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そんな私はユリウス様を部屋から出される訳にはいかないのでこう言います。
「ユリウス様! 散々私の事を犯しておいて部屋から出て行くなんて信じられません!」
そう言いながら私はユリウス様に歩み寄って、目の前で立ち止まるとそのままユリウス様の脛を蹴って
頬を平手打ちし、挙句にはアイテムボックスから緑の液体が入った小瓶を取り出せば、
小瓶の蓋を開けて、ユリウス様の頭にかけているのです。
「ふーん。そう。そうよね。そんな態度を取るなら仕方がないわね。ユリウス様、
今まで私の為に働いてくれて有難う御座いました。
もう、お会いする事は無いでしょうね。それとこの緑色の水は私が開発した毒薬です」
「カルネ、俺はそんな事は望んでいない。それにこれはお前が作ったものなのか?」
ユリウス様は焦っているようで私の手を掴み止めようとする。
「そろそろ効果が出る頃ね。ユリウス様、私を犯したんだから苦しみなさいよっ!」
「まずい……カルネ、苦しい……助けてくれよ」
「あら。ユリウス様は随分とお苦しそうですね。私に何か出来ることはありますか。
ユリウス様のお手伝いが出来るならば私、何にでも従いますわ」
私はそう思いながらユリウス様が倒れる前に支えました。
その様子が理解出来なかった。
そう、私には全く分からなくて、困惑しているのだ。
私の体には何故かユリウス様が触れてくるだけで、気持ちが良くなるのに彼はそれを
拒むどころか私の服を脱がそうとしていた。
そのせいか、私も流石に拒む。
「ユリウス様! 私は貴方と交わる気はありません! 貴方はいつも私の事が嫌いだと言いつつも、
このような仕打ちばかり受けていますが、私に構わず、好きなようにすれば良いではないのですか?
私は、私は、貴方の事が好きです。だからこそ、私には貴方が分からないんです」
「カルネ、好きだ。初めて出会ったあの日からずっと」
私はそう言われた途端に嬉しさのあまり涙が出そうになってしまった。
泣きそうになるのを必死に堪えて笑顔を作ると彼の首に腕を回して強く抱きつく。
ユリウス様もそんな私を見て同じように抱き締めて下さった。
そして、私達の間には沈黙が訪れる。
暫くするとユリウス様の方から私に声をかけてきました。
それは突然のことだった。
私はユリウス様からの言葉を待っていた為、
「はい、分かりました!」
と返事をしましたのにまさかあんなことが起きるとは思いもしませんでしたの……。
ユリウス様は私に対してこんなことを仰った。
私の頭を撫でながら微笑みを浮かべているユリウスの手を私は優しく握ると彼も優しく握り返してくれたわ。
ユリウス様と一緒に過ごすようになって数日が経過してから私は毎日のように
ユリウスとの甘い時間を過ごしていたのだった。
「ユリウス様! 散々私の事を犯しておいて部屋から出て行くなんて信じられません!」
そう言いながら私はユリウス様に歩み寄って、目の前で立ち止まるとそのままユリウス様の脛を蹴って
頬を平手打ちし、挙句にはアイテムボックスから緑の液体が入った小瓶を取り出せば、
小瓶の蓋を開けて、ユリウス様の頭にかけているのです。
「ふーん。そう。そうよね。そんな態度を取るなら仕方がないわね。ユリウス様、
今まで私の為に働いてくれて有難う御座いました。
もう、お会いする事は無いでしょうね。それとこの緑色の水は私が開発した毒薬です」
「カルネ、俺はそんな事は望んでいない。それにこれはお前が作ったものなのか?」
ユリウス様は焦っているようで私の手を掴み止めようとする。
「そろそろ効果が出る頃ね。ユリウス様、私を犯したんだから苦しみなさいよっ!」
「まずい……カルネ、苦しい……助けてくれよ」
「あら。ユリウス様は随分とお苦しそうですね。私に何か出来ることはありますか。
ユリウス様のお手伝いが出来るならば私、何にでも従いますわ」
私はそう思いながらユリウス様が倒れる前に支えました。
その様子が理解出来なかった。
そう、私には全く分からなくて、困惑しているのだ。
私の体には何故かユリウス様が触れてくるだけで、気持ちが良くなるのに彼はそれを
拒むどころか私の服を脱がそうとしていた。
そのせいか、私も流石に拒む。
「ユリウス様! 私は貴方と交わる気はありません! 貴方はいつも私の事が嫌いだと言いつつも、
このような仕打ちばかり受けていますが、私に構わず、好きなようにすれば良いではないのですか?
私は、私は、貴方の事が好きです。だからこそ、私には貴方が分からないんです」
「カルネ、好きだ。初めて出会ったあの日からずっと」
私はそう言われた途端に嬉しさのあまり涙が出そうになってしまった。
泣きそうになるのを必死に堪えて笑顔を作ると彼の首に腕を回して強く抱きつく。
ユリウス様もそんな私を見て同じように抱き締めて下さった。
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暫くするとユリウス様の方から私に声をかけてきました。
それは突然のことだった。
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「はい、分かりました!」
と返事をしましたのにまさかあんなことが起きるとは思いもしませんでしたの……。
ユリウス様は私に対してこんなことを仰った。
私の頭を撫でながら微笑みを浮かべているユリウスの手を私は優しく握ると彼も優しく握り返してくれたわ。
ユリウス様と一緒に過ごすようになって数日が経過してから私は毎日のように
ユリウスとの甘い時間を過ごしていたのだった。
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