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とりあえず、急いでシャワーで体を温めてバスローブに包み、部屋の暖房を急速でつける。
「李凰、李凰っ!」
何回か名前を呼んで体を揺する。
唇が青くなるほど冷たい水浴びたって、何もいいことないだろ…。
そう言いたくなるが、そうした原因が俺だった…そう考えると怖い気もする。
さっき手を払われた時感じた怒りとそれから、恐怖。
「りお、目ぇ覚せって」
俺はそっとキスを落とす。
呼吸はしてるようで、ただ眠ってるだけなら本当にそれでいい。
話は明日でもできるし…。
医療の知識のない俺は会社に在中している医者に連絡した。
「“…もしもし、”」
「“こんばんは、国原さん。こんな時間になんです?”」
「“…長時間とまではいかないが、唇が青くなるまでシャワーの冷たい水を浴びたんだ”」
「“はい?”」
「“…呼吸はしてるが、何度呼びかけても起きないんだが大丈夫、だろうか?”」
「“…よく分かんないんすけど、そっち行きますか?で、どこのクラブです?”」
「“自宅だ”」
この会社在中の医者は俺と高校、大学が同じ腐れ縁野郎だ。
ウザイしウザイしウザイけど、医者としてのスキルはその歳にしてはレベルが高すぎる、らしい。
俺は、コイツにだけはバレたくなかったのが李凰の存在なのに。
コイツは俺と似てるから、コイツもきっと李凰を気に入るだろうしな。
「…ふぅ、李凰、寒い?」
少し暖房の温度を下げて、お湯を沸かして湯たんぽを作る。
李凰が眠る布団の中に入れて、俺も隣に横になった。
まだ冷えてる体に触れて、俺が期待してたのはこんなんじゃないのだけど…。
頬をすりすりしているとウトウトしてきた、のに。
インターホンが鳴って、アイツが来たことが分かる。
「…おぉ、お前が家なんて珍しいな!」
「はぁ?…もう長らく遊んでないけどな」
「ってことは遂に固定!?…今から診るのがそうなのかな?」
俺に断りもなくズカズカと中に入ってきて、寝室を開ける。
「…わぁお」
「お"い、何勝手に開けてんだよ!」
「え?だって、さっき言ってた子ってこの子のことでしょ?…俺、めっちゃタイプなんだけど。国原には勿体ねぇな」
「しらねぇな、生憎お前にやれるほど飽きてねぇから。…それから、コイツには触んなよ?」
勝手に開けた寝室のドアを閉めて注意する。
「…へいへい、面倒せぇ彼氏だなぁ」
コイツは手際良く李凰を診ると特に異常は無かった。
「…ん、ここも大丈夫そうだが、」
「そうか、助かった」
異常がないとプロに言われて無事安心した俺は、すぐにコイツを弾き出す。
「…診終わったんなら、帰れ!」
「またね、」
コイツは俺の目を盗んでサラッと李凰のほっぺにキスをした。
コノ野郎っ!!
「…これ以上、触んなよっ!」
渋々といったように帰ったあと、また俺は李凰の隣に寝転ぶ。
明日は今日のやり直し、させろよ…。
李凰にキスをして、俺も目を閉じた。
「李凰、李凰っ!」
何回か名前を呼んで体を揺する。
唇が青くなるほど冷たい水浴びたって、何もいいことないだろ…。
そう言いたくなるが、そうした原因が俺だった…そう考えると怖い気もする。
さっき手を払われた時感じた怒りとそれから、恐怖。
「りお、目ぇ覚せって」
俺はそっとキスを落とす。
呼吸はしてるようで、ただ眠ってるだけなら本当にそれでいい。
話は明日でもできるし…。
医療の知識のない俺は会社に在中している医者に連絡した。
「“…もしもし、”」
「“こんばんは、国原さん。こんな時間になんです?”」
「“…長時間とまではいかないが、唇が青くなるまでシャワーの冷たい水を浴びたんだ”」
「“はい?”」
「“…呼吸はしてるが、何度呼びかけても起きないんだが大丈夫、だろうか?”」
「“…よく分かんないんすけど、そっち行きますか?で、どこのクラブです?”」
「“自宅だ”」
この会社在中の医者は俺と高校、大学が同じ腐れ縁野郎だ。
ウザイしウザイしウザイけど、医者としてのスキルはその歳にしてはレベルが高すぎる、らしい。
俺は、コイツにだけはバレたくなかったのが李凰の存在なのに。
コイツは俺と似てるから、コイツもきっと李凰を気に入るだろうしな。
「…ふぅ、李凰、寒い?」
少し暖房の温度を下げて、お湯を沸かして湯たんぽを作る。
李凰が眠る布団の中に入れて、俺も隣に横になった。
まだ冷えてる体に触れて、俺が期待してたのはこんなんじゃないのだけど…。
頬をすりすりしているとウトウトしてきた、のに。
インターホンが鳴って、アイツが来たことが分かる。
「…おぉ、お前が家なんて珍しいな!」
「はぁ?…もう長らく遊んでないけどな」
「ってことは遂に固定!?…今から診るのがそうなのかな?」
俺に断りもなくズカズカと中に入ってきて、寝室を開ける。
「…わぁお」
「お"い、何勝手に開けてんだよ!」
「え?だって、さっき言ってた子ってこの子のことでしょ?…俺、めっちゃタイプなんだけど。国原には勿体ねぇな」
「しらねぇな、生憎お前にやれるほど飽きてねぇから。…それから、コイツには触んなよ?」
勝手に開けた寝室のドアを閉めて注意する。
「…へいへい、面倒せぇ彼氏だなぁ」
コイツは手際良く李凰を診ると特に異常は無かった。
「…ん、ここも大丈夫そうだが、」
「そうか、助かった」
異常がないとプロに言われて無事安心した俺は、すぐにコイツを弾き出す。
「…診終わったんなら、帰れ!」
「またね、」
コイツは俺の目を盗んでサラッと李凰のほっぺにキスをした。
コノ野郎っ!!
「…これ以上、触んなよっ!」
渋々といったように帰ったあと、また俺は李凰の隣に寝転ぶ。
明日は今日のやり直し、させろよ…。
李凰にキスをして、俺も目を閉じた。
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