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私は絶望感に苛まれると、外から声が聞こえてきた。
私は恐る恐る外の様子を伺うと、そこにはブランチスの姿があった。
彼女は私を見つけると、ニヤリと笑みを浮かべると、私の方へと近付いてきた。
私は思わず後退りすると、彼女は私に近付いてきた。
そして私の腕を掴むと手枷で施錠される。
私は慌てて手を動かして解こうとするも、手はビクともしない。
すると、彼女は私の顎に手をかけると、
頬を叩いてきた。
「あははっ、何ですか?  その姿は?  まるで囚人みたいじゃないですか? 」
そう言うと、私の髪を掴んで引っ張ってくる。
廊下に出ると、ブランチスは私にドレスを着せると、化粧を施していく。
鏡を見ると、そこに映るのは私ではなく別人になっていた。
私はブランチスに連れられて、ある一室に入ると、そこには大勢の人達が集まっていて、皆一様に仮面を被っていた。
私も同じように仮面を被ると、ブランチスに手を引かれて、ステージに上がると、スポットライトが私に当てられる。
すると、拍手喝采が沸き起こった。
私は緊張しながらも、挨拶をする。
「本日は私を買っていただきありがとうございます」
そう言うと、皆が盛り上がっていた。
私はブランチスに促されて、ステージの中央に立つと、ブランチスは私の腰に縄を巻き始める。
そして吊るされ始めるとドレスを破り始められる。
私は恥ずかしくて俯いていると、ブランチスは私の下着を脱がせてきた。
そして、私のお尻を叩くと、会場から歓声が上がる。
私は羞恥心に苛まれていると、ブランチスは私を鞭で叩き始めた。私は悲鳴を上げると、ブランチスは笑みを浮かべていた。
それから暫くして、私はようやく解放された。ブランチスは私を降ろすと、私に話しかけてきた。
「どうでしたかぁ?  気持ちよかったでしょう?」
私は何も言わずに黙って俯いていた。
すると、ブランチスは私の体をどんとステージの上から落とした。
私は受け身が取れず地面に激突すると、ブランチスが私に近づいてきた。
「ほら、どうしたのですか? お客様に楽しんでいただかないと」
ブランチスの言葉に私は愕然とした。
私はこんなことをするためにここに来たんじゃない。
私は悔しさで涙を流すと、ブランチスが私の胸ぐらを掴み上げてくると、私を持ち上げた。
そして、私の目線に合わせるようにしゃがみ込むと、
「どうしましたか?  そんなに泣いて」
彼女は嘲笑を浮かべると、私に顔を近づけてきた。
「貴女がいけないのですよ? 貴女の様なゴミムシが悪役令嬢令嬢としてもふさわしくない貴女が……! あの高貴なるお方と結ばれようなど烏滸がましいにも程があるんですよ。貴女みたいなクズはいらない」
そう言うと、私を壁に押し付けた。
そして、私の髪を引っ張ってくる。
私は痛みに顔を歪ませていると、ブランチスは私の髪の毛を掴んで引っ張り始めた。「このクズが! お前はもう要らないんだよ! 」
ブランチスが叫ぶと同時に、私は彼女に殴られて気を失った。
目を覚ますと、そこは牢屋だった。
私は慌てて逃げようとするも、手足が鎖で繋がれており逃げることが出来なかった。私は必死に逃げようとするが、鎖がジャラジャラと音を立てるだけで逃げられない。私は諦めると、涙を流して泣いた。
私はどうしてこうなってしまったのだろう。
ただ好きな人と一緒にいたかっただけなのに、私はもう彼に会えないのだろうか。
私は絶望にうちひしがれると、誰かが牢屋の扉を開ける音が聞こえた。
私はハッとすると、牢屋の中に入ってきた人物を見た。
それは私の夫である、王子だった。
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