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朗読・詩の章

エネルギー問題

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エネルギー問題は重要だった。
この国では太陽光発電が主流だったが、あまのじゃくがいた。どこにでもそういう変わり者がいるものである。
 
 光からエネルギーを得られるのなら闇からも得られるはずだ!と考える天才が現れた。どういうシステムなのか常人には理解できないが彼は成し遂げた。本当に闇からエネルギーを取り出したのである。
 
 彼が改良したソーラーパネルを闇に一定時間さらしておくとエネルギーを溜められる。
 彼はその発明品をダークパネルと名付けた。なんの工夫もない名前だったが革命的であった。

 世の中は太陽光発電全盛期。ところかまわずソーラーパネルは設置され太陽光をもとめ発電していた。彼の発明品は見向きもされなかった。彼の新技術に対し出資する者も理解を示す者もいなかった。彼に研究施設を貸す者もなかった。

「しょうがないな。掘るか」
 天才はとりあえず地面を掘ってみた。暗闇を求めて。

「まあ、とりあえず掘ったはいいが、入口からやっぱり光が入るな……」
 そう言って入口を塞ぎ始めた。闇を作るためだ仕方ないだろう。真っ暗な闇が作られ始めた。
 それ以来、彼の姿を見たものはいない。
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