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4 弓掛川   きゅうり

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 みずほは三年生担任の加子母にコンテストの課題レポートをなんとか提出した。

加子母は生徒ひとりひとりから受け取ると、だまって簿冊にチェックしはじめた


 学生は各々調理の準備をし始めている
コンテストにかけているといった真剣な面持ちであった。

 コンテストは

「野菜を使った、地域名物を創生させる」というテーマだった。

 加子母は生徒たちに

「料理で人に感動を与える、若々しい作品を期待しています、実力を遺憾無く発揮してください」と声をかけた。
 
 その言葉を聞いて学生は野菜の調理にはいる

みずほの学校の調理科は
一学年は約40名ほどで、

 コンテストは学年は関係ないオープン参加だった。

 調理科117名中5名が学校の代表として参加できることとなっていた。

 みずほもコンテスト本選に何回か出場したことはあったが
入賞するのがやっとの成績であった。

 千草が隣の席からみずほの準備を見て慌てて声をかけてきた。

「みず、何作るつもり?、材料きゅうりだけ??私の野菜使いな、成績もつくよ、あんたコンテスト捨ててるの?」

「いや、捨ててるわけではないけど、、、野菜って難しいよね」

「わかるけど、それ、」

「レポート何つくるつもりで出してる??
少しぐらいいじれる?」


「一応きゅうりのオランダ煮つくるつもりで、時間なくてひねりだしたんだけど、、、」


「オランダ煮って、煮浸しみたいなやつ??きゅうりだけで?ナスとかじゃないの?」


「うん、きゅうりでも美味しくできるんだよ



「うーん、なんともいえないけど、彩りとかよくないんじゃない?、私のとっておきのトマトあげるからそれも含めて考えて」


「トマトありがとう、そのままオランダ煮に入れようかなー」


「任せる、でも私、みずほとこのコンテスト一緒に選ばれたいから、頑張って欲しいんだよね、みずほの料理好きだし」


「わかった、私も千草のワイルドな料理好きだよ、心配かけてごめんね」


「ワイルドじゃねーし  笑 」

みずほはきゅうりを素早く切った

「トントントントン」

手際は悪くない、何の迷いもない、ただきゅうりを切るだけ、

それからトマトも切った。

「ストン」

みずほは千草に言われた通り、オランダ煮はやはり色が足らないと考え直した。


調理が終わり、教師の採点をうけるために出来上がった料理を運んだ。

加子母はレポートと料理の出来栄えを確認し、少し質問をして、箸をつけるといったことを繰り返し、簿冊にメモした。

みずほの番になった加子母は同じようにレポートを見て質問した。

「きゅうりのオランダ煮じゃないんですか?」


「やめました、きゅうりが緑で、、、あんまり色が緑すぎて良くなかったもので」

加子母が
「えっ、きゅうりもともと緑ですよ、あまり考えてこなかったの?」

「まあいいでしょう、で、これは?何ですか?」


「ふー、きゅうりとトマトの中華風サラダです」
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