ポン・すけ 日記

詩悠

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悪いのはダレ?

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 ハナが走ってきたとおもったら、座布団に突っ伏して大声で泣きだしたわ。

 うるさいから離れておくことにするわ。

「どうしたの?」

 お姉ちゃんがハナの泣き声を聞きつけて、声をかけているわ。

「にぃにぃがぁ、バシって!!」

 ハナが腕を叩く真似をしているようね。

「痛かったね。にぃにぃに叩かれたの?」

「そう!!」

 ハナが腕を突き出して見せているわ。

「腕は赤くはなってないね。 どうして叩かれたの?」


「?」

 ハナが首をかしげているわ。お姉ちゃんはその様子をじっと見ているようね。

「どうして叩かれたのか分からないのね?」

 ハナにもう一度、確認してから、お姉ちゃんはユウを呼んでるわ。ユウはふて腐れた態度でお姉ちゃんのところまできたの。
 お姉ちゃんが何か声をかける前に

「強く叩いてないよ!ちょんって、触っただけだから!」

「うん、何をして遊んでいたの?」

「戦いごっこ!」

「そう、戦いごっこね。 ユウ、あなたの武器は?」

 ユウがスポンジでできたおもちゃの剣を持ってきたわ。

「ハナの武器は?」

 ユウは新聞紙を丸めて作った棒を持ってきたわ。

「また……作って……」

「ビニールテープで補強もしてあるから強いよ! 黒くてカッコいいでしょ!!」

 ユウはとても自慢気に新聞紙で作った剣をお姉ちゃんに見せているわ。

「コレで叩かれたら痛かったでしょう?」

「すっごい痛かった!ハナは思いっきり叩くんだもん。スポンジの剣だと受けきれないし……   ほとんどは上手に避けれたけど、少しあたっちゃった。」
 
 そう言ったユウの腕はところどころ赤くなっていたわ。 痛そうね。

「痛かったね。 それで?」

「上手に避れたから、ちょんって反撃したの。軽くぽんってしただけだよ。」

 子どもたちはハナに傷をつけたら、ゲンコツって普段からお兄ちゃんに言われているから、戦いごっこでもハナに強く攻撃することはないのよね。そこはとても紳士的ね。

「ハナ? 戦いごっこ楽しかったね?」

「うん!」

 ハナが元気に頷いているわ。そう、この子、戦いごっこが大好きなの。

「にぃにぃをいっぱいやっつけたんだね?」

「うん!」

 ご機嫌だわ。

「戦いごっこは相手をやっつけるだけじゃなくて、自分もやられちゃうことがあるのよ。自分がやられたからって、大げさに泣き真似しないで! やられるのが嫌なら、戦いごっこはしないように!!  分かった?」

「*~*~≒」

「返事が聞こえません!」

「あい」

 しぶしぶと言った様子でハナが聞こえるか聞こえないかの大きさで返事をしているわ。
 お姉ちゃんはやれやれと言った感じね。

 すぐにユウとハナはまた一緒に遊びだしたわ。
 ちょっと揉めても直ぐに仲良くなれるのはいいことね。

 

 わたしはりっぱなレディですもの。

 された仕打ちは忘れないわ。

 三歩、歩くと忘れちゃうんでしょ!なんて失礼なことを言うヒトとも仲良くできそうにないわね。

 レディに対する礼はきちんととってもらいたいものね。

 覚えておいてね。
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