したいくらいだった。
そんな私の様子を見て何かを察したのだろう、皇帝陛下は何も言わずに優しく抱きしめてくれた、そして耳元で囁くように言ってきた。

「これからは俺がお前を守ってやる、だから安心しろ」

その一言で胸が高鳴るのを感じた、それと同時に頬が熱くなるのが分かった、恐らく真っ赤になっているのだろうと思った時、急に眠気に襲われたことで、
意識が遠のいていくのを感じた。
最後に見たのは彼の優しい笑顔だった――。

目を覚ますとそこはベッドの上だった、ゆっくりと身体を起こすと辺りを見回す、するとすぐ隣に誰かがいることに気付いてそちらに目を向けると、
そこにいたのは他でもない皇帝陛下だった。
思わず声を上げそうになったが、何とか堪えることが出来たようだ。

それにしてもいつの間に帰ってきたのだろうか? そんなことを考えていると、ふいに声を掛けられる――その声はとても穏やかで優しかった。
しかし、同時にどこか不安げな響きも含んでいたことから、何かあったのではないかと推測する。

そこで何があったのか聞いてみたのだが、上手くはぐらかされてしまったので、それ以上聞くことは出来なかった。
その後、朝食を食べ終えた後で、ルミアさんに連れられて自室へと戻ってきたわけだが、特にこれといった変化はなかったように思う。

強いて言うならば、少しだけ体調が良くなっていることだろうか、
もしかするとこれも皇帝の言っていたことが関係しているのかもしれないと考えたところで、不意にドアがノックされた。
返事をしてから扉の方へと向かうと、そっと開いて外の様子を確認する、するとそこに立っていたのは、皇帝陛下その人だったのである。
一体何の用なのかと思っていると、部屋の中に入ってきた彼が口を開いた。

何でも、話があるそうなのだが、一体何の話なのだろうか? 思い当たる節がないわけではなかったが、
まさかね――そんなことを思いながら彼の言葉を待っていると、意外な言葉が飛び出してきたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく

おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。 そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。 夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。 そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。 全4話です。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

恋愛短編まとめ(異) ②

よしゆき
恋愛
恋愛小説短編まとめ。 色んな傾向の話がごちゃ混ぜです。 冒頭にあらすじがあります。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~

二階堂まや
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。 夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。 気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……? 「こんな本性どこに隠してたんだか」 「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」 さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。 +ムーンライトノベルズにも掲載しております。

元上司に捕獲されました!

世羅
恋愛
気づいたら捕獲されてました。

処理中です...