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「…はい、そこまで」
聞き慣れない低さの声がして、俺は声の方へ目を向ける。
ドアにもたれ掛かった響さんが腕を組んで、スーツのまま俺を見ていた。
俺は響さんをそっとみると、いつもの響さんじゃない。
あの時と一緒…。
お、怒ってる…。
ビクビクしながら、玩具を支えていた手を離すと俺はソレをずぎゅん、とのみこんだ。
「……ぁあ"あ"っ!!」
ぱたた、と俺の前で俺の精子が飛び散って、上はそのままだった響さんのスウェットとシーツを汚す。
すると、響さんが大きく舌打ちをして、俺の方へ歩いてくるのが分かった。
俺はイッた後の脱力感でベッドに横たわる。
そのベッド側に響さんがきて、俺と目線が合うようにしゃがむ。
「…お前、この間俺に言われたこと、忘れたわけ?」
響さんの声は冷たくて痛い。
俺は声が出なくて、フルフルと首を横に振る。
「…じゃあ何?李凰を抱けない俺への当て付け?」
「ちがっ!!」
そんなの1番違うに決まってるのに…。
当て付けてくるのはそっちでしょ。
俺は勝手なことを言う響さんが嫌になって、プイッと反対方向を向く。
「…ちっ、お前マジで何なの?」
今度はさっきより近くで響さんの舌打ちを聞く。
俺、捨てられちゃう、かな。
こんな意地っ張りで可愛げのない男なんて、もう要らないって。
そう思ったら悲しくなってきて、さっきまで興奮してた自分が馬鹿らしい。
虚しい。
すると、俺の体に響さんの腕が伸びてきた。
その時にフワッと女性物の香水の匂いがして、パシッと無意識に払っていた。
「……は?」
「っぁ、ご、ごめんなさ、…お風呂、いってき、ます」
俺は自分の体を綺麗にする口実で、香水を嗅がないように部屋を出てまっすぐ風呂場へ行く。
ザーッとシャワーを出して頭から浴びる。
いつもよりも冷たい温度で、体は寒かったけど辞めたくなかった。
…言いつけ、守れば良かった。
後悔しても遅いのに、響さんに捨てられるくらいなら死んだ方がマシだ。
「……っおい、李凰っ!!」
そう思ってると、中に入ってきた響さんがシャワーの温度を上げる。
これじゃ、熱いぐらいだ。
だけど俺は響さんが来てくれたことが嬉しくて、後ろから俺を支える響さんに体を預けて目を閉じた。
起きたら仲直り、できますように。
…どうか、捨てられませんように。
そう強く願って。
聞き慣れない低さの声がして、俺は声の方へ目を向ける。
ドアにもたれ掛かった響さんが腕を組んで、スーツのまま俺を見ていた。
俺は響さんをそっとみると、いつもの響さんじゃない。
あの時と一緒…。
お、怒ってる…。
ビクビクしながら、玩具を支えていた手を離すと俺はソレをずぎゅん、とのみこんだ。
「……ぁあ"あ"っ!!」
ぱたた、と俺の前で俺の精子が飛び散って、上はそのままだった響さんのスウェットとシーツを汚す。
すると、響さんが大きく舌打ちをして、俺の方へ歩いてくるのが分かった。
俺はイッた後の脱力感でベッドに横たわる。
そのベッド側に響さんがきて、俺と目線が合うようにしゃがむ。
「…お前、この間俺に言われたこと、忘れたわけ?」
響さんの声は冷たくて痛い。
俺は声が出なくて、フルフルと首を横に振る。
「…じゃあ何?李凰を抱けない俺への当て付け?」
「ちがっ!!」
そんなの1番違うに決まってるのに…。
当て付けてくるのはそっちでしょ。
俺は勝手なことを言う響さんが嫌になって、プイッと反対方向を向く。
「…ちっ、お前マジで何なの?」
今度はさっきより近くで響さんの舌打ちを聞く。
俺、捨てられちゃう、かな。
こんな意地っ張りで可愛げのない男なんて、もう要らないって。
そう思ったら悲しくなってきて、さっきまで興奮してた自分が馬鹿らしい。
虚しい。
すると、俺の体に響さんの腕が伸びてきた。
その時にフワッと女性物の香水の匂いがして、パシッと無意識に払っていた。
「……は?」
「っぁ、ご、ごめんなさ、…お風呂、いってき、ます」
俺は自分の体を綺麗にする口実で、香水を嗅がないように部屋を出てまっすぐ風呂場へ行く。
ザーッとシャワーを出して頭から浴びる。
いつもよりも冷たい温度で、体は寒かったけど辞めたくなかった。
…言いつけ、守れば良かった。
後悔しても遅いのに、響さんに捨てられるくらいなら死んだ方がマシだ。
「……っおい、李凰っ!!」
そう思ってると、中に入ってきた響さんがシャワーの温度を上げる。
これじゃ、熱いぐらいだ。
だけど俺は響さんが来てくれたことが嬉しくて、後ろから俺を支える響さんに体を預けて目を閉じた。
起きたら仲直り、できますように。
…どうか、捨てられませんように。
そう強く願って。
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