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「〝私〟が一人減った」
ある日、彼の幽魔王が言った。
「今朝、私のところにも魂が来た。もともと一つの魂が分かれたものだ。器を借りることをやめれば、他の魂と融合するしかあるまい」
幽魔王の言葉は淡々としていたが彼は驚倒した。幽魔王の数が減るなど前代未聞のことである。
「いったいどこの幽魔王だ? なぜ〈転生〉をやめた?」
しかし、幽魔王はそれについては答えなかった。答えたくなかったのだろう。
彼と同様、各地の妖魔王もそれぞれの幽魔王の口からそのことを知ったようだ。年に一度の会合以外、互いに会うことのない妖魔王全員に非常召集がかけられ、彼らは人界と魔界の狭間の〝場〟に集った。
「死んだのは〝二十一番〟だった」
妖魔王の中でも古株の一人が、おもむろに口を開いた。かつて〝三魔王〟制度を提案した魔族でもある。
彼らにもそれぞれ〝本名〟はあるが、血縁者か極めて親しい間柄の者しか知ることはない。そのため、魔族も精霊族も例外なく〝通り名〟を持ち、それを名乗っている。この古株の妖魔王にも当然それはあったが、ここでは仮にAとしよう。
独自の情報網を持つAは、常に誰よりも先に事態を知る。はっきりと取り決めたわけではなかったし、彼らも認めたくはなかったが、妖魔王の実質的な長はこのAであった。
「何ゆえに?」
と、妖魔王B。Bもまた古株の一人であるが、長の座を狙うには少し荷が勝ちすぎた。
「それに、肝心の×××(〝二十一番〟の妖魔王の〝通り名〟だったが、人にはとても発音できないものだった。幽魔王にもおそらく無理だっただろう)は? 奴こそその理由をいちばんよく知っていように?」
「とても話せる状態ではない」
重くAは答えた。
「奴は狂った。近くにいた人間も魔族も見境なく食い殺したのだ。今は奴の精魔王が作った結界の中に封じこめられている。あれではもう正気には戻らんかもしれん。そのときは――我らの手で殺してやるしかあるまい」
信じられないという呻きが〝場〟に満ちた。幽魔王が〝死んだ〟ことにではない。〝二十一番〟の妖魔王がそのように〝狂った〟ということが信じられなかったのだ。
同じ〝妖魔王〟と呼ばれていても、その資質や性格は様々である。〝二十一番〟の妖魔王は、短気で荒っぽい者が多い妖魔王たちの中で、滅多に感情を表に出すことのない冷静沈着な魔族として異彩を放っていた。
他の妖魔王のように幽魔王に対する執着心も見せなかったため、彼は幽魔王に心を奪われてはいないのではないか――ただ、幽魔王の監視という妖魔王の本来の任務を果たしているだけではないのかと、少しばかりの軽蔑もこめて仲間内で囁かれていたのだ。
ゆえに、〝二十一番〟の幽魔王が死んだと知った瞬間、彼らが思ったのは、あの妖魔王ならば案外平然としているのではないか――むしろ、厄介な仕事から解放されてほっとしているのではないかということだった。まさか、人間ばかりか同族まで殺してしまうほど狂ってしまっていたとは、彼らは考えもしていなかった。
魔族が〝狂う〟ことは存外少ない。それは人間の領分だ。魔族は己の欲求のままに生きることをよしとしているし、またそのとおり生きることもできる。それでもなお魔族が狂うとき――それは自分が最も愛する者を失ったときだった。
では、あの妖魔王も幽魔王を愛していたのか。誰よりも冷静でいながら、誰よりも熱烈に。
彼は不思議な感動に似たものに打たれた。かなわないと思った。あの妖魔王がそれほど深い想いを抱えていたなど、彼にはまったくわからなかった。他の妖魔王も同じだろう。だが、〝死んだ〟幽魔王はそのことを知っていたのだろうか。
「奴の精魔王の話では――」
ざわめきが収まりかけたところを見計らって、Aが再び口を切った。
「幽魔王は〝自殺〟したのではないかということだ」
〝自殺〟。
一瞬にして一同は凍りついた。
幽魔王が自分の意志で〈転生〉をやめたのなら、それは実質〝自殺〟に等しいのに、彼らはAにそう言われるまでそのことに気づかなかった。――否。気づかないふりをしていた。
「なぜ?」
皆を代表してそう問い返したのは、やはり古株の一人であるCだった。
Aは苦々しげに顔を歪めた。できることなら一生口にしたくないとでも言いたげに。
「人間のせい、だそうだ」
「人間?」
「そうだ。死んだ幽魔王は、一人の人間にいつになく執着していたそうだ。そして、その人間が昨日死んだ。――おそらく、もう二度とこんな思いはしたくないと、自ら器を捨てたのだろう。精魔王はそう言っていた」
――やはり。
誰も口には出さなかったが、互いにそう思っていることはありありとわかった。
いつかこんなことが起こるのではないかと、ずっと危惧していた。
孤独を宿命づけられた幽魔王は、それを癒そうとするかのように、人の多い場所で暮らすことを好んだ。
人が多ければ人の種類も増える。たいていの人間は、一時、幽魔王の人並みはずれた美貌に惹かれても、その者が人間ではないこと――魂を食らって生きていることを感じとって逃げ去っていくのだが、逆に近づいてくる人間もごく少数ながら存在する。そういう人間には魔族の血が混じっていたりするのだが、それはともかく、もともと人間好きの幽魔王が拒めるはずもない。
妖魔王たちはそれを苦々しく思いながらも、幽魔王に面と向かって言うことはできなかった。幽魔王に疎まれたくないというのもあったが、しょせん、人間の生など須臾の間である。それで幽魔王の孤独がいくらか紛れるなら、少しばかり目をつぶってやろうと考えたのだ。
加えて、幽魔王が人間に好意を示すことはあっても、いわゆる恋愛感情――魔族が幽魔王を恋うるような――を持ったことはない(ように見えた)ことも、妖魔王たちを油断させる原因の一つとなった。
とはいえ、幽魔王には気づかれぬよう、〝監視〟は怠りなく続けられていた。もともとそれが本来の役目なのだから。
それは〝二十一番〟の妖魔王も同じだったはずだ。だが、幽魔王が〝自殺〟してしまうとまでは予期していなかったのではないか。
彼は猛烈な後悔に駆られただろう。そして、狂うしかなかっただろう。人界を維持することよりも、たった一人の人間の後を追うことのほうを幽魔王は選んだのだから。
もし自分の幽魔王がそんなことになったらと想像してみようとして、彼は愕然とした。
――想像できない。彼の頭は、たとえ仮定であっても、意識に上らせることすら認めようとしないのだった。彼ばかりでなく、どの妖魔王にも、次の〝二十一番〟になる可能性は十二分にあるというのに。
「幽魔王の数が減れば、その分、幽魔王一人一人の負担が増える」
長い沈黙の後、Aはそう切り出した。
「つまり、その分、多くの魂を消さねばならぬということだ。あれが己の役目を嫌っているのは、皆もよう知っていよう。これ以上、幽魔王の数は減らしてはならぬ。――幽魔王に人間を愛させてはならぬのだ」
それは飛躍であった。
しかし、妖魔王たちにとっては、当然の帰結であった。
人間以外に、幽魔王が愛するものはないのだから。
ある日、彼の幽魔王が言った。
「今朝、私のところにも魂が来た。もともと一つの魂が分かれたものだ。器を借りることをやめれば、他の魂と融合するしかあるまい」
幽魔王の言葉は淡々としていたが彼は驚倒した。幽魔王の数が減るなど前代未聞のことである。
「いったいどこの幽魔王だ? なぜ〈転生〉をやめた?」
しかし、幽魔王はそれについては答えなかった。答えたくなかったのだろう。
彼と同様、各地の妖魔王もそれぞれの幽魔王の口からそのことを知ったようだ。年に一度の会合以外、互いに会うことのない妖魔王全員に非常召集がかけられ、彼らは人界と魔界の狭間の〝場〟に集った。
「死んだのは〝二十一番〟だった」
妖魔王の中でも古株の一人が、おもむろに口を開いた。かつて〝三魔王〟制度を提案した魔族でもある。
彼らにもそれぞれ〝本名〟はあるが、血縁者か極めて親しい間柄の者しか知ることはない。そのため、魔族も精霊族も例外なく〝通り名〟を持ち、それを名乗っている。この古株の妖魔王にも当然それはあったが、ここでは仮にAとしよう。
独自の情報網を持つAは、常に誰よりも先に事態を知る。はっきりと取り決めたわけではなかったし、彼らも認めたくはなかったが、妖魔王の実質的な長はこのAであった。
「何ゆえに?」
と、妖魔王B。Bもまた古株の一人であるが、長の座を狙うには少し荷が勝ちすぎた。
「それに、肝心の×××(〝二十一番〟の妖魔王の〝通り名〟だったが、人にはとても発音できないものだった。幽魔王にもおそらく無理だっただろう)は? 奴こそその理由をいちばんよく知っていように?」
「とても話せる状態ではない」
重くAは答えた。
「奴は狂った。近くにいた人間も魔族も見境なく食い殺したのだ。今は奴の精魔王が作った結界の中に封じこめられている。あれではもう正気には戻らんかもしれん。そのときは――我らの手で殺してやるしかあるまい」
信じられないという呻きが〝場〟に満ちた。幽魔王が〝死んだ〟ことにではない。〝二十一番〟の妖魔王がそのように〝狂った〟ということが信じられなかったのだ。
同じ〝妖魔王〟と呼ばれていても、その資質や性格は様々である。〝二十一番〟の妖魔王は、短気で荒っぽい者が多い妖魔王たちの中で、滅多に感情を表に出すことのない冷静沈着な魔族として異彩を放っていた。
他の妖魔王のように幽魔王に対する執着心も見せなかったため、彼は幽魔王に心を奪われてはいないのではないか――ただ、幽魔王の監視という妖魔王の本来の任務を果たしているだけではないのかと、少しばかりの軽蔑もこめて仲間内で囁かれていたのだ。
ゆえに、〝二十一番〟の幽魔王が死んだと知った瞬間、彼らが思ったのは、あの妖魔王ならば案外平然としているのではないか――むしろ、厄介な仕事から解放されてほっとしているのではないかということだった。まさか、人間ばかりか同族まで殺してしまうほど狂ってしまっていたとは、彼らは考えもしていなかった。
魔族が〝狂う〟ことは存外少ない。それは人間の領分だ。魔族は己の欲求のままに生きることをよしとしているし、またそのとおり生きることもできる。それでもなお魔族が狂うとき――それは自分が最も愛する者を失ったときだった。
では、あの妖魔王も幽魔王を愛していたのか。誰よりも冷静でいながら、誰よりも熱烈に。
彼は不思議な感動に似たものに打たれた。かなわないと思った。あの妖魔王がそれほど深い想いを抱えていたなど、彼にはまったくわからなかった。他の妖魔王も同じだろう。だが、〝死んだ〟幽魔王はそのことを知っていたのだろうか。
「奴の精魔王の話では――」
ざわめきが収まりかけたところを見計らって、Aが再び口を切った。
「幽魔王は〝自殺〟したのではないかということだ」
〝自殺〟。
一瞬にして一同は凍りついた。
幽魔王が自分の意志で〈転生〉をやめたのなら、それは実質〝自殺〟に等しいのに、彼らはAにそう言われるまでそのことに気づかなかった。――否。気づかないふりをしていた。
「なぜ?」
皆を代表してそう問い返したのは、やはり古株の一人であるCだった。
Aは苦々しげに顔を歪めた。できることなら一生口にしたくないとでも言いたげに。
「人間のせい、だそうだ」
「人間?」
「そうだ。死んだ幽魔王は、一人の人間にいつになく執着していたそうだ。そして、その人間が昨日死んだ。――おそらく、もう二度とこんな思いはしたくないと、自ら器を捨てたのだろう。精魔王はそう言っていた」
――やはり。
誰も口には出さなかったが、互いにそう思っていることはありありとわかった。
いつかこんなことが起こるのではないかと、ずっと危惧していた。
孤独を宿命づけられた幽魔王は、それを癒そうとするかのように、人の多い場所で暮らすことを好んだ。
人が多ければ人の種類も増える。たいていの人間は、一時、幽魔王の人並みはずれた美貌に惹かれても、その者が人間ではないこと――魂を食らって生きていることを感じとって逃げ去っていくのだが、逆に近づいてくる人間もごく少数ながら存在する。そういう人間には魔族の血が混じっていたりするのだが、それはともかく、もともと人間好きの幽魔王が拒めるはずもない。
妖魔王たちはそれを苦々しく思いながらも、幽魔王に面と向かって言うことはできなかった。幽魔王に疎まれたくないというのもあったが、しょせん、人間の生など須臾の間である。それで幽魔王の孤独がいくらか紛れるなら、少しばかり目をつぶってやろうと考えたのだ。
加えて、幽魔王が人間に好意を示すことはあっても、いわゆる恋愛感情――魔族が幽魔王を恋うるような――を持ったことはない(ように見えた)ことも、妖魔王たちを油断させる原因の一つとなった。
とはいえ、幽魔王には気づかれぬよう、〝監視〟は怠りなく続けられていた。もともとそれが本来の役目なのだから。
それは〝二十一番〟の妖魔王も同じだったはずだ。だが、幽魔王が〝自殺〟してしまうとまでは予期していなかったのではないか。
彼は猛烈な後悔に駆られただろう。そして、狂うしかなかっただろう。人界を維持することよりも、たった一人の人間の後を追うことのほうを幽魔王は選んだのだから。
もし自分の幽魔王がそんなことになったらと想像してみようとして、彼は愕然とした。
――想像できない。彼の頭は、たとえ仮定であっても、意識に上らせることすら認めようとしないのだった。彼ばかりでなく、どの妖魔王にも、次の〝二十一番〟になる可能性は十二分にあるというのに。
「幽魔王の数が減れば、その分、幽魔王一人一人の負担が増える」
長い沈黙の後、Aはそう切り出した。
「つまり、その分、多くの魂を消さねばならぬということだ。あれが己の役目を嫌っているのは、皆もよう知っていよう。これ以上、幽魔王の数は減らしてはならぬ。――幽魔王に人間を愛させてはならぬのだ」
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しかし、妖魔王たちにとっては、当然の帰結であった。
人間以外に、幽魔王が愛するものはないのだから。
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