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17話

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そこで頭を撫でようとしたところ、急に腕を掴まれてしまいました。
驚いて声を上げる間もなく押し倒されてしまったので、
抵抗しようと思いましたが無駄でしたのです。
どうやら起きていたらしく、私に覆い被さってきたのです。

「あの、ご主人様? 何をしているんですか?」
と恐る恐る尋ねると、彼は笑顔で答えてくれました。
それを聞いて安心した私は油断してしまいました。
その直後、首筋に鋭い痛みを感じたかと思うと、身体から力が抜けていき、
意識が朦朧としてきてしまいました。

最後に見た光景は、ニヤリと笑う彼の顔でした。
(ああ、これはまずいですね)
薄れゆく意識の中で、そう思ったところで私の意識は途切れました。
どれくらいの時間が経過したでしょうか、目を覚ますとそこにはご主人様の姿がありました。
彼は、心配そうな顔で覗き込んでいましたが、私が起きたことに気づくとホッと胸を撫で下ろしました。

「ごめんね、ちょっとやりすぎちゃったみたいだ」
そう言って謝る彼に、怒る気になれませんでしたので、
気にしないで下さいと言うと彼は笑って許してくれました。
それから、私たちは二人でシャワーを浴びてから朝食を取りました。

今日の予定について話し合いましたが、とりあえず今日はゆっくり過ごすことになりました。
その後は、街を散策したり買い物をしたりして過ごしました。
夕方には宿に戻り、一緒に食事を楽しんだ後、同じベッドで眠りにつきました。
翌朝、目覚めると目の前には彼の胸板がありドキドキしてしまいまいたが、同時に安心感を覚えました。

そうしてしばらく抱き合っていたのですが、不意に視線を感じ見上げると彼と目が合いました。
彼は微笑みながら言いました。
「おはよう、昨日はよく眠れたかな?」
それに対して、私も笑顔で答えました。

「おはようございます、ご主人様のおかげでぐっすり眠れましたよ」
と答えると、彼も嬉しそうに微笑み返してくれました。
そんなやり取りをしている内に、段々と恥ずかしくなってきてしまい俯いてしまいました。
そんな私の様子を見て察したのでしょう、彼が声を掛けてきました。

「……大丈夫かい?」
そう聞かれたので、慌てて顔を上げて頷きました。
すると、安心したように笑ってくれたので安心しました。
その後、身支度を整えた後宿屋から出て外に出ました。
それから暫く歩いた後、私たちは街の出口に向かいました。

というのも、これから街を出て別の街に行くことになったからです。
目的地は、ここから南西の方角にある港町で、そこから船に乗って他の島に向かうことになっているのです。
そのために必要な物資を購入し、馬車を借りるために冒険者ギルドに向かっている途中でした。
途中、何度か魔物と遭遇したのですが難なく倒すことができましたので特に問題はありません。

ただ、戦闘中にお尻を撫でられた時はびっくりしましたが、何とか耐えることが出来ました。
(本当に危ないところでしたが)
そんなこんなで歩いているうちに、ようやく到着することができましたので中に入ることにしました。
中に入った途端、ギルド内から一斉に注目を浴びることとなりましたが、
気にせず受付まで進み要件を伝えますと、担当者が出てきて対応してくれました。

まずは、馬車を借り受けるための手続きを済ませることにしたのですが、
その際に必要な書類や費用の支払いなどを行いました。
それからしばらくして手続きが完了したのでいよいよ出発することとなりました。
その際、馬の状態を確認しましたが、とても元気そうなのでこれなら大丈夫そうだなと思い安心して任せることができました。

あとは出発するだけとなったのですが、その前に昼食を食べることになりまして近くの食堂に入ることにしました。
そこは海鮮料理をメインに扱ったお店のようでしたので、そちらを注文することにしました。
待っている間、周囲のお客さん達からの視線が気になって仕方ありませんでしたが、
ご主人様は全く気にしていない様子でした。

流石だなぁと思いながら待っていると、ようやく運ばれてきましたので早速いただくことにしました。
最初に運ばれてきたのは、魚介類のスープでした。
見た目にも鮮やかな色合いをしていて、美味しそうに見えたのですが、
実際に食べてみると想像以上に美味しくて驚きました。

魚の旨味が凝縮されていて、まるで高級レストランで出てくるような味だったのです。
夢中で食べているとあっという間に完食してしまいました。
次に運ばれてきたのは、メインとなるお肉料理でした。
こちらは牛肉を使用しているようで、柔らかくて口の中で溶けてしまいそうなほどでした。

味付けも良く、香辛料が効いたピリッとした味わいがアクセントになっていてとても美味しかったです。
デザートにはアイスクリームが出ましたが、これも絶品で大満足でした。
そして、食事を終えた私たちは、代金を支払うため席を立ちました。
その時、ふと視線を感じて顔を上げると店員の男性と目が合いました。
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