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そうして片付けてから
「ん。まあまあの出来栄えだな。上達したようだ」
と、言い残すとそのまま王子は何処かに立ち去っていった。
アシェリアはその後 衣服を整え直すと昼食を食べ、暫く休憩したのちに 城下町に向かう。目的はいくつかあり、バッデスド王子への贈り物を選ぶのと、その次にお気に入りの甘味処を訪れて新作のお団子を食べるのが目的となっている。アシェリアにとっては息抜きの時間であると同時に生きがいとも言える時間でもあった。それから王子の誕生日が近いということで、ケーキを購入したりと 買った品物を包み手にするとアシェリアは店を出ようとした矢先のことで 急に意識が遠のいてしまう。
(あっ……このまま私は……)
と、思いながらも そのまま倒れこみアシェリアは気絶することとなってしまった。
しばらくして アシェリアが目覚めるとそこは薄暗い牢屋の中だった。手足は縄に縛られ拘束されており、立ち上がろうにも上手く動けない。すると足音が聞こえてくると 部屋の照明がついた。そこで そこに現れた人物を見た瞬間に驚くと同時に言葉を発していた。
それも無理はなかった。目の前に現れたのは 自分が陥れようとしていたはずの男 バッデスド王子であったから。
(どうしてこいつがここにいるの!?
ここは 間違いなく自分の住んでいた国のはずなのに!!
だけど何故かしら。見慣れた光景に見たことある場所。それはどこなのかわからないのに既視感を感じるわ。まるで自分自身が体験したことがあるようなそんな感覚があるのは何故?)
と考え込んでいたところに後ろから声をかけられれば思わず体がビクッとなる。
「どうかされました?」
振り向くなり相手の正体を見抜けず 咄嵯に出てしまった言葉といえば――
あまりにも突拍子のない出来事が起きると人は普段の様子からは想像できないような反応を示すものだがアシェリアもその例外ではない。ましてやその相手が顔も名前も知っている女性だときた日には どうしようもない気持ちを抱くこととなる。そう、アシェリアにとって 目の前にいる人物は意外な人物であったのだ。それはこの国に住んでいるほとんどの人間が知らないだろう事実なのだ。そのせいでアシェリアは混乱してしまうのだが、幸いなことに落ち着こうと必死になっていたのもあって次第に落ち着きを取り戻すことが出来た。そうしている間にも彼女は言葉を発した。
「まさか貴方がこのような真似をなさるなんて信じられません」
と、アシェリアは語気を強めながら抗議するが王子は反省した様子を見せず、余裕の態度のまま
「何か勘違いしていないかい?
君をここから出すことなど造作も無いんだが。それと ここには俺しかいないから安心していいぞ」
と、彼は耳元で囁いては抱き寄せると彼女の股に手を伸ばした。そうしてアシェリアが抵抗しようとすれば彼はニヤリと笑い、わざとらしく触れてきた。その度にアシェリアは甘い吐息を漏らしてしまうのだが何とか平静を取り繕っては彼に抗おうとする。
「ひゃぅ、ふぇ……や、やめて。い、いや、変なのは貴方の方ですよ」
と、アシェリアは身体を震わせながら訴えた。
「それにしても……ここに来たばかりで少し胸元が露出しすぎじゃないかね?」
と、彼はアシェリアの胸に顔を埋めつつ首筋に吸い付くと軽く音を立てて離す。それに耐えながらアシェリアは どうにか彼に冷静さを取り戻してもらうために説得をつづけようと努めた。そして彼は一旦離れては質問をぶつけてきた。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は貴方と同じ名前のバッデスドです」
「私はアシェリア・ディレイネというのですけど……」
アシェリアの言葉を聞いて一瞬の沈黙が生まれてしまったもののすぐに納得してくれたのか。
「ああ、アシェリアちゃんだったのか。それでそろそろいいかげんにしてもらえると嬉しいんだけどな」
と、再び行為を再会させた。
結局 バッデスド王子に押し切られる形でアシェリアはこの牢獄に軟禁されるハメとなってしまう。またそれと同時にアシェリアは別の意味で危機的状況に追いやられることになる。アシェリアを幽閉する事に成功したバッデスド王子は彼女を辱めていく事に余念がなかった。
「ん。まあまあの出来栄えだな。上達したようだ」
と、言い残すとそのまま王子は何処かに立ち去っていった。
アシェリアはその後 衣服を整え直すと昼食を食べ、暫く休憩したのちに 城下町に向かう。目的はいくつかあり、バッデスド王子への贈り物を選ぶのと、その次にお気に入りの甘味処を訪れて新作のお団子を食べるのが目的となっている。アシェリアにとっては息抜きの時間であると同時に生きがいとも言える時間でもあった。それから王子の誕生日が近いということで、ケーキを購入したりと 買った品物を包み手にするとアシェリアは店を出ようとした矢先のことで 急に意識が遠のいてしまう。
(あっ……このまま私は……)
と、思いながらも そのまま倒れこみアシェリアは気絶することとなってしまった。
しばらくして アシェリアが目覚めるとそこは薄暗い牢屋の中だった。手足は縄に縛られ拘束されており、立ち上がろうにも上手く動けない。すると足音が聞こえてくると 部屋の照明がついた。そこで そこに現れた人物を見た瞬間に驚くと同時に言葉を発していた。
それも無理はなかった。目の前に現れたのは 自分が陥れようとしていたはずの男 バッデスド王子であったから。
(どうしてこいつがここにいるの!?
ここは 間違いなく自分の住んでいた国のはずなのに!!
だけど何故かしら。見慣れた光景に見たことある場所。それはどこなのかわからないのに既視感を感じるわ。まるで自分自身が体験したことがあるようなそんな感覚があるのは何故?)
と考え込んでいたところに後ろから声をかけられれば思わず体がビクッとなる。
「どうかされました?」
振り向くなり相手の正体を見抜けず 咄嵯に出てしまった言葉といえば――
あまりにも突拍子のない出来事が起きると人は普段の様子からは想像できないような反応を示すものだがアシェリアもその例外ではない。ましてやその相手が顔も名前も知っている女性だときた日には どうしようもない気持ちを抱くこととなる。そう、アシェリアにとって 目の前にいる人物は意外な人物であったのだ。それはこの国に住んでいるほとんどの人間が知らないだろう事実なのだ。そのせいでアシェリアは混乱してしまうのだが、幸いなことに落ち着こうと必死になっていたのもあって次第に落ち着きを取り戻すことが出来た。そうしている間にも彼女は言葉を発した。
「まさか貴方がこのような真似をなさるなんて信じられません」
と、アシェリアは語気を強めながら抗議するが王子は反省した様子を見せず、余裕の態度のまま
「何か勘違いしていないかい?
君をここから出すことなど造作も無いんだが。それと ここには俺しかいないから安心していいぞ」
と、彼は耳元で囁いては抱き寄せると彼女の股に手を伸ばした。そうしてアシェリアが抵抗しようとすれば彼はニヤリと笑い、わざとらしく触れてきた。その度にアシェリアは甘い吐息を漏らしてしまうのだが何とか平静を取り繕っては彼に抗おうとする。
「ひゃぅ、ふぇ……や、やめて。い、いや、変なのは貴方の方ですよ」
と、アシェリアは身体を震わせながら訴えた。
「それにしても……ここに来たばかりで少し胸元が露出しすぎじゃないかね?」
と、彼はアシェリアの胸に顔を埋めつつ首筋に吸い付くと軽く音を立てて離す。それに耐えながらアシェリアは どうにか彼に冷静さを取り戻してもらうために説得をつづけようと努めた。そして彼は一旦離れては質問をぶつけてきた。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は貴方と同じ名前のバッデスドです」
「私はアシェリア・ディレイネというのですけど……」
アシェリアの言葉を聞いて一瞬の沈黙が生まれてしまったもののすぐに納得してくれたのか。
「ああ、アシェリアちゃんだったのか。それでそろそろいいかげんにしてもらえると嬉しいんだけどな」
と、再び行為を再会させた。
結局 バッデスド王子に押し切られる形でアシェリアはこの牢獄に軟禁されるハメとなってしまう。またそれと同時にアシェリアは別の意味で危機的状況に追いやられることになる。アシェリアを幽閉する事に成功したバッデスド王子は彼女を辱めていく事に余念がなかった。
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