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「それでカルネはどんな僕を求めているのかな?  君に望まれたのであれば僕も頑張らないとね」
ユリウス様はそう言って笑みを溢すと、私の
髪を指先で撫でるように触れては弄んでいる。
その様子を黙って見続けていると、私の身体を
這わせては頬を撫で始めた。
「君の為なら僕は何でもしてあげるよ」
ユリウス様はそう言って私の前に立つと、
屈んで私の膝裏に手を当てると持ち上げた。
そのせいでスカートの裾が捲れ上がって
しまったが、それを気にすることなく
彼は私を抱きかかえると、ベッドの方へ
向かっていく。
私を抱えたままベッドに腰掛けると、そのまま
押し倒すようにしてベッドの上に倒れ込んだ。
ユリウス様はまるで私の全てを奪う勢いで
襲い掛かってくる。
ユリウス様は荒々しく私に覆いかぶさって
きては両手を押さえつけては私の自由を
奪ってくる。
抵抗してもユリウス様の力は私よりも遥かに
上で、私では太刀打ちできない。
私はどうにか逃れようと体を左右に揺らす。
けれど彼は私の行動を予測していたのかす
かさず腕に力を入れる。
「無駄だよ。いくら暴れても逃さないよ。
大人しくしてくれないともっと酷くして
しまうかもしれないよ。
例えばこんな風にかな?   君の大切な場所を
食べてしまうのもいいかも、君はどこが一番
弱いのかな? 
やっぱり一番敏感な所を責めるべきだと思う
けど、まずはそれを確認させて貰おうかな。
それじゃまずは首筋辺りを攻めてみようかね?  ふふっ。楽しみだねぇ。これからのことを
考えるとゾクッとするよ。
まぁ、もうすぐそこまで迫っている未来だよね」
私が考え事をしていることに勘づいたユリウス様はそんな事を呟きながら私に問いかけてきま
した。
その質問に答えずに無言を貫くと、ユリウス様はその手を胸に当てるとそのまま胸を揉んで
きました。
しかも結構強めにですわ!
私はあまりの痛さに悲鳴をあげてしまいました。
そのことに気分を良くしたユリウス様は更に
エスカレートしていきました。
私はそんなユリウス様の胸を叩くことで
精一杯でした。
するとその行為が逆に彼の興奮材料になった
みたいでさらに激しさを増していきましたわ。
「ほぉ~らっ、僕のモノになるんだよっ! 
 カルネッ!」
ユリウス様はそんな事を叫んでおりましたが
私としては意味が分かりませんでしたわ。
何故そんなにも必死になって私を求めて
くるのでしょう?
やはり私には全くわかりませんわ。
「カルネっ!」
ユリウス様はそう叫んだと同時に私の名前を
呼んできた。
その事に私は驚きのあまりに固まってしまって
いると、そのまま私を自分の方へ引き寄せる
なり強引に唇を重ねてキスをしてきた。
私はそんなユリウス様の突然の行動に動揺を
隠せずに困惑したままで居続けた。
「ユリウス様……どうしてこのような
ことをなされるのでしょうか?」
ユリウス様の言動に疑問を感じてしまった私は
その真意を確かめるべく問い質した。
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