大富豪とシンデレラ ～おひとりさま生活を満喫していたら、大企業の御曹司に拾われました。でも、溺愛されすぎて、毎日ドキドキしています～

11.

「あっ、んっ、あぁん、気持ち良いぃ、でも、もっとぉ……」
それからしばらく続けているうちに絶頂を迎えてしまい、身体を仰け反らせながら潮を吹き出すと同時に痙攣を繰り返し、
さらには尿道口から透明な液体が噴き出してきてしまったのです。

それも一度や二度ではなく、幾度となく繰り返されるせいで、床に大きな水溜まりができてしまい、
それをぼんやりと眺めているうちに段々と冷静さを取り戻していった私は、急いで服を着直して、その場から立ち去りました。
ちなみに、その際にお手洗いに行きたくなったのですが、今の時間帯は誰も使用していなかったので、
仕方なくその場で済ませてから会社を出ることにしたのですが、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯だったため、ホームはかなり混雑していました。

（仕方ない、他の車両で行くか）
そう思いながらホームを歩いていると、ちょうど階段付近にある乗車位置に辿り着いたところで電車が到着しました。
私は列の後ろに並ぶこと数分、次の列車に乗って会社の最寄り駅に到着したのですが、駅構内では、多くの人たちが行き交っていました。

そんな中、改札を抜けようとした瞬間、突然声をかけられたかと思うと、 いきなり腕を掴まれ、人通りの少ない場所に連れてこられただけでなく、
そのまま壁に押し付けらてしまったのです。
突然の事態に混乱している私を余所に、その男は私の顔の前に一枚の写真を差し出してきて、こう言いました。

「この女性を知っているね？」
そう聞かれ、よく見てみると、そこに写っていたのは私の高校時代の友人でした。

それを見て、ようやく相手の意図を理解した私は、素直に認めることにしました。
ただし、条件つきで――そう言うと、男は訝しげな視線を向けてきましたが、そんなことは気にせずに話を続けました。
それは、私が彼女の身代わりになることです。

それを聞いた相手はニヤリと笑うと、すぐさま電話をかけて事情を説明した上で、代わりを用意して欲しいと伝えてきました。
それからしばらくして、やってきた女性は私の知っている人でした。
つまり、友人も私のことを知っていたのです。

そして、それを知った時の彼女の顔といったら傑作でしたね。
そんな彼女には、後日私から連絡を入れることになりましたので、これから会う約束をしてその場を後にした私は、
一旦会社に戻るためにタクシーを呼び止めて乗り込みました。

（はぁ～、疲れたなぁ～）
そんなことを考えている間に目的地に到着していたので、支払いを済ませると、すぐに下車しました。
その後、建物の中に入るとエレベータに乗り込み、5階にあるオフィスへと向かいます。

途中、他部署の人たちと出会いましたが、会釈をして軽く挨拶を交わしただけで、その後は誰とも話すことなく自分のデスクのあるフロアに到着後、
すぐ様エレベーターを降りて足早に進んでいきます。
すると、目の前に受付の女性がいるのが見えたので、そこへ歩み寄り、いつものように挨拶をして中に入れてもらうことにしました。

そして、すれ違う社員たちに挨拶をしながら歩いていくと、廊下の奥の方で男性社員が数人集まっている光景を見つけました。
何かトラブルでもあったのかと思いながら近づいていくと、不意に声をかけられてしまいました。
反射的に振り向くと、そこにいたのは営業課にいる先輩である宮瀬さんでした。

しかも、彼は私を見るなり、こう言ってきたのです。
実は先日、君に会わせたい人がいるんだ。
よかったら今晩食事にでもどうかな？

いや、無理にとは言わないんだけど、できれば付き合ってほしいと思ってる。
だけど、その前に少しだけ時間を作ってもらえるかな。
話したいことがあるんだ。