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慌てて立ち上がろうとするものの足に力が入らず立ち上がることができない。
一体どういうことだろうかと思っていると彼は呆れたように言ったのである。

そしてその理由を知った私は羞恥で顔を赤面させた。

「毒を盛られたか? 痺れ薬か? しゃれた事をしてくれる」

彼は平然としながら、手に持った杯の中に入っているワインを飲み干す。
ニヤリと笑みを浮かべた。
ゆっくりと立ち上がった後で私のそばに寄ると私を抱きかかえたのだ。
そのまま寝室へと向かうとベッドの上に下ろしてくれた。

その後で私から離れると近くの椅子に腰かける。
彼は静かに言ったのである。
私は困惑していた。
なぜこんな状況になっているのかが分からなかったからである。
だが彼はお構いなしといった感じで私をベッドに押し倒すと唇を重ねてきた。
私は抵抗しようとしたけれど、

「こっちの事も可愛がらないとだろう?」

夫の手がするりと衣類を開けさせて行く。
露わになった胸の突起に触れると摘まみ上げた。
思わずビクッと体を震わせる私に彼はクスリと笑うと、指先で転がし始める。
やがて私は息を乱して行った。
すると今度は舌で舐められて、私は思わず声を上げてしまう。

そんな感じで、しばらくの間、私はされるがままになっていました。
そして私はすっかり快楽に流されていたのである。
それからどれくらい時間が経ったのだろう、いつの間にか、衣服は脱がされていて、彼のモノを受け入れる準備は
整っていたのである。

そして私は彼に貫かれたのだった。
痛みはあったものの、いつもと違いより感じている。

「あやかしの薬は、感度を上げる物もあるとか、確かめてみようか?」

と彼が言って激しく動かしてきて、やがて私は絶頂を迎えた。
その後も何度も交わり続け、私はようやく解放されるとぐったりとしていた。
しばらくして、彼のモノがまだ元気な事に気づくと、 私は、彼の方に顔を向けると、恥ずかしながらもおねだりをしたのだった。
私は、彼との行為の後、ベッドの上で余韻に浸っていましたが、 しばらくして、我に帰ると急いで服を身につけました。

「善がっていたのにもういいのか?」

「妻の行き狂うし姿を見て、そう言う皇帝様は、どうかと思います」

「そう、膨れるでない、お前は、自慢の妻だからな」

私は頬を染めながら、服を整え終えると、その場から逃げ出そうとした。
だが、夫に腕を掴まれ、引き寄せられると、抱きしめられる。

「薬が盛られていて、辛かったのだろう?」

と耳元で囁かれ、私は身体を震わせた。
それから、彼は、 服の中に手を入れてくると、肌を弄ってくる。
その度に、体が熱くなり、次第に思考が蕩けて行く。

このままではいけないと思っても、どうすることもできず、ただ、彼のされるままになっていく。
やがて彼の手が下半身へと伸び、花弁にまで到達すると、下着の上から触れられる。
ただでさえ敏感になっている場所なのに、薬のせいで、すぐに濡れてしまい、 布地が張り付いてしまうほどになっていたのだ。

そう、つまり、

「濡れてるな、欲しいなら欲しいと素直に言えばいいだろう?」

「そ、そんなことっ」

否定しようとするのだが、身体が反応してしまうのを抑えることができなかったのである。
結局、最後には我慢出来なくなり、自分から懇願してしまった。
そんな私の様子を見つめながら夫は嬉しそうに微笑んだ後こう言った。

そうして、私は、ベッドの中で抱かれ続けていたのだが、不意に部屋の扉を叩く音がした。
誰かが訪ねてきたらしい。夫は扉の方に顔を向けたままで、動きが止まる。
なので、私は乱れた息を整えつつ様子を窺っていると、扉が開いて現れたのは、
先ほど助けたばかりのあの少女だったのだ!
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