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おかげで助かったのだけど、さすがにこれはやりすぎじゃないかしら?そう思いながらも私は彼女にお礼を言ったの。
その後、改めて自己紹介をして、助けてくれたことに対する感謝の言葉を述べた後、気になっていた事を尋ねたのよ。
どうしてあんな真似をしたのか、それに対して少女はこう答えたの。
何でも私があの男と一緒に歩いているのを見た時から、何となく気に入らなかったらしくて、
「だから嫌がらせしてやろうかなって思ってね、それでやったわけ」
と悪戯っぽく笑いながら答えてきたけど、その話を聞いて、私はゾッとしたわ。
まさかそんな事を考えていただなんて思いもしなかったから、だけどそれ以上に気になった事があるの。
それはあの男たちについて、一体何があったのかという事だった。
すると、今度は真剣な眼差しをしながら教えてくれたんだけど、その内容はとても衝撃的なものだったので私は衝撃を受けてしまったの。
というのも男たちが持っていたナイフは本物で人を殺すことができる代物なのだそうだ。
「じゃあ、あの子たちは死んでしまったって事ですか?」
恐る恐る問いかける私に彼女は頷いてみせると話を続けた。
ちなみに彼女たちを殺害した理由は、私の身体目当てだったらしい。
その証拠に男はずっと下心丸出しの表情を見せていたらしく、それに気づいたからこそ、助けに入ったのだと語った。
はいえ、それでも命懸けであることに変わりはなかったはずなので、そう考えると複雑な気分になってしまうわね。
そんなことを考えていると彼女が不意に問いかけてきたので、思わずドキッとしてしまうのだけど、何とか気持ちを落ち着かせて聞き返す事にした。
「あなたは一体何者なんですか?それとさっき私を襲って来た男の人についても教えて欲しいんですけど……」
「そうですね、まず最初に私の名前は美雪です、年齢は16歳で、今年の春までは女子高生をやっていました」
それからしばらく話をしたあと本題へと入る事にしたのです。
その話というのは、なぜ自分がここにいるのかということ、そして、これからどうすればいいかなどを尋ねてみたんだけど、
「とりあえず、この部屋から出てみてはどうでしょうか?」と言われたので素直に従うことにした。
そうして案内された場所は広い部屋なんだけど、窓がなく出入り口の扉も一つしかない上に壁一面真っ白なせいでかなり不気味な印象を受けてしまったわ。
だけどそれ以外は至って普通の部屋で、特に変わった所もなかったし、ベッドもあって、
おまけにお風呂まであったものだから少し拍子抜けしてしまったくらいね。
それから一通り見回った後は部屋の中央に置かれたソファに腰掛けていたのだけど、そこでふと思った事があったんです。
そういえば、ここには自分と彼女の二人しかいないはずなのに、他に誰かいるような気配を感じることがあったから不思議に思っていたのですが、
もしかしたら、
「もしかして、他にも誰かがいるのですか?」
そう尋ねる私に彼女は静かに頷くなりこう言ったのです。
それはあなたが想像している通りの人物です。
それを聞いて思わず顔が強ばってしまった。
何故ならその人は既に亡くなってしまっている人物だったからだ。
さらに言うと、生前の彼と最後に会って話した時に、気になることを言われたのを思い出して、余計に嫌な予感を感じずにはいられなかったのだ。
それからしばらくすると再び扉が開き、彼が姿を見せたのである。
その姿は以前と変わらず若く綺麗な姿だったのだが、
「久しぶりだな、元気にしていたか?」
そう言いながら近寄って来るなり、いきなりキスをしてきたではないか!
それも舌まで絡めてくる濃厚なやつだ。
その後、改めて自己紹介をして、助けてくれたことに対する感謝の言葉を述べた後、気になっていた事を尋ねたのよ。
どうしてあんな真似をしたのか、それに対して少女はこう答えたの。
何でも私があの男と一緒に歩いているのを見た時から、何となく気に入らなかったらしくて、
「だから嫌がらせしてやろうかなって思ってね、それでやったわけ」
と悪戯っぽく笑いながら答えてきたけど、その話を聞いて、私はゾッとしたわ。
まさかそんな事を考えていただなんて思いもしなかったから、だけどそれ以上に気になった事があるの。
それはあの男たちについて、一体何があったのかという事だった。
すると、今度は真剣な眼差しをしながら教えてくれたんだけど、その内容はとても衝撃的なものだったので私は衝撃を受けてしまったの。
というのも男たちが持っていたナイフは本物で人を殺すことができる代物なのだそうだ。
「じゃあ、あの子たちは死んでしまったって事ですか?」
恐る恐る問いかける私に彼女は頷いてみせると話を続けた。
ちなみに彼女たちを殺害した理由は、私の身体目当てだったらしい。
その証拠に男はずっと下心丸出しの表情を見せていたらしく、それに気づいたからこそ、助けに入ったのだと語った。
はいえ、それでも命懸けであることに変わりはなかったはずなので、そう考えると複雑な気分になってしまうわね。
そんなことを考えていると彼女が不意に問いかけてきたので、思わずドキッとしてしまうのだけど、何とか気持ちを落ち着かせて聞き返す事にした。
「あなたは一体何者なんですか?それとさっき私を襲って来た男の人についても教えて欲しいんですけど……」
「そうですね、まず最初に私の名前は美雪です、年齢は16歳で、今年の春までは女子高生をやっていました」
それからしばらく話をしたあと本題へと入る事にしたのです。
その話というのは、なぜ自分がここにいるのかということ、そして、これからどうすればいいかなどを尋ねてみたんだけど、
「とりあえず、この部屋から出てみてはどうでしょうか?」と言われたので素直に従うことにした。
そうして案内された場所は広い部屋なんだけど、窓がなく出入り口の扉も一つしかない上に壁一面真っ白なせいでかなり不気味な印象を受けてしまったわ。
だけどそれ以外は至って普通の部屋で、特に変わった所もなかったし、ベッドもあって、
おまけにお風呂まであったものだから少し拍子抜けしてしまったくらいね。
それから一通り見回った後は部屋の中央に置かれたソファに腰掛けていたのだけど、そこでふと思った事があったんです。
そういえば、ここには自分と彼女の二人しかいないはずなのに、他に誰かいるような気配を感じることがあったから不思議に思っていたのですが、
もしかしたら、
「もしかして、他にも誰かがいるのですか?」
そう尋ねる私に彼女は静かに頷くなりこう言ったのです。
それはあなたが想像している通りの人物です。
それを聞いて思わず顔が強ばってしまった。
何故ならその人は既に亡くなってしまっている人物だったからだ。
さらに言うと、生前の彼と最後に会って話した時に、気になることを言われたのを思い出して、余計に嫌な予感を感じずにはいられなかったのだ。
それからしばらくすると再び扉が開き、彼が姿を見せたのである。
その姿は以前と変わらず若く綺麗な姿だったのだが、
「久しぶりだな、元気にしていたか?」
そう言いながら近寄って来るなり、いきなりキスをしてきたではないか!
それも舌まで絡めてくる濃厚なやつだ。
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