隣の皇帝様を美味しく頂く私~貴方のモノですからお好きにして下さい~

一ノ瀬 彩音

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なぜなら、突然、彼女は、私を突き飛ばすようにして離れると、私達の間に割り込んできたからだ!
そして私の方を見ると、険しい表情をして睨み付けてきた!
まるで私が彼女を襲おうとしたかのような態度だ!

私は必死に弁解しようとするも彼女は聞いてくれずにその場から離れていく。
私は追いかけようとしたが、

「いいんだ」

そう言う彼の言葉によって足を止めざるをえなかったのだ!
結局、そのまま別れることになってしまうのだったが、翌日になって手紙が届いたのである。
中身を確認するとお礼の言葉とともに謝罪する内容が書かれていたのだ!

「昨日は本当に申し訳ありませんでした、あれから、色々と考えたのですが、やはりきちんと話をしたいと思いまして」と書いてある。
私は、迷わずに返事を書くと彼女のところへ持っていったのである。


「いいですよ、それよりもこれから一緒に過ごしませんか?実は私、寂しくて、ずっと一人だったんです、お願いします」

と言ったら、彼女は、顔を赤くしながらも、了承してくれた。
それから、私達は、結婚することになるのだが、彼女は、私に、 メイド服を着せようとするので、 私が逆に彼女に着せようとしたのが
切っ掛けで喧嘩になってしまったのである。

私は、どうにか止めさせようとしたが、どうにも止まらず、仕方がないので、力ずくで押さえつけたのである。
だが、彼女は私の下で暴れている。
しかし、それが逆効果となって、
「痛っ」

と言ってしまったのだ! それがきっかけとなり大騒ぎになり、気がつけば、衛兵がやってきてしまったのである。

私は、何とか言い逃れをしようとしたが、無理だったので諦めて大人しく捕まることにした。

どうやら、彼女は逃げ延びれたようでホッとしたのだった。
私は今、牢屋に入れられています。
理由は簡単です、 私達が愛し合っていたのがバレたからです。

でも、悪いのは彼女であって、私ではありません。
なのに、彼女は、何故か、私が悪いということになっています。

「どうしてこうなったのでしょう」

私は呟きました。すると、隣の牢から声が聞こえてきました。
どうやら、彼女もいるみたいです。

「あの人、本当に許せない」

そう言うと、何かに八つ当たりするように石壁を思いっきり蹴る音がしたんです。
そう思った瞬間に今度は、悲鳴のようなものが響き渡ってきたので、慌てて確認すると、
壁に頭をぶつけていたみたいなんです。

(何してるのかな?)

私は、そう思いながらも、そっと、目を背けるのでした。
それから、しばらくして、ようやく釈放されたのですが、家に帰ろうとしても帰れませんでした。
なんせ、彼女の親が迎えに来ていて私を責めてきたのですから。
しかも、彼女の両親が出てきてしまい、私には、もう帰る場所が無いのです。

なので、私は途方に暮れていました。
そんな時、誰かが声を掛けてきたのです。
そうそれは、彼女からでした。

私は、最初、警戒していたものの、話していくうちに意気投合していき、仲良くなっていき、いつの間にか親友になっていた。
そんなある日、私は彼女にあることを相談したのだ。その内容はというと、結婚のことである。

「実は、結婚したんだけどさぁ、上手くいってないんだよね……」

と打ち明けると彼女も同じように悩んでいたらしくて、

「わかる!うちも同じだよ!!」

と言ってきたのだ。
どうやら、彼女とは結婚してからあまり会話も無く、夫婦仲は良くないらしい。
ある日の晩のこと、いつものように寝ようとしていた時に、彼女が私の布団の中に入ってきた。
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