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【本編】永遠の旅人
01 トリップではなくジャンプ
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「君」
高校からの帰り道だった。
人波に流されるようにして、椎名達也が横断歩道を歩いていると、背後からそんな声が聞こえた。
基本的に、達也は一人で登下校している。
一人っ子のせいなのか、昔から集団行動が苦手で、高校に入学してからは迷わず帰宅部を選んだ。友人と言えそうなクラスメイトは何人かいるが、校外で彼らと同じ時間を過ごしたことはほとんどない。
実は彼らには、おまえみたいな童顔が一人歩きしていたら危ないだろうと心配されている。しかし、実際そのような目に遭ったことのない達也の対人警戒心は、驚くほど低かった。
したがって、このときも特に何も考えず、声のしたほうを振り返ったのだった。
「俺?」
外人が、いた。
背が高い。一九〇センチメートルはゆうにあるだろう。黒革のコート姿で、まばゆい金髪を長く伸ばし、ゆるく一束にまとめて肩に流している。くわえて、その顔の造作はきわだって整っていた。
「ああ、君だよ」
とろけるような笑みをこぼして男は言った。
瞳の青は南の海の色によく似ていた。その青に引きずりこまれそうになったとき。
「ちょっと失礼」
おどけたように男は囁くと、達也の腕をつかみ、強引に抱き寄せた。
とっさに達也は突き飛ばそうとしたが、男の腕は見かけ以上に力強くてかなわなかった。
どこか遠くで、車が急ブレーキをかける音がした。
それとほとんど同時に起こる悲鳴。ざわめき。
だが、男にしっかりと抱えこまれていた達也には、何が起こったのか確かめることもできなかった。
どのくらいそうしていただろう。
「ついたよ」
そう言って、ようやく男は達也を解放した。
「……ついた?」
反射的に達也は周囲を見た。
その口が半開きになり、茶に近い瞳が大きく見張られるのに、さして時間はかからなかった。
「な……ど、どこだよ、ここ!」
「未来だよ。君にとってはね」
涼しい顔で男は言った。
「未来って……あんた何……」
このときになって、ようやく達也は男が日本語を使って話していることに気がついた。今まで、そんな余裕もなかったのだ。
達也たちがいたのは、部屋の真ん中に白いソファセットがあるきりの、殺風景な応接室の中だった。さして広くもなく、窓もない。
(これのどこが〝未来〟?)
達也はそう思ったが、男は実際に問われたことを答えた。
「そうそう。自己紹介がまだだったね。私はライアン・キーツ。姓がライアンで、名前がキーツ。君の国と同じだよ」
「……普通、逆じゃあ……」
「こちらのほうが合理的なのでね、達也」
納得しかけて、達也はぱっと男――ライアンを見上げた。
「な、なんで名前……!」
「知っているのかって? そりゃあ君、教えてもらったことがあるからだよ」
真面目な顔でライアンが言う。
「まあ、とりあえずソファに座って。今、事情を説明するから」
ライアンはコートを脱ぐと、それをソファの背に引っかけて、腰を下ろした。
コートの下には、やはり黒の詰襟に似た服を着ていた。制服なのだろうか。襟元と袖口には金色の留め具がついている。
「う、うん……」
とまどいながらも、達也はライアンの向かいのソファに座った。
「……どこから話そうか、さっきから悩んでいたんだがね……」
口元に手を当てて、考え深げにライアンは切り出した。
「まず、なぜ私が君を知っているのか、その理由を言おうか。君が時間跳躍者――タイム・ジャンパーだからだ」
「タ……何?」
「タイム・ジャンパー。ようするに、タイム・ジャンプ――過去へ行ったり未来へ行ったりが自由にできる人間のことだ。今のところ、私たちが把握できているのは、君を入れてたった九人だけだよ」
「そんな馬鹿な……俺がそんな……冗談だろ?」
達也は信じられなくて笑ったが、ライアンはにこりともせずに言った。
「冗談じゃない」
「…………」
「もっとも、こんな話を突然されて、すぐに信じるほうがどうかしているがね」
ライアンはくすりと笑って、左目でウィンクをした。
その顔を見て、達也は我知らずほっとしたが。
「この世界はね、達也。君のいた時代から数えて、少なくとも一〇〇〇年以上先だ」
「一〇〇〇年!?」
思わず達也は声を上げた。達也の想像をはるかに超えている。
「そう。少なくとも一〇〇〇年以上」
「少なくともって……正確にわかんないの?」
何となく達也が訊ねると、ライアンは初めて驚いた顔をしたが、さる事情があってね、と苦笑しながら答えた。
「このことはいつかちゃんと説明してあげる。とにかく、この世界では君のようなタイム・ジャンパーでなくとも、これさえあればどの時代へも行けるんだ」
ライアンは自分の左手首を達也に見せた。黒い腕時計のようなものがはまっている。
――よく見てみてもやはりそれは、デジタル表示の腕時計にしか見えなかった。
「こんなんで、本当に行けんの?」
童顔を思いきり歪めて睨んだが、ライアンはまったく頓着しなかった。
「行けるとも。現に今、これを使って行って戻ってきたんだ。だが、それで非常に困った問題が起こった。……達也。君は『因果律』というのを知っているかい?」
「インガリツ?」
達也は首をひねった。そんな言葉、今まで聞いたことがない。
「……知らないみたいだね。まあ、簡単に言うと、すべての現象には必ずそれが起こった原因があるということだ。たとえば、いま君がここにいるのは、私がここに君を連れてきたからであって、私が連れてこなければ、今ここに君はいない。……ここまではわかるね?」
「うーん。……何とか」
こみいった話は苦手な達也は、引きつった笑みを浮かべた。
「その様子だと、『親殺しのパラドックス』も知らなさそうだね。わりと有名な話だと思うんだけど」
ライアンは呆れたように、しかし優しく笑った。
「『親殺しのパラドックス』?」
「そう。いろいろパターンはあるが、大筋は、もし過去に戻って、自分が生まれる前の自分の片親を殺してしまったら、自分はいったいどうなるか、だ。この場合、親はいないのだから自分が生まれるはずはない。しかし、その親を殺したのは自分だ。親殺しの自分はいったい誰から生まれてきたことになる?」
「ちょ、ちょっと待った、頭が……」
話についていけなくなった達也は、とうとう頭を抱えこんでしまった。
「ほら、真剣に考えれば考えるほどわからなくなってくるだろう? これがいわゆる『因果律の破れ』の典型例だ。因果律は絶対だから、それゆえに過去への時間旅行はできないという説もあった。が、私たちはその答えを我が身をもって知ってしまった」
ライアンの暗い口調に、達也は頭から手を離して顔を上げた。
「……どうなるの? 親を殺した瞬間に自分も消えちゃう?」
「そうだったら本当によかったんだけどねえ」
ライアンは自嘲めいた笑みをもらした。
「親を殺しても自分は消えない。それどころか、再び元の時代に戻ったら、そこには自分がいるかもしれない」
「……え?」
意味がわからず、達也は眉をひそめて首をかしげた。
「『多世界解釈』。SFでは『並行世界』とも言われているね。複数の世界が同時並行的に存在しているという考え方だ。
過去へ時間旅行した者は、過去へ跳んだ瞬間に、自分がいた世界の因果律からはずれた存在になってしまう。つまり、過去の自分の親を殺したつもりでも、実際には別世界の自分の親を殺したことになるから、自分が消えることはない。
だが、一度この因果律からはずれてしまうと、自分がいた世界には二度と戻れなくなる。今度はその別世界の因果律に縛られて、元の時代に戻ろうとしても、その別世界の未来にしか跳べなくなるんだ。その未来では、いかなる運命の悪戯か、違う親から生まれてきた自分そっくりな人間がいるかもしれないし、いないかもしれない」
「うー、何だかよくわかんないけど、とにかく過去には戻るなってこと?」
苦しまぎれに達也がそう言うと、ライアンは少し感心したような表情を見せた。
「君、わからないと言っているわりに核心を突くじゃないか。そのとおり、もう一度元の世界に戻るつもりでいるなら、過去への時間旅行は決してしてはいけない。もっとも、ほとんどのタイム・ジャンパーは、いくら過去にジャンプしても、元の世界に戻れるんだがね」
「……ん? じゃあ俺、もう元の世界には戻れないってこと?」
ライアンがここは未来だと言ったのを思い出して、達也は一気に血の気が引いた。
「いやいや、ここから戻るなら大丈夫。そのためにここは作られたんだ。安心しなさい」
笑いを噛み殺しながらライアン。
「作られた?」
「そう。ここは過去へ跳んで〝家なき子〟になってしまった時間旅行者たちによって人工的に作られた世界。因果律からはずれているから、過去から戻ってもここは不変。安易なネーミングだが、我々はここを〝〈時間旅行者協会〉本部〟と呼んでいるよ」
高校からの帰り道だった。
人波に流されるようにして、椎名達也が横断歩道を歩いていると、背後からそんな声が聞こえた。
基本的に、達也は一人で登下校している。
一人っ子のせいなのか、昔から集団行動が苦手で、高校に入学してからは迷わず帰宅部を選んだ。友人と言えそうなクラスメイトは何人かいるが、校外で彼らと同じ時間を過ごしたことはほとんどない。
実は彼らには、おまえみたいな童顔が一人歩きしていたら危ないだろうと心配されている。しかし、実際そのような目に遭ったことのない達也の対人警戒心は、驚くほど低かった。
したがって、このときも特に何も考えず、声のしたほうを振り返ったのだった。
「俺?」
外人が、いた。
背が高い。一九〇センチメートルはゆうにあるだろう。黒革のコート姿で、まばゆい金髪を長く伸ばし、ゆるく一束にまとめて肩に流している。くわえて、その顔の造作はきわだって整っていた。
「ああ、君だよ」
とろけるような笑みをこぼして男は言った。
瞳の青は南の海の色によく似ていた。その青に引きずりこまれそうになったとき。
「ちょっと失礼」
おどけたように男は囁くと、達也の腕をつかみ、強引に抱き寄せた。
とっさに達也は突き飛ばそうとしたが、男の腕は見かけ以上に力強くてかなわなかった。
どこか遠くで、車が急ブレーキをかける音がした。
それとほとんど同時に起こる悲鳴。ざわめき。
だが、男にしっかりと抱えこまれていた達也には、何が起こったのか確かめることもできなかった。
どのくらいそうしていただろう。
「ついたよ」
そう言って、ようやく男は達也を解放した。
「……ついた?」
反射的に達也は周囲を見た。
その口が半開きになり、茶に近い瞳が大きく見張られるのに、さして時間はかからなかった。
「な……ど、どこだよ、ここ!」
「未来だよ。君にとってはね」
涼しい顔で男は言った。
「未来って……あんた何……」
このときになって、ようやく達也は男が日本語を使って話していることに気がついた。今まで、そんな余裕もなかったのだ。
達也たちがいたのは、部屋の真ん中に白いソファセットがあるきりの、殺風景な応接室の中だった。さして広くもなく、窓もない。
(これのどこが〝未来〟?)
達也はそう思ったが、男は実際に問われたことを答えた。
「そうそう。自己紹介がまだだったね。私はライアン・キーツ。姓がライアンで、名前がキーツ。君の国と同じだよ」
「……普通、逆じゃあ……」
「こちらのほうが合理的なのでね、達也」
納得しかけて、達也はぱっと男――ライアンを見上げた。
「な、なんで名前……!」
「知っているのかって? そりゃあ君、教えてもらったことがあるからだよ」
真面目な顔でライアンが言う。
「まあ、とりあえずソファに座って。今、事情を説明するから」
ライアンはコートを脱ぐと、それをソファの背に引っかけて、腰を下ろした。
コートの下には、やはり黒の詰襟に似た服を着ていた。制服なのだろうか。襟元と袖口には金色の留め具がついている。
「う、うん……」
とまどいながらも、達也はライアンの向かいのソファに座った。
「……どこから話そうか、さっきから悩んでいたんだがね……」
口元に手を当てて、考え深げにライアンは切り出した。
「まず、なぜ私が君を知っているのか、その理由を言おうか。君が時間跳躍者――タイム・ジャンパーだからだ」
「タ……何?」
「タイム・ジャンパー。ようするに、タイム・ジャンプ――過去へ行ったり未来へ行ったりが自由にできる人間のことだ。今のところ、私たちが把握できているのは、君を入れてたった九人だけだよ」
「そんな馬鹿な……俺がそんな……冗談だろ?」
達也は信じられなくて笑ったが、ライアンはにこりともせずに言った。
「冗談じゃない」
「…………」
「もっとも、こんな話を突然されて、すぐに信じるほうがどうかしているがね」
ライアンはくすりと笑って、左目でウィンクをした。
その顔を見て、達也は我知らずほっとしたが。
「この世界はね、達也。君のいた時代から数えて、少なくとも一〇〇〇年以上先だ」
「一〇〇〇年!?」
思わず達也は声を上げた。達也の想像をはるかに超えている。
「そう。少なくとも一〇〇〇年以上」
「少なくともって……正確にわかんないの?」
何となく達也が訊ねると、ライアンは初めて驚いた顔をしたが、さる事情があってね、と苦笑しながら答えた。
「このことはいつかちゃんと説明してあげる。とにかく、この世界では君のようなタイム・ジャンパーでなくとも、これさえあればどの時代へも行けるんだ」
ライアンは自分の左手首を達也に見せた。黒い腕時計のようなものがはまっている。
――よく見てみてもやはりそれは、デジタル表示の腕時計にしか見えなかった。
「こんなんで、本当に行けんの?」
童顔を思いきり歪めて睨んだが、ライアンはまったく頓着しなかった。
「行けるとも。現に今、これを使って行って戻ってきたんだ。だが、それで非常に困った問題が起こった。……達也。君は『因果律』というのを知っているかい?」
「インガリツ?」
達也は首をひねった。そんな言葉、今まで聞いたことがない。
「……知らないみたいだね。まあ、簡単に言うと、すべての現象には必ずそれが起こった原因があるということだ。たとえば、いま君がここにいるのは、私がここに君を連れてきたからであって、私が連れてこなければ、今ここに君はいない。……ここまではわかるね?」
「うーん。……何とか」
こみいった話は苦手な達也は、引きつった笑みを浮かべた。
「その様子だと、『親殺しのパラドックス』も知らなさそうだね。わりと有名な話だと思うんだけど」
ライアンは呆れたように、しかし優しく笑った。
「『親殺しのパラドックス』?」
「そう。いろいろパターンはあるが、大筋は、もし過去に戻って、自分が生まれる前の自分の片親を殺してしまったら、自分はいったいどうなるか、だ。この場合、親はいないのだから自分が生まれるはずはない。しかし、その親を殺したのは自分だ。親殺しの自分はいったい誰から生まれてきたことになる?」
「ちょ、ちょっと待った、頭が……」
話についていけなくなった達也は、とうとう頭を抱えこんでしまった。
「ほら、真剣に考えれば考えるほどわからなくなってくるだろう? これがいわゆる『因果律の破れ』の典型例だ。因果律は絶対だから、それゆえに過去への時間旅行はできないという説もあった。が、私たちはその答えを我が身をもって知ってしまった」
ライアンの暗い口調に、達也は頭から手を離して顔を上げた。
「……どうなるの? 親を殺した瞬間に自分も消えちゃう?」
「そうだったら本当によかったんだけどねえ」
ライアンは自嘲めいた笑みをもらした。
「親を殺しても自分は消えない。それどころか、再び元の時代に戻ったら、そこには自分がいるかもしれない」
「……え?」
意味がわからず、達也は眉をひそめて首をかしげた。
「『多世界解釈』。SFでは『並行世界』とも言われているね。複数の世界が同時並行的に存在しているという考え方だ。
過去へ時間旅行した者は、過去へ跳んだ瞬間に、自分がいた世界の因果律からはずれた存在になってしまう。つまり、過去の自分の親を殺したつもりでも、実際には別世界の自分の親を殺したことになるから、自分が消えることはない。
だが、一度この因果律からはずれてしまうと、自分がいた世界には二度と戻れなくなる。今度はその別世界の因果律に縛られて、元の時代に戻ろうとしても、その別世界の未来にしか跳べなくなるんだ。その未来では、いかなる運命の悪戯か、違う親から生まれてきた自分そっくりな人間がいるかもしれないし、いないかもしれない」
「うー、何だかよくわかんないけど、とにかく過去には戻るなってこと?」
苦しまぎれに達也がそう言うと、ライアンは少し感心したような表情を見せた。
「君、わからないと言っているわりに核心を突くじゃないか。そのとおり、もう一度元の世界に戻るつもりでいるなら、過去への時間旅行は決してしてはいけない。もっとも、ほとんどのタイム・ジャンパーは、いくら過去にジャンプしても、元の世界に戻れるんだがね」
「……ん? じゃあ俺、もう元の世界には戻れないってこと?」
ライアンがここは未来だと言ったのを思い出して、達也は一気に血の気が引いた。
「いやいや、ここから戻るなら大丈夫。そのためにここは作られたんだ。安心しなさい」
笑いを噛み殺しながらライアン。
「作られた?」
「そう。ここは過去へ跳んで〝家なき子〟になってしまった時間旅行者たちによって人工的に作られた世界。因果律からはずれているから、過去から戻ってもここは不変。安易なネーミングだが、我々はここを〝〈時間旅行者協会〉本部〟と呼んでいるよ」
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