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「どうだ、美味しいか?」
それに対して私は、素直に感想を述べた上で、こんなことを言ってみた。
――こんなにたくさん食べられたら、さぞや幸せでしょうね、羨ましいです。
その言葉に気を良くしたのか、皇帝陛下はさらにこう続けた。
「そうか、ならもっと食べるといい」
そう言って彼が差し出してきた皿の上には、先ほどよりも多くの肉が盛られていたのだ、それを見て愕然としてしまう。
まさか本当に全部食べられるとでも思っているのだろうか、だとしたら相当おめでたい頭をしているようだわ、
そう思いながらも私は首を横に振ると、こう言った。
「遠慮しておきます、もうお腹いっぱいなので」
その言葉を聞いた瞬間、彼の表情が険しくなるのが分かった。
どうやら怒らせてしまったらしい、そう感じた私はすぐに謝ることにしたのだが、遅かったみたいだ。
いきなり手を掴まれると、強引に引っ張られてしまい、そのまま引きずられるようにして連れて行かれてしまう。
慌てて抵抗しようとするが、力では敵わず、どうすることも出来なかった。
たどり着いた先は皇帝の寝室で、ベッドの上に投げ出されたところで、ようやく解放されることになった。
ホッとしたのも束の間、すぐさま馬乗りになられてしまって、逃げることが出来なくなってしまう。
これから何をされるのか、嫌でも理解してしまったが、それでも諦めるつもりはなかった。
なぜなら私には、守らなければならない人がいるからだ。
たとえ相手が皇帝であろうとも、負けるわけにはいかないのだから! 絶対に負けないわよ!
覚悟を決めた私は、彼に向かって叫んだ。
「……覚悟しなさい!」
その直後、私は勢いよく飛びかかったのだが、簡単にあしらわれてしまい、逆に組み伏せられてしまった。
何とか逃れようと暴れてみたものの、やはり力で敵うはずもなく、逃げ出すことは叶わなかった。
こうなれば最後の手段だと、魔術を使って彼を吹き飛ばしてやろうとしたその時、不意に唇を重ねられてしまった。
突然のことに驚いたのと、身体の力が抜けていったこともあって、思うように力が入らない。
さらに追い打ちをかけるようにして、舌を絡め取られた上に、口内を蹂躙されてしまう。
もはや抵抗など出来ない状態だったが、せめてもの抵抗として睨み付けていたら、突然唇を離されたかと思うと、耳元に口を寄せてきた彼が囁いてきた。
「随分と強情なんだな、それならそれで構わないさ、いつまで耐えられるかな?」
それを聞いた直後、全身にゾクリとしたものが走ると同時に、下腹部の奥に疼きを感じて身を捩らせてしまった。
その様子を見ていた彼が不敵な笑みを浮かべながら問いかけてくる。
「どうしたんだ、そんなに腰をくねらせたりして?」
その問いに、私は答えられなかった、いや、答えることが出来なかったという方が正しいのかもしれない。
というのも、身体が熱くなり始めてきていたのだ、その証拠に息苦しさを感じるようになっていたのである。
しかもそれは時間が経つにつれて酷くなっていく一方で、遂には立っていることすらままならない状態に陥ってしまったほどだった。
その場にへたり込んだ私に手を差し伸べてくれた皇帝陛下が、
「大丈夫か」
と言いながら心配してくれたのは良かったのだけれど、その眼差しを見た瞬間、なぜか鼓動が激しくなったような気がした。
それと同時に、下腹部の奥が疼くのを感じたのだ、まるで何かを欲しがっているかのようだと思ったところで、ふとある考えに至った。
それに対して私は、素直に感想を述べた上で、こんなことを言ってみた。
――こんなにたくさん食べられたら、さぞや幸せでしょうね、羨ましいです。
その言葉に気を良くしたのか、皇帝陛下はさらにこう続けた。
「そうか、ならもっと食べるといい」
そう言って彼が差し出してきた皿の上には、先ほどよりも多くの肉が盛られていたのだ、それを見て愕然としてしまう。
まさか本当に全部食べられるとでも思っているのだろうか、だとしたら相当おめでたい頭をしているようだわ、
そう思いながらも私は首を横に振ると、こう言った。
「遠慮しておきます、もうお腹いっぱいなので」
その言葉を聞いた瞬間、彼の表情が険しくなるのが分かった。
どうやら怒らせてしまったらしい、そう感じた私はすぐに謝ることにしたのだが、遅かったみたいだ。
いきなり手を掴まれると、強引に引っ張られてしまい、そのまま引きずられるようにして連れて行かれてしまう。
慌てて抵抗しようとするが、力では敵わず、どうすることも出来なかった。
たどり着いた先は皇帝の寝室で、ベッドの上に投げ出されたところで、ようやく解放されることになった。
ホッとしたのも束の間、すぐさま馬乗りになられてしまって、逃げることが出来なくなってしまう。
これから何をされるのか、嫌でも理解してしまったが、それでも諦めるつもりはなかった。
なぜなら私には、守らなければならない人がいるからだ。
たとえ相手が皇帝であろうとも、負けるわけにはいかないのだから! 絶対に負けないわよ!
覚悟を決めた私は、彼に向かって叫んだ。
「……覚悟しなさい!」
その直後、私は勢いよく飛びかかったのだが、簡単にあしらわれてしまい、逆に組み伏せられてしまった。
何とか逃れようと暴れてみたものの、やはり力で敵うはずもなく、逃げ出すことは叶わなかった。
こうなれば最後の手段だと、魔術を使って彼を吹き飛ばしてやろうとしたその時、不意に唇を重ねられてしまった。
突然のことに驚いたのと、身体の力が抜けていったこともあって、思うように力が入らない。
さらに追い打ちをかけるようにして、舌を絡め取られた上に、口内を蹂躙されてしまう。
もはや抵抗など出来ない状態だったが、せめてもの抵抗として睨み付けていたら、突然唇を離されたかと思うと、耳元に口を寄せてきた彼が囁いてきた。
「随分と強情なんだな、それならそれで構わないさ、いつまで耐えられるかな?」
それを聞いた直後、全身にゾクリとしたものが走ると同時に、下腹部の奥に疼きを感じて身を捩らせてしまった。
その様子を見ていた彼が不敵な笑みを浮かべながら問いかけてくる。
「どうしたんだ、そんなに腰をくねらせたりして?」
その問いに、私は答えられなかった、いや、答えることが出来なかったという方が正しいのかもしれない。
というのも、身体が熱くなり始めてきていたのだ、その証拠に息苦しさを感じるようになっていたのである。
しかもそれは時間が経つにつれて酷くなっていく一方で、遂には立っていることすらままならない状態に陥ってしまったほどだった。
その場にへたり込んだ私に手を差し伸べてくれた皇帝陛下が、
「大丈夫か」
と言いながら心配してくれたのは良かったのだけれど、その眼差しを見た瞬間、なぜか鼓動が激しくなったような気がした。
それと同時に、下腹部の奥が疼くのを感じたのだ、まるで何かを欲しがっているかのようだと思ったところで、ふとある考えに至った。
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