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響side
「…ちっ、最悪だ」
「“今日も一杯どうかね?”」
スマホに届いたメッセージを見て思わず舌打ちが漏れる。
俺は2ヶ月ほど前から、このメッセージの送り主とデカい企画を勧めているところで、残業続き。
家には寝るために帰るような生活をしていて。
やっと話が終わり、これで李凰を好きなだけ堪能できる、と思った日がちょうど2週間ほど前。
有瀬李凰は俺の10個したの高校生で、俺の最愛の男。
恋人やら執着やら、俺が1番嫌っていたはずのモノ。
俺は俺の全てを李凰に向けていたいのに。
取引先の社長…小山田さんは企画の話が終わるとすぐに俺を飲みに連れていてくれたのだが、そこから娘の自慢話が始まり。
しまいには、店に呼んで俺に相手をさせる。
いかにも甘やかされて育ってきたような、我が儘で気の強い女。
胸元がガッツリ開いた服を着て、バラの香水を振り撒いて俺の腕に、胸を押しつけてくる。
初めましてで、その態度はヤベェだろ、と思うようになったのは李凰に本気で恋してからだが、俺はヤベェだろと思った。
今までの俺なら、適当にセックスしてポイだっただろうけど、今の俺は李凰しか見えてないし、李凰じゃないと勃たねぇから。
…それなのに。
「いや~、うちの娘は響くんがいいんだ、と言っていてな。どうだ、悪い女じゃないだろう?いっぺん付き合っては?」
小山田さんまでそう言う始末。
俺は俺だけの李凰でいて欲しいから、誰にも李凰のことは言っていない。
言えば、どんな子だ、だの、写メ見せろ、だの言われるのは目に見えてる。
それからやんわり断り続けるものの、向こうも本気…なのかは知らないが毎日のように俺を呼び出す。
小山田さんは、俺のビジネス用の電話番号を勝手に娘に教えるから、小山田さんからだけじゃなく娘からも来るし。
ただでさえ、李凰不足で死にそうなのに。
「…はぁ、」
俺はでかい溜息をついて、今日も遅い帰宅の連絡を李凰に入れた。
それから数時間、いつもだったら何かしら返事が来るものの、音沙汰はなく…。
既読も付いていなくて俺は急いでGPSを起動すると、李凰は家にいた。
…いるのに、俺に未既読無視?
っつーか、俺が黙って早く帰ればいいだけの話だよな。
もう企画は終わって世間様に発表したし、ちょっとぐらい失礼でも、俺には関係ねぇからな。
「…響さぁん、さっきからスマホ見て、どぉしたんですかぁ?」
腰をくねくねさせて、猫撫で声をしてる娘から腕を抜いた。
「…ん、すみませんが、これ以上はちょっと。俺にも大切にしたい方がいますので、」
俺は荷物を持ってお金を置いて、李凰が待つ家に帰った。
「…さぁ、帰ったらまずはキスして、」
それから、頭がトんで潮吹きするぐらい抱いてやろう、そうかんがえていたのに。
「…李凰?ただいま~、」
家に着くと電気は付いていないけど、寝室のクローゼットは開いてるし、荷物は散らばってるし。
寝室に李凰はいない。
「…風呂場は、濡れてる、」
俺は見当たらない李凰を探していると、まだ李凰が来てすぐの頃に作った李凰の部屋から灯りが漏れていた。
そして…。
「ン"、っぁ、響さ、んっっ!」
李凰の喘ぎ声も。
俺のテンションが一気に下がるのがわかる。
…これはまた躾が必要だなぁ?
俺はドアを開けて中を見ると、座位でディルドをナカに挿れようとしているところだった。
「…はい、そこまで」
そうして、俺は李凰がオナニーしていた理由を聞き出したかったのに。
そう思って手を伸ばすと、李凰はパシッと俺の手を払った。
俺は頭に血が昇って、その場で息をする。
後から風呂場に向かえば、出てるはずの湯気が出てなくて本気で焦った。
中に入ると、案の定冷たい水で浴びていて。
「…っおい!李凰っ!」
急いで名前を呼んだけど、李凰は俺に体重を預けて目を閉じた。
「…ちっ、最悪だ」
「“今日も一杯どうかね?”」
スマホに届いたメッセージを見て思わず舌打ちが漏れる。
俺は2ヶ月ほど前から、このメッセージの送り主とデカい企画を勧めているところで、残業続き。
家には寝るために帰るような生活をしていて。
やっと話が終わり、これで李凰を好きなだけ堪能できる、と思った日がちょうど2週間ほど前。
有瀬李凰は俺の10個したの高校生で、俺の最愛の男。
恋人やら執着やら、俺が1番嫌っていたはずのモノ。
俺は俺の全てを李凰に向けていたいのに。
取引先の社長…小山田さんは企画の話が終わるとすぐに俺を飲みに連れていてくれたのだが、そこから娘の自慢話が始まり。
しまいには、店に呼んで俺に相手をさせる。
いかにも甘やかされて育ってきたような、我が儘で気の強い女。
胸元がガッツリ開いた服を着て、バラの香水を振り撒いて俺の腕に、胸を押しつけてくる。
初めましてで、その態度はヤベェだろ、と思うようになったのは李凰に本気で恋してからだが、俺はヤベェだろと思った。
今までの俺なら、適当にセックスしてポイだっただろうけど、今の俺は李凰しか見えてないし、李凰じゃないと勃たねぇから。
…それなのに。
「いや~、うちの娘は響くんがいいんだ、と言っていてな。どうだ、悪い女じゃないだろう?いっぺん付き合っては?」
小山田さんまでそう言う始末。
俺は俺だけの李凰でいて欲しいから、誰にも李凰のことは言っていない。
言えば、どんな子だ、だの、写メ見せろ、だの言われるのは目に見えてる。
それからやんわり断り続けるものの、向こうも本気…なのかは知らないが毎日のように俺を呼び出す。
小山田さんは、俺のビジネス用の電話番号を勝手に娘に教えるから、小山田さんからだけじゃなく娘からも来るし。
ただでさえ、李凰不足で死にそうなのに。
「…はぁ、」
俺はでかい溜息をついて、今日も遅い帰宅の連絡を李凰に入れた。
それから数時間、いつもだったら何かしら返事が来るものの、音沙汰はなく…。
既読も付いていなくて俺は急いでGPSを起動すると、李凰は家にいた。
…いるのに、俺に未既読無視?
っつーか、俺が黙って早く帰ればいいだけの話だよな。
もう企画は終わって世間様に発表したし、ちょっとぐらい失礼でも、俺には関係ねぇからな。
「…響さぁん、さっきからスマホ見て、どぉしたんですかぁ?」
腰をくねくねさせて、猫撫で声をしてる娘から腕を抜いた。
「…ん、すみませんが、これ以上はちょっと。俺にも大切にしたい方がいますので、」
俺は荷物を持ってお金を置いて、李凰が待つ家に帰った。
「…さぁ、帰ったらまずはキスして、」
それから、頭がトんで潮吹きするぐらい抱いてやろう、そうかんがえていたのに。
「…李凰?ただいま~、」
家に着くと電気は付いていないけど、寝室のクローゼットは開いてるし、荷物は散らばってるし。
寝室に李凰はいない。
「…風呂場は、濡れてる、」
俺は見当たらない李凰を探していると、まだ李凰が来てすぐの頃に作った李凰の部屋から灯りが漏れていた。
そして…。
「ン"、っぁ、響さ、んっっ!」
李凰の喘ぎ声も。
俺のテンションが一気に下がるのがわかる。
…これはまた躾が必要だなぁ?
俺はドアを開けて中を見ると、座位でディルドをナカに挿れようとしているところだった。
「…はい、そこまで」
そうして、俺は李凰がオナニーしていた理由を聞き出したかったのに。
そう思って手を伸ばすと、李凰はパシッと俺の手を払った。
俺は頭に血が昇って、その場で息をする。
後から風呂場に向かえば、出てるはずの湯気が出てなくて本気で焦った。
中に入ると、案の定冷たい水で浴びていて。
「…っおい!李凰っ!」
急いで名前を呼んだけど、李凰は俺に体重を預けて目を閉じた。
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