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フィリアは言われたとおりにその手紙を読んでみた。
『フィリア・アンジェロ殿、貴女の事を先日の件で多大な迷惑をかけたことを深く反省していると思います。
そこで、この度、私の方で、父上に嘆願書を提出いたしました。
今回の事件の原因を作ったのは私であり、彼女は全く悪くないと。
そして、彼女が望むなら、今後一切の罪に問わないようにと。
彼女の献身的な看病により、私も無事回復し、公務も問題なく行えるようになりました。
どうか、寛大な処置をお願いいたします』
フィリアはウディルの方を見た。
「ウディル様……これ……」
「お前の無罪放免の嘆願書だ。署名したのは俺だ」
「え? どうして……こんな事を」
「お前が好きだからだ」
「え?」
「お前が好きなんだよ。だから、お前にはこれからずっと俺の側にいて欲しい」
「ウディル様……ありがとうございます……」
フィリアは涙を流す。
「泣くんじゃない。せっかくの綺麗な顔が台無しになるだろう」
ウディルはフィリアの目元に溜まった涙を指で拭う。
「ウディル様、私嬉しいです。私、これから一生懸命働きますから」
「そうだな、期待しているよ」
「はい! 頑張ります」
フィリアは満面の笑みを浮かべた。
ウディルはフィリアの笑顔を見て、心の底から安堵した。
よかった。本当に良かった。
俺の可愛いフィリア。もう絶対に離さないからな。
もうすぐだ。もうすぐで君は俺だけのものになる。
その時が来るのが楽しみだ。
ウディルはフィリアの頬を撫でながら、優しい目でフィリアを見つめていた。
フィリアはウディルと一緒に夕食を食べると、風呂に入ってベッドに入った。
フィリアはウディルの腕の中で目を閉じながら考えていた。
(ウディル様はどうして私なんかを好きになったのかな? ウディル様のような素敵な人なら、
私なんかよりずっといい人がいると思うんだけど)
フィリアは目を開けて、ウディルの顔を見る。
ウディルはフィリアの視線に気がつく。
「どうした? 眠れないか?」
「はい。ちょっと考えごとをしていました」
「何を考えているんだ? 俺の事か? それとも別の男の事か? まさか男じゃないよな?」
ウディルは少し不機嫌そうな表情をする。
「違いますよ。そんなわけ無いでしょう」
フィリアはクスッと笑う。
「そうだよな。そんなわけ無いよな。フィリアは俺の物だからな。誰にも渡さんぞ」
ウディルはそう言うと、フィリアを強く抱きしめる。
フィリアはウディルの乳房に顔を埋める。
ウディルはフィリアの髪を撫でる。
フィリアはウディルの鼓動を聞いているうちに、再びウトウトし始めた。
ウディルはフィリアが眠りにつくまで、フィリアの髪を撫で続けた。
次の日の朝、フィリアはウディルに抱かれて目が覚めた。
ウディルの温もりを感じていると、幸せな気持ちでいっぱいになってくる。
ウディルはフィリアを抱きしめながら、フィリアの耳元でささやく。
「おはよう。フィリア」
「おはようございます。ウディル様」
二人は見つめ合うと、軽く口づけを交わす。
フィリアはウディルの乳房に顔をすり寄せて、甘える仕草をした。
ウディルは優しく微笑むと、
「今日は、ちょっと遠出しようか?」
そう言った時だった。
お父様が部屋に入って来たのです。
ウディルは慌ててかばうように後ろにフィリアを引き寄せると
「朝から無粋では無いかな、父さん」
と、言った。
『フィリア・アンジェロ殿、貴女の事を先日の件で多大な迷惑をかけたことを深く反省していると思います。
そこで、この度、私の方で、父上に嘆願書を提出いたしました。
今回の事件の原因を作ったのは私であり、彼女は全く悪くないと。
そして、彼女が望むなら、今後一切の罪に問わないようにと。
彼女の献身的な看病により、私も無事回復し、公務も問題なく行えるようになりました。
どうか、寛大な処置をお願いいたします』
フィリアはウディルの方を見た。
「ウディル様……これ……」
「お前の無罪放免の嘆願書だ。署名したのは俺だ」
「え? どうして……こんな事を」
「お前が好きだからだ」
「え?」
「お前が好きなんだよ。だから、お前にはこれからずっと俺の側にいて欲しい」
「ウディル様……ありがとうございます……」
フィリアは涙を流す。
「泣くんじゃない。せっかくの綺麗な顔が台無しになるだろう」
ウディルはフィリアの目元に溜まった涙を指で拭う。
「ウディル様、私嬉しいです。私、これから一生懸命働きますから」
「そうだな、期待しているよ」
「はい! 頑張ります」
フィリアは満面の笑みを浮かべた。
ウディルはフィリアの笑顔を見て、心の底から安堵した。
よかった。本当に良かった。
俺の可愛いフィリア。もう絶対に離さないからな。
もうすぐだ。もうすぐで君は俺だけのものになる。
その時が来るのが楽しみだ。
ウディルはフィリアの頬を撫でながら、優しい目でフィリアを見つめていた。
フィリアはウディルと一緒に夕食を食べると、風呂に入ってベッドに入った。
フィリアはウディルの腕の中で目を閉じながら考えていた。
(ウディル様はどうして私なんかを好きになったのかな? ウディル様のような素敵な人なら、
私なんかよりずっといい人がいると思うんだけど)
フィリアは目を開けて、ウディルの顔を見る。
ウディルはフィリアの視線に気がつく。
「どうした? 眠れないか?」
「はい。ちょっと考えごとをしていました」
「何を考えているんだ? 俺の事か? それとも別の男の事か? まさか男じゃないよな?」
ウディルは少し不機嫌そうな表情をする。
「違いますよ。そんなわけ無いでしょう」
フィリアはクスッと笑う。
「そうだよな。そんなわけ無いよな。フィリアは俺の物だからな。誰にも渡さんぞ」
ウディルはそう言うと、フィリアを強く抱きしめる。
フィリアはウディルの乳房に顔を埋める。
ウディルはフィリアの髪を撫でる。
フィリアはウディルの鼓動を聞いているうちに、再びウトウトし始めた。
ウディルはフィリアが眠りにつくまで、フィリアの髪を撫で続けた。
次の日の朝、フィリアはウディルに抱かれて目が覚めた。
ウディルの温もりを感じていると、幸せな気持ちでいっぱいになってくる。
ウディルはフィリアを抱きしめながら、フィリアの耳元でささやく。
「おはよう。フィリア」
「おはようございます。ウディル様」
二人は見つめ合うと、軽く口づけを交わす。
フィリアはウディルの乳房に顔をすり寄せて、甘える仕草をした。
ウディルは優しく微笑むと、
「今日は、ちょっと遠出しようか?」
そう言った時だった。
お父様が部屋に入って来たのです。
ウディルは慌ててかばうように後ろにフィリアを引き寄せると
「朝から無粋では無いかな、父さん」
と、言った。
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