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「何か用かな、お嬢さん」
夫が言った。
少女は答える代わりに扉を閉めるとこちらへ歩いてくる。
それから私たちの横を通り過ぎ窓の方へ歩いていくと窓を開けたのだった。
冷たい空気が部屋の中に吹き込んで来る。
やがて彼女が振り返った時、その顔に表情はなかったのだった……。
「何をしているの?」
その声からは
「何を見ているのよ!」
という意味が込められているように聞こえた……。
「何を驚いているのよ?この変態野郎!」
そう言っていきなりビンタしてきたかと思うと彼女は走り去ってしまった……。
あまりの事に驚いてしまい動けなかった僕は頬を押さえながら呆然と彼女の背中を見送った後我に返ったのだが
既に遅く彼女はすでに何処かへ行ってしまった後で夫婦だけが部屋に取り残されてしまっていたのである……。
「やりすぎたかな、あの子が本体だよ」
「どういうことですか?」
突然の言葉に訳がわからず聞き返す僕に皇帝は説明する。
「実はねあの子は狐なんだ。変化が得意だから時々人に化けて村や町を転々としてるらしいよ」
「そうだったんですか、道理で気がつかないわけです……」
そう、彼女は子供のあやかしなのです。
だから、夫が妻を酷く暑かったのが許せなくなったのでしょう。
「あの薬は、貴方に盛られていたのですね、ならなぜ私が」
「すり替えたからだろうな、お前のと」
彼はあっさりそう言うと杯の中のワインを飲み干し言う。
私もそれに倣ってワインを飲むと、それを待っていたかのように彼は口を開く。
そして、その続きを聞いて驚いた。
あのワインを飲んだらたちまちに酔いが回ってまともに立てなくなってしまうらしいのだ、それで私は酔っぱらい床に座り込んでいたわけである。
しかし、それが本当ならかなり危険ではないかと思う。
そんな物を飲んでいたなんて気づきもしなかったからだ。
もし、気がついていたら回避できたかもしれないと考えるとそのことが残念だった。
そしてさらに追い打ちをかけるようなことを言われた。
どうやら媚薬効果のあるものだったようで私の身体は既に火照りはじめており足の付け根あたりも熱を帯びていて潤い始めていたのだ、
「貴方、酷いです」
「本当はあの狐娘は俺がそれを飲んでお前を優しく溺愛しまくる姿を見たかったのだろうな」
そんなの嫌に決まってるじゃないですか。
というか絶対にさせませんけど、そんな事を思いながら睨む私に皇帝はこう続けるのだった。
「もう限界が近いので一度抜いてくれ」
仕方なく夫の股間に手をあてがい上下に扱くことしばらく、とうとう射精したらしく夫はぐったりしていた。
その様子を見た私は、ふと、思い出したことがあり尋ねた。
それは、例の薬を飲まされそうになった時に見た幻影についてだ。
夫は苦笑しながら教えてくれたのである、それは昔、妻がまだ生きていた頃の姿なのだと聞かされ驚きと共に懐かしさが
こみあげてきた私は思わず抱きついてしまったのである。
こうして私達は結ばれたわけだがやはり恥ずかしいものは恥ずかしかったのである……。
「媚薬でメロメロってこういう事なのかな?」
という私の質問に彼は答えた、そうだとの事だったけれど納得はいかなかった、
だけど身体は疼きっぱなしで我慢できずに彼を求めたのだ、
そうして何度も何度も交わり続けて気がつけば朝を迎えていた……。
1時間後に目が覚めると彼はいない代わりにテーブルの上に書き置きが残されていたのです。
そこには、仕事へ行く旨が記されており、少し寂しく思ったものの、身支度を整えて部屋を出ようとしたところで
急に眠気に襲われたと思ったらそのまま意識を失ってしまったのですが、気がつくとベッドの上に横たわっていたのです。
夫が言った。
少女は答える代わりに扉を閉めるとこちらへ歩いてくる。
それから私たちの横を通り過ぎ窓の方へ歩いていくと窓を開けたのだった。
冷たい空気が部屋の中に吹き込んで来る。
やがて彼女が振り返った時、その顔に表情はなかったのだった……。
「何をしているの?」
その声からは
「何を見ているのよ!」
という意味が込められているように聞こえた……。
「何を驚いているのよ?この変態野郎!」
そう言っていきなりビンタしてきたかと思うと彼女は走り去ってしまった……。
あまりの事に驚いてしまい動けなかった僕は頬を押さえながら呆然と彼女の背中を見送った後我に返ったのだが
既に遅く彼女はすでに何処かへ行ってしまった後で夫婦だけが部屋に取り残されてしまっていたのである……。
「やりすぎたかな、あの子が本体だよ」
「どういうことですか?」
突然の言葉に訳がわからず聞き返す僕に皇帝は説明する。
「実はねあの子は狐なんだ。変化が得意だから時々人に化けて村や町を転々としてるらしいよ」
「そうだったんですか、道理で気がつかないわけです……」
そう、彼女は子供のあやかしなのです。
だから、夫が妻を酷く暑かったのが許せなくなったのでしょう。
「あの薬は、貴方に盛られていたのですね、ならなぜ私が」
「すり替えたからだろうな、お前のと」
彼はあっさりそう言うと杯の中のワインを飲み干し言う。
私もそれに倣ってワインを飲むと、それを待っていたかのように彼は口を開く。
そして、その続きを聞いて驚いた。
あのワインを飲んだらたちまちに酔いが回ってまともに立てなくなってしまうらしいのだ、それで私は酔っぱらい床に座り込んでいたわけである。
しかし、それが本当ならかなり危険ではないかと思う。
そんな物を飲んでいたなんて気づきもしなかったからだ。
もし、気がついていたら回避できたかもしれないと考えるとそのことが残念だった。
そしてさらに追い打ちをかけるようなことを言われた。
どうやら媚薬効果のあるものだったようで私の身体は既に火照りはじめており足の付け根あたりも熱を帯びていて潤い始めていたのだ、
「貴方、酷いです」
「本当はあの狐娘は俺がそれを飲んでお前を優しく溺愛しまくる姿を見たかったのだろうな」
そんなの嫌に決まってるじゃないですか。
というか絶対にさせませんけど、そんな事を思いながら睨む私に皇帝はこう続けるのだった。
「もう限界が近いので一度抜いてくれ」
仕方なく夫の股間に手をあてがい上下に扱くことしばらく、とうとう射精したらしく夫はぐったりしていた。
その様子を見た私は、ふと、思い出したことがあり尋ねた。
それは、例の薬を飲まされそうになった時に見た幻影についてだ。
夫は苦笑しながら教えてくれたのである、それは昔、妻がまだ生きていた頃の姿なのだと聞かされ驚きと共に懐かしさが
こみあげてきた私は思わず抱きついてしまったのである。
こうして私達は結ばれたわけだがやはり恥ずかしいものは恥ずかしかったのである……。
「媚薬でメロメロってこういう事なのかな?」
という私の質問に彼は答えた、そうだとの事だったけれど納得はいかなかった、
だけど身体は疼きっぱなしで我慢できずに彼を求めたのだ、
そうして何度も何度も交わり続けて気がつけば朝を迎えていた……。
1時間後に目が覚めると彼はいない代わりにテーブルの上に書き置きが残されていたのです。
そこには、仕事へ行く旨が記されており、少し寂しく思ったものの、身支度を整えて部屋を出ようとしたところで
急に眠気に襲われたと思ったらそのまま意識を失ってしまったのですが、気がつくとベッドの上に横たわっていたのです。
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