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「あっ、ん」
私はまたもや悲鳴を上げて仰け反ってしまいます。
私は耐え切れなくなって、口を塞ぐのですが……。
「フィリア、可愛い声で啼くな、もっと聞かせて」
と言ってきて私の声を聞きたがるのです。
「嫌ぁ」
私が首を横に振れば、陛下は不満そうな表情をしてきました。
私は必死に口を押さえているのでした。
そんなことをしている内にも、手が下がって行き、ついに花弁に触れられて、指を入れられてしまうのですが、
私はその刺激に耐え切れずに絶頂を迎えてしまいました。
陛下は満足そうな表情をしながら私から離れていきました。
扉が閉まる際に小さく呟かれた言葉に私は聞き取れませんでした。
それは、とても小さな言葉で、 私は何を言ったのだろうと、少し考えてみましたが分かりませんね。
私は服を着替えてから寝室を後にするのでした。
私は自室に戻ります。
そこで待っていたのは……。
赤い花束を片手に持った陛下でした。
「この先も君を手放したくない、どうか俺の妻のままでいてくれないだろうか?」
私はその言葉を聞いた瞬間に、涙が溢れ出してしまい、
「はい、喜んで」
私は泣きながら答えたのです。
「ありがとう、愛してるよ」
陛下はそう言って、私を抱き寄せて、 唇を重ねてくるのでした。
こうして、私は陛下に改めて愛を囁かれて、 陛下と結婚記念日を祝おうという話に
なっていきます。
私達は結婚記念日に何処かに出かけようと言う話になったのでした。
そして、当日を迎えたわけですが……、 私が目覚めると既に隣には誰も居らず、
私が着替え終わってから暫くしても戻ってきませんでした。
私が待ちきれずに部屋を出てみれば……、
そこには、豪華な馬車が用意されており、
御者台に座った陛下の姿がありました。
陛下は私に気づいて振り返ります。
「おはようフィリア」
「……お早うございますウディル陛下」
「ふむ、何だ? 俺に見惚れたか?」
図星ですね。
「……はい」
「そうかそうか」
そんな陛下は今日も絶好調みたいでした。
「さて、今日はどこに行こうかな」
「そういえば、今日はどこに行くか決めてなかったんですか」
「ああ、そうだな。今日はお前の好きな所に連れて行くぞ」
「じゃあ、今日は海に行きたいです」
「ほう、いいだろう。では、出発しよう」
「はい」
私は陛下の隣に座りました。
私は陛下の腕に抱きついて、頬擦りをします。
陛下は私の頭を撫でてくださりました。
「よし、行くとするかね」
「はいっ」
私達の乗っている馬車は動き出します。
私達が向かった先は、港町でした。
潮風がとても気持ちよくて、 私はついついはしゃいでしまいました。
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