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そして、ユリウス様の意識が覚醒するといつものように着替えを手伝った後で私はユリウス様と共に食堂へと向かう。
「おはようカルネ」
と挨拶をしてくれる夫のユリウスに対して私は
微笑むと、朝食の準備に取り掛かると
ユリウス様は私の背後に立つと後ろから抱き
締めてくる。
そして、耳元で甘く囁かれた。
恥ずかしそうに俯いているとユリウス様は
私の顎を掴んできた。
されるがままに上を向かせると、ユリウス様は
優しく触れるだけの軽い口付けをしてくる。
すると、私の心臓はドキドキと激しく脈を
打ち始める。
するとユリウス様は私を椅子に座らせると、
食事の用意を始める。
ユリウス様が作る料理はとても美味しくて
つい食べ過ぎてしまうため最近は気をつけて
いるつもりなのですが、どうしても手が
止まらなくなってしまうので困ったもの。
そして、私はユリウス様の作った手製の
デザートを堪能すると満足そうな笑みを
浮かべた。
私は一足早くに食事を終わらせたために
ユリウス様が来るのを待ちます。
そしてユリウス様がテーブルに着くと私は
彼に向けて一言。
「あーん」
と、するとユリウス様は最初は戸惑って
いたがすぐに受け入れてくれた。
そして、私達のイチャイチャは暫く続いた
後で私はそろそろいいかと思いユリウス様に
ある事を提案することにした。それは、
今度の休みに二人で旅行に行くことを提案
してみた。
私の計画は順調に進んでいるようで私は
内心ほくそえんでいましたが、ここで思わぬ
事態が起こってしまいました。
なんとユリウス様の両親が私とユリウス様の
結婚に反対してきたので私は反論をしました。
そして私は、私とユリウス様は結婚を
するものだと決めつけていたが、両親は
そうではないと言う。
「あの時、あの男と一緒にいるお前を見て
思ったんだ」
父はそう語ると、母はそれに同意を示すように
小さくうなずいていた。
あの時というのはおそらく私の婚約者だった
あの男の事を言っているに違いないと
思うのだが、私にとっては迷惑極まりない
話でしかないというのに。
一体何を考えているのだろうか。
だが、
「あれだけ酷い言葉を投げつけられたのに
どうして私と彼が婚約をしなければなら
ないのですか?」
と疑問をぶつけてみる。
だが父にはそんなものは関係ないと言い切
られてしまう。
確かに父が私の婚約を決めた理由に家柄は
含まれてはいたがそれはあくまでも条件の
一つに過ぎないと口にしているからだ。
だがしかし、それでも私は彼とは婚約など
するつもりはないと伝えると、二人は私を
叱咤するかのような言葉を吐き出し始めた。
その二人の態度から私は察することができた。
それは私に対する失望。
私のことを邪魔者扱いするような冷たい視線を
浴びせられている。
「あのような男はやめておけっ!!」
そう言い残して去って行く父の背中を私は
ただ呆然と眺めていることしかできなかった。
私の心の中で何かが壊れた気がしたのは
言うまでもない。
だけど私はまだ希望を持っていた。
そう、ユリウス様だけはきっと私を選んで
くれるはず。
そう信じてやまなかった。
私はユリウス様が戻ってくるのをひたすら
待つことにいた。
それからしばらく経ってのを確認すると、
私は大きく深呼吸をしたのちに意を決し
部屋の中へと入っていく。
ユリウス様はこちらをじっと見据えると
私に話しかける。
「どうやら覚悟は決まったようだね」
そう言って口角を上げるユリウス様を見た私は
少し恐怖を感じたものの私はゆっくりと首を
縦に振るのであった。
「おはようカルネ」
と挨拶をしてくれる夫のユリウスに対して私は
微笑むと、朝食の準備に取り掛かると
ユリウス様は私の背後に立つと後ろから抱き
締めてくる。
そして、耳元で甘く囁かれた。
恥ずかしそうに俯いているとユリウス様は
私の顎を掴んできた。
されるがままに上を向かせると、ユリウス様は
優しく触れるだけの軽い口付けをしてくる。
すると、私の心臓はドキドキと激しく脈を
打ち始める。
するとユリウス様は私を椅子に座らせると、
食事の用意を始める。
ユリウス様が作る料理はとても美味しくて
つい食べ過ぎてしまうため最近は気をつけて
いるつもりなのですが、どうしても手が
止まらなくなってしまうので困ったもの。
そして、私はユリウス様の作った手製の
デザートを堪能すると満足そうな笑みを
浮かべた。
私は一足早くに食事を終わらせたために
ユリウス様が来るのを待ちます。
そしてユリウス様がテーブルに着くと私は
彼に向けて一言。
「あーん」
と、するとユリウス様は最初は戸惑って
いたがすぐに受け入れてくれた。
そして、私達のイチャイチャは暫く続いた
後で私はそろそろいいかと思いユリウス様に
ある事を提案することにした。それは、
今度の休みに二人で旅行に行くことを提案
してみた。
私の計画は順調に進んでいるようで私は
内心ほくそえんでいましたが、ここで思わぬ
事態が起こってしまいました。
なんとユリウス様の両親が私とユリウス様の
結婚に反対してきたので私は反論をしました。
そして私は、私とユリウス様は結婚を
するものだと決めつけていたが、両親は
そうではないと言う。
「あの時、あの男と一緒にいるお前を見て
思ったんだ」
父はそう語ると、母はそれに同意を示すように
小さくうなずいていた。
あの時というのはおそらく私の婚約者だった
あの男の事を言っているに違いないと
思うのだが、私にとっては迷惑極まりない
話でしかないというのに。
一体何を考えているのだろうか。
だが、
「あれだけ酷い言葉を投げつけられたのに
どうして私と彼が婚約をしなければなら
ないのですか?」
と疑問をぶつけてみる。
だが父にはそんなものは関係ないと言い切
られてしまう。
確かに父が私の婚約を決めた理由に家柄は
含まれてはいたがそれはあくまでも条件の
一つに過ぎないと口にしているからだ。
だがしかし、それでも私は彼とは婚約など
するつもりはないと伝えると、二人は私を
叱咤するかのような言葉を吐き出し始めた。
その二人の態度から私は察することができた。
それは私に対する失望。
私のことを邪魔者扱いするような冷たい視線を
浴びせられている。
「あのような男はやめておけっ!!」
そう言い残して去って行く父の背中を私は
ただ呆然と眺めていることしかできなかった。
私の心の中で何かが壊れた気がしたのは
言うまでもない。
だけど私はまだ希望を持っていた。
そう、ユリウス様だけはきっと私を選んで
くれるはず。
そう信じてやまなかった。
私はユリウス様が戻ってくるのをひたすら
待つことにいた。
それからしばらく経ってのを確認すると、
私は大きく深呼吸をしたのちに意を決し
部屋の中へと入っていく。
ユリウス様はこちらをじっと見据えると
私に話しかける。
「どうやら覚悟は決まったようだね」
そう言って口角を上げるユリウス様を見た私は
少し恐怖を感じたものの私はゆっくりと首を
縦に振るのであった。
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