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第026話 来客
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「あぁ~ やっぱりクーラーはいいねぇ~ クーラーは人類が生み出した発明の中で最も素晴らしいものだよ~」
「そうだねぇ~ クーラーの効いた部屋で、甘くてつめいたいアイスを食べるのは最高の贅沢だねぇ~」
僕とステラの二人は昼食後、クーラーの効いたリビングで食後のアイスを味わいながら、まったりと寛いでいた。
「クーラーさえあれば、痴漢や痴女のように水着一枚で生活しなくても済むからねぇ~」
クーラーの修理が来た時に僕はうっかり男性用スクール水着一枚で応対して、作業員さんから何とも言えない目で見られた事が、今でもトラウマとなっている。
「そういえば、スティーブからスクール水着を買ったら、着ている所を写真にとって送ってくれって言われていたんだけど…八雲どうする?」
ステラは祖父のワイシャツにキュロットスカート姿でソファーに寝そべり、足をパタパタとさせている。
「あぁ…スティーブの事か… そんなの送らなくてもいいよ… いや…どうせステラの姿は写真には映らなくて着ているものしか映らないのだから、宙に浮かぶスクール水着の写真を送るのも有りだな…」
「えぇ~ またあの怖い写真をとるの~ 私、やだよぉ~」
ステラは眉をハノ字に曲げる。
「ははは、もうあんな写真はとるつもりはないよ、それにファンデーションも前回で使い切っちゃったからね、それにいたずらに労力を使いたくないし…」
僕もソファーに寝そべってぐったりとする。
「あっ… でも写真を送ったらスティーブがジャングルギフトを送ってくれるんだって…」
「…ジャングルギフト?」
僕は徐に頭を上げると、ステラが寝そべりながらカタカタとノートPCを叩いている。
「ちなみにいくらなんだい?」
「ん…1000円だって」
「1000円? 話しにならない…その10倍出したら考えてもいいよって返事しておきなさい、あと、勝手に写真撮って送っちゃダメだよステラ」
僕は再びソファーに寝そべる。
「ニソテソドープリぺだったら私も欲しいんだけどね…」
ステラもそう漏らす。最初にニソテソドープリぺを提示されていたらヤバかったな…
そんな時、玄関の呼び鈴が鳴り響き来客を知らせる。
「ん? 誰か来たのか? もしかして…」
僕は頭をもたげてステラを見るが、ステラはブルブルと首を横に振る。前回の反省もあってステラの使っているノートPCでは父のカードで買い物出来ないようにしたので、勝手に買い物出来ないようになっている。
「私、何も買ってないよっ!」
しかし、先程のスティーブのジャングルギフトの件があるのでステラを疑ったが、あのステラの反応からして本当にしていないのであろう。
「じゃあ、誰なんだろ…」
そう言いながら、ソファーから降りようとすると玄関から声が響く。
「たのも~!」
若い女性…いや女の子の声か? しかし、妙に時代がかった言い方をするな…
「はーい! 今、行きまーす!」
僕はソファーから降りながら返事をすると玄関へと向かう。
「はいはい、いまあけますよ~」
そう言って玄関を開けると僕の目線の高さに人の姿はなく、少し見下ろした所に女の子の姿があった。
「ここはファイン殿のお宅で間違いないか?」
目が合った途端に、女の子が尋ねてくる。
「えっと、そうで間違いないけど…今は祖父のジョージではなく、その孫である僕、八雲が住んでいるんですが… 君は?」
僕は改めて女の子を見る。背丈はステラと同じぐらいであるが、黒髪のおかっぱ風の髪型に、今時令和では珍しい柿色と梅色の中間の色の着物を着ていて、背中には大荷物をしょっている。
なにか近所でお祭りでもあったのであろうか…
「私は四条幸子と申します」
そう言って、女の子は古式ゆかしい作法で頭を下げる。
ん?四条?
「突然ではございますが、これからこちらで住まわせていただきます。何卒良しなに…」
そう言って四条幸子と名乗る女の子は、そう言うや否や履物を脱いで家の中に入ろうとする。
「えっ!? えっ!? えぇぇぇぇぇ!!!!! いや、どういうこと!?」
僕は困惑して声をあげる。しかし、その間に女の子は脱いだ履物を丁寧にそろえた後、玄関の辺りをキョロキョロと見渡したあと、ずんずんと家の中に入っていく。
「スリッパが見当たらぬ…まぁ、男の一人暮らしだからな…仕方が無いか…」
「いやいやいや! ちょっと待って! ちょっと待って!!!」
僕は必死に女の子を呼び止める。
マズイ! リビングにはステラが寝そべっている!!! ステラ自体を見る事は出来なくても服だけが動いている姿を見たら、大事になる!!
だが女の子は僕の制止を聞かず、リビングへと進む。
「えっ!?」
ステラは見知らぬ女の子が急にリビングに現れて、驚いて目を丸くするが、姿を隠さなければいけないのと思ったのか、すぐにノートPCで頭を隠す。
咄嗟に反応してくれるのは良いのだが、完全に頭隠して尻隠さず状態である。
「ん? 八雲殿の一人暮らしかと思ったが…おなごと一緒に暮らしておったのか…」
女の子が頭隠して尻隠さずのステラを見て声を漏らす。
もしかしたら、ワンチャン…ワンチャン、ステラが頭を隠すのが間に合って、服だけが動いている様子を見てないのか?
だが、この後どうする? ステラに頭を隠しながらこの場を去ってもらうとしても、足が露出しているキュロットスカートでは、見えない人からすれば誤魔化し切れない!!
何かないか!何かないか! この場を切り抜ける何か良い方法は!!
「八雲殿」
その時、女の子が僕に振り返り声を掛けてくる。
「は、はい!!」
焦っていた僕はキョドりながら答える。そして、女の子に目を合わせるふりをして、女の子の後ろにいるリビングのステラに、目で今のうちに逃げろと伝える。
「あちらの毛唐…いや今はこの言葉は使わぬ方が良いのであったな… あちらの金髪のおなごは八雲殿の妹殿…いや!」
女の子はそこまで言うと再びステラに振り返る。
「ひぃっ!」
すると、丁度逃げ出そうとソファーから降りたステラをモロに目撃してしまう。
「八雲殿は何故、あのような面妖な者と暮らしておるのだ…?」
女の子は見つかって固まるステラを凝視して、そう言い放つ。
「えっ!? も、もしかして…君はステラの事が見えているのか!?」
女の子のステラを認識している言動に僕は驚愕して唖然としたのであった。
「そうだねぇ~ クーラーの効いた部屋で、甘くてつめいたいアイスを食べるのは最高の贅沢だねぇ~」
僕とステラの二人は昼食後、クーラーの効いたリビングで食後のアイスを味わいながら、まったりと寛いでいた。
「クーラーさえあれば、痴漢や痴女のように水着一枚で生活しなくても済むからねぇ~」
クーラーの修理が来た時に僕はうっかり男性用スクール水着一枚で応対して、作業員さんから何とも言えない目で見られた事が、今でもトラウマとなっている。
「そういえば、スティーブからスクール水着を買ったら、着ている所を写真にとって送ってくれって言われていたんだけど…八雲どうする?」
ステラは祖父のワイシャツにキュロットスカート姿でソファーに寝そべり、足をパタパタとさせている。
「あぁ…スティーブの事か… そんなの送らなくてもいいよ… いや…どうせステラの姿は写真には映らなくて着ているものしか映らないのだから、宙に浮かぶスクール水着の写真を送るのも有りだな…」
「えぇ~ またあの怖い写真をとるの~ 私、やだよぉ~」
ステラは眉をハノ字に曲げる。
「ははは、もうあんな写真はとるつもりはないよ、それにファンデーションも前回で使い切っちゃったからね、それにいたずらに労力を使いたくないし…」
僕もソファーに寝そべってぐったりとする。
「あっ… でも写真を送ったらスティーブがジャングルギフトを送ってくれるんだって…」
「…ジャングルギフト?」
僕は徐に頭を上げると、ステラが寝そべりながらカタカタとノートPCを叩いている。
「ちなみにいくらなんだい?」
「ん…1000円だって」
「1000円? 話しにならない…その10倍出したら考えてもいいよって返事しておきなさい、あと、勝手に写真撮って送っちゃダメだよステラ」
僕は再びソファーに寝そべる。
「ニソテソドープリぺだったら私も欲しいんだけどね…」
ステラもそう漏らす。最初にニソテソドープリぺを提示されていたらヤバかったな…
そんな時、玄関の呼び鈴が鳴り響き来客を知らせる。
「ん? 誰か来たのか? もしかして…」
僕は頭をもたげてステラを見るが、ステラはブルブルと首を横に振る。前回の反省もあってステラの使っているノートPCでは父のカードで買い物出来ないようにしたので、勝手に買い物出来ないようになっている。
「私、何も買ってないよっ!」
しかし、先程のスティーブのジャングルギフトの件があるのでステラを疑ったが、あのステラの反応からして本当にしていないのであろう。
「じゃあ、誰なんだろ…」
そう言いながら、ソファーから降りようとすると玄関から声が響く。
「たのも~!」
若い女性…いや女の子の声か? しかし、妙に時代がかった言い方をするな…
「はーい! 今、行きまーす!」
僕はソファーから降りながら返事をすると玄関へと向かう。
「はいはい、いまあけますよ~」
そう言って玄関を開けると僕の目線の高さに人の姿はなく、少し見下ろした所に女の子の姿があった。
「ここはファイン殿のお宅で間違いないか?」
目が合った途端に、女の子が尋ねてくる。
「えっと、そうで間違いないけど…今は祖父のジョージではなく、その孫である僕、八雲が住んでいるんですが… 君は?」
僕は改めて女の子を見る。背丈はステラと同じぐらいであるが、黒髪のおかっぱ風の髪型に、今時令和では珍しい柿色と梅色の中間の色の着物を着ていて、背中には大荷物をしょっている。
なにか近所でお祭りでもあったのであろうか…
「私は四条幸子と申します」
そう言って、女の子は古式ゆかしい作法で頭を下げる。
ん?四条?
「突然ではございますが、これからこちらで住まわせていただきます。何卒良しなに…」
そう言って四条幸子と名乗る女の子は、そう言うや否や履物を脱いで家の中に入ろうとする。
「えっ!? えっ!? えぇぇぇぇぇ!!!!! いや、どういうこと!?」
僕は困惑して声をあげる。しかし、その間に女の子は脱いだ履物を丁寧にそろえた後、玄関の辺りをキョロキョロと見渡したあと、ずんずんと家の中に入っていく。
「スリッパが見当たらぬ…まぁ、男の一人暮らしだからな…仕方が無いか…」
「いやいやいや! ちょっと待って! ちょっと待って!!!」
僕は必死に女の子を呼び止める。
マズイ! リビングにはステラが寝そべっている!!! ステラ自体を見る事は出来なくても服だけが動いている姿を見たら、大事になる!!
だが女の子は僕の制止を聞かず、リビングへと進む。
「えっ!?」
ステラは見知らぬ女の子が急にリビングに現れて、驚いて目を丸くするが、姿を隠さなければいけないのと思ったのか、すぐにノートPCで頭を隠す。
咄嗟に反応してくれるのは良いのだが、完全に頭隠して尻隠さず状態である。
「ん? 八雲殿の一人暮らしかと思ったが…おなごと一緒に暮らしておったのか…」
女の子が頭隠して尻隠さずのステラを見て声を漏らす。
もしかしたら、ワンチャン…ワンチャン、ステラが頭を隠すのが間に合って、服だけが動いている様子を見てないのか?
だが、この後どうする? ステラに頭を隠しながらこの場を去ってもらうとしても、足が露出しているキュロットスカートでは、見えない人からすれば誤魔化し切れない!!
何かないか!何かないか! この場を切り抜ける何か良い方法は!!
「八雲殿」
その時、女の子が僕に振り返り声を掛けてくる。
「は、はい!!」
焦っていた僕はキョドりながら答える。そして、女の子に目を合わせるふりをして、女の子の後ろにいるリビングのステラに、目で今のうちに逃げろと伝える。
「あちらの毛唐…いや今はこの言葉は使わぬ方が良いのであったな… あちらの金髪のおなごは八雲殿の妹殿…いや!」
女の子はそこまで言うと再びステラに振り返る。
「ひぃっ!」
すると、丁度逃げ出そうとソファーから降りたステラをモロに目撃してしまう。
「八雲殿は何故、あのような面妖な者と暮らしておるのだ…?」
女の子は見つかって固まるステラを凝視して、そう言い放つ。
「えっ!? も、もしかして…君はステラの事が見えているのか!?」
女の子のステラを認識している言動に僕は驚愕して唖然としたのであった。
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