絶倫彼は私を離さない～あぁ、私は貴方の虜で快楽に堕ちる～

43話

今日のメニューは、クリームシチューとサラダ、それから焼きたてのパンでした。
どれもこれも美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまいましたが、
その分運動すれば良いということで納得することにしましょう。
それに、どうせこの後運動するのですから問題ないです。
食事を終えた後は部屋に戻って寝る準備をします。
歯を磨いたり、お手洗いに行ったりしてからベッドに入り、就寝することにしました。
（明日はどんな風に可愛がってくれるんだろう？）
そんなことを考えながら眠りについたのです。
朝目が覚めると、目の前には彼の寝顔がありました。
驚いて声を上げそうになったものの、何とか堪えることに成功しました。
その代わりに心臓がバクバクと音を立てているのですが、
とりあえず深呼吸して落ち着きを取り戻すことにします。
（そういえば昨日一緒に寝たんだった）
昨夜のことを思い出して顔が熱くなるのを感じましたが、
今はそれよりも大事なことがあるので我慢します。
というのも、今日は朝から予定があるからです。
なので、あまりゆっくりしている暇はありません。
私は意を決して起き上がると、彼を起こさないようにそっとベッドから抜け出しました。
そのまま浴室へ向かうと、熱いシャワーを浴びて目を覚まさせます。
その後は着替えて出発の準備を済ませてから彼の部屋へ向かいました。
そして、扉の前で立ち止まり、深呼吸をしてからノックをすると、
中から返事が聞こえてきましたので、扉を開けて中へ入ります。
部屋に入るなり抱きつかれてしまい、身動きが取れなくなってしまいましたが、
しばらくすると解放されました。
そこで改めて挨拶をすると、彼も笑顔で返してくれたので安堵します。
それから二人で朝食を取った後、彼に見送られる形で屋敷を出ることにしました。
外へ出ると眩しい日差しに目が眩みそうでしたが、すぐに慣れましたので問題ありません。
これから向かう場所は市場なのですが、いつもとは違うルートを通ることにしました。
なぜかというと、そちらの方が近道だからです。
時間も節約できますし、何よりも危険が少ないというのが理由です。
もちろん、何かあった場合は自己責任になってしまいますが、何も起こらないことを祈りましょう。
そう思いながら歩き続けていると、不意に後ろから声をかけられました。
振り返ると、そこにいたのは顔見知りの男性でした。
名前は知りませんが、何度か顔を合わせたことがあります。
彼は私の顔を見るなり駆け寄ってきて、いきなり手を握ってきたのです。
突然のことに驚いていると、彼は興奮した様子で話し始めました。
どうやら私をデートに誘ってくれているようなのですが、丁重にお断りさせていただきました。
私には既に心に決めた人がいるので、他の男性に興味はないのです。
なので、やんわりと断りの言葉を口にしたのですが、彼は引き下がろうとしません。
それどころかますますヒートアップしていき、ついには強引に迫ってこようとしたため、
身の危険を感じた私は全力で逃げ出しました。
そのまま振り返らずに走り続けていると、途中で足がもつれて転んでしまった拍子に鞄を落としてしまい、
中身が飛び散ってしまったのです。
その中には今日のために用意した大事な書類などもあったため、急いで拾い集めなければなりませんでした。
でも、あの男がまだ追いかけてきているかもしれないと思うと怖くて動けませんでした。
そんな時、偶然通りかかった男性が声をかけてくれたのです。
その方は、私が落とした物を拾って手渡してくれた上に、怪我をしていないか心配してくれました。
しかも、散らばった荷物も一緒に拾ってくれ、さらには屋敷まで送ってくださったのです。
その後、彼のお部屋へと向かうのです。