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「そ、それは……でも、これは私の意思ではなく、無理やり……」

私がそう言い訳をすると、皇帝陛下は私の顎に指をかけ、顔を上に向かせました。
そして、じっと私の顔を見つめてきます。

「……嘘だな」

そう言って、皇帝陛下は私をベッドの上に押し倒し、そのまま覆い被さってきました。

「きゃっ、ちょ、ちょっと、やめてください、皇帝陛下!」

私が必死に抵抗しますが、皇帝陛下はびくともしません。
それどころか、どんどんと顔を近づけてきて――

「や、やめ、やめて、ください、あ、あの、お、落ち着いて、くださいね?」

なんとか、言葉を絞り出しました。
すると、ようやく、皇帝陛下の動きが止まります。
ほっ、どうやら、止まってくれたようです。
よかった、これで、もう大丈夫、ですよね?
ですが、次の瞬間、私は目を疑いました。
なんと、皇帝陛下はそのまま、私の首筋に顔を埋め、ぺろりと舌で舐め上げたのです!

ぞわぞわっ、とした感覚が、全身を駆け抜け、思わず、変な声が出てしまいました。
それから、皇帝陛下は、何度も何度も、首筋を舐めてきました。
その度に、私は、びくびくっと身体を震わせてしまいます。

「やっ、あっ、だ、だめ、です、から、ぁ、ん、ふっ、はぁ、あん、やぁ、あ、あんっ」

あまりのくすぐったさに、だんだんと、頭の中が真っ白になっていきます。
もう、何が何だか、よく分かりません。
ただ、とにかく、このくすぐったさから逃れたい、ということだけしか、考えられなくなっていきました。
だから、私は、必死になって、皇帝陛下に訴えかけます。

「も、もう、いい、ですから、お願い、です、から、許して、ください、お願いします、
これ以上、されたら、私、どうにか、なっちゃいますから、どうか、お許しください、お願いします」

しかし、それでも、皇帝陛下は、やめてくれません。
むしろ、さらに激しく、責め立ててきます。
しかも、今度は、服の中に手を入れてきて、直接、肌に触れてきました。
そして、その手は、徐々に上へと移動していき、ついに乳房の膨らみにまで達してしまいました。
むにゅ、むにゅ、という感触を楽しむように、ゆっくりと、揉みほぐしてきます。

同時に、耳たぶを口に含み、甘噛みしたり、耳の穴の中まで、舌を突っ込んできたりしました。
厭らしい音が、頭の中に響き渡り、その音すらも、快感となって、私の全身を支配していきます。
気づけば、口からは、甘い吐息が漏れていました。
このままでは、まずい、と思った私は、最後の力を振り絞って、こう叫びました。

「こ、これ以上、変なことをしたら、大声、出しますよ!  いいんですか!?」

すると皇帝陛下の動きがピタリと止まり、私から、離れてくれました。
よ、よかった、とりあえず、助かったみたいです。
ですが、安心するのはまだ早いようでした。
なんと、皇帝陛下は、懐から何かを取り出したのです。
それは、小さな瓶でした。
中には、薄桃色の液体が入っています。

それを、きゅぽっ、と開け、そのまま、口に流し込みました。
喉が鳴り、あっという間に飲み干してしまい、ぷはっ、と息を吐き出すと、皇帝陛下は再び、私に覆い被さってきました。

「え、ちょ、ちょっと待ってください、まだ、やるつもりなのですか!?  もう、十分でしょう、いい加減、やめてください!」

私は、必死に抵抗しますが、やはり、どうにもなりません。
それに、なんだか、頭がぼーっとしてきて、身体に力が入らなくなってしまいました。
もしかして、さっきの薬のせいでしょうか?
だとしたら、早く逃げないと、大変なことになってしまいそうです。
なので、なんとか、逃げようとするのですが、やっぱり、身体が言うことを聞きません。

結局、私は、されるがまま、皇帝陛下のなすがままになっていました。

「んっ、ふぅっ、や、やだ、そこ、触らないで、ください、お願い、ですから、そこは、駄目なんです、
本当に、やめて、ください、お願いします、なんでも、しますから、そこだけは、どうか、許して、ください、お願いします」

「ほう、そうか、ならば、仕方ないな」

そう言って、皇帝陛下は私の乳房から手を離してくれました。
ほっ、どうやら、分かってくれたようです。
よかった、これで、やっと、解放される――そう思った瞬間、今度は、下半身に手を伸ばされました。
ドレスを脱がされ、下着越しに、大事なところを指でなぞられます。
淫靡な音が響き、羞恥のあまり、顔が真っ赤になります。

皇帝陛下は、そんな私の反応を愉しむように、何度も、執拗に攻め立ててきました。
そして、しばらくすると、今度は、その指をショーツの中へと滑り込ませ、直接、触ってきました。
厭らしい音が聞こえてきて、私はますます恥ずかしくなります。
ですが、それだけでは終わりませんでした。
なんと、皇帝陛下はそのまま、中に指を入れてきたのです!

その瞬間、今まで感じたことのないような衝撃が全身を襲いました。
痛みはないものの、強烈な異物感に襲われます。
そんな状態でも、皇帝陛下は容赦なく、指を動かし続けます。

「やっ、あ、だめ、です、動かさない、で、くださ、い、あっ、んぅ、ふ、はぁ、ん、やぁ、あんっ、ふぁ」

もう、自分でも何を言っているのか分かりません。
ただ、与えられる刺激に身を委ねることしかできません。
そのうち、だんだん、頭の中が真っ白になっていき、何も考えられなくなっていきました。
そして、とうとう限界に達してしまった私は、そのまま絶頂を迎えてしまいました。
身体を仰け反らせ、盛大に潮を吹きながら果ててしまいます。

「随分と派手にイッたな」

皇帝陛下はそう言って笑いました。
そして、再び、唇を重ねてきたかと思うと、舌を絡ませてきました。
口内に侵入してくる舌の感触を味わいながら、私はそっと目を閉じました。
やがて唇が離れ、透明な糸を引きますが、それもすぐに切れてしまいます。
それからしばらくの間、お互いに見つめ合いましたが、ふと我に返ると、急に恥ずかしくなってきて目を逸らしました。

そんな私の様子を見て、皇帝陛下はくすくすと笑っていました。
それがなんだか悔しくて、つい言い返してしまいます。

「わ、笑わないでください!  そもそも、あなたが悪いんですよ!  あんな薬を飲ませるから!」

私がそう訴えると、皇帝陛下は笑いながら言いました。

「ああ、そうだな、悪かった。まさか、あそこまで効くとは思わなくてな。
だが、お前も気持ちよかっただろう?」

「そ、それは……まあ、確かに気持ち良かったですけど……」

私の言葉に、皇帝陛下はさらに笑みを濃くしました。
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