MY DEAR〜愛していいのは俺だけ〜

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“今日の帰り、遅くなるから先に寝てて”

絵文字も可愛げもない簡素な文面に既読をつけずに見て、家に帰った。

遅くなるって言ってるんだから当たり前なのに、人の気配がない家は少し寂しい。

国原響くにはらひびき。

この家の主であり、俺の恋人様である。

高校3年生になる俺とは10個違いの27歳。

どっかの会社の重役をしてるとかなんとか。

仕事のことはあまり教えてもらえないから分からないけど。

だからこそ、最近の仕事がどう、とかは知らない。

つまり、遅くなる理由は本当に仕事なのかってことも分からない。

最近は帰りも遅いし休みの日も出勤してるようで、2人の時間はない。

俺は響さんに甘えてここに住んでるけど、もしかしたらもう俺には飽きたのかも、なんて思いながら部屋に入った。

今日は学校で嫌な事があったせいも重なって響さんの帰りが遅い事にもムシャクシャして。

俺は荷物を部屋に置いて風呂に向かった。

リビングの電気も廊下の電気もつけないで薄暗い中を歩く。

「そういえば、あの日もこんな気分だったけ」

響さんに拾われた日もどんよりしていて沼に沈んでいくような気分だった。

俺は響さんを求めてるのに、響さんは同じ量を返してくれない。

否、端から同じ量は返すつもりなど無かったのか。

寂しくなったのか、はたまた別の何かが俺の熱に火をつけた。

段々と頭を上げる俺の息子にそっと手を這わせ、少し触ってみる。

実はこういう風に自分で慰めるという行為はだいぶ久しぶりで、少しビクビクしていたものの、触ってしまえば快感を欲して強く早く上下する。

「…っ、ン"」

シャワーの音に隠れて、俺の声が小さく漏れて。

風呂場だからか、響いている。