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17.地底湖のある洞窟
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中に案内されると、二人は先程グロシが乗っていた他のオオカミよりも一回り大きいオオカミがいる事に気付く。
シズハが少しぎょっとした顔をしてしまうと、それに気づいたグロシが安心するように言ってきた。
そのオオカミの名前はワーラ、他にも敷地内にいたオオカミの名前をグロシが一気に教えてくれたのだが、さすがに一度聞いただけではどのオオカミがどの名前かまでは覚えられそうになかった。
ファルズの話を聞いていくと、一週間ほど前から水がたまらなくなっていったのだと言う。
この家の後ろにある崖の割れ目には洞窟があり、その中に湧き水が出ている地底湖が存在し、ファルズより前に先祖が住み始めてからずっと枯れることはなかった。
しかし一週間ほど前、その水位が下がっている事を確認し、おかしいと思い周辺を探索したものの、原因がなんなのかは分からなかったのだと言う。
その地底湖は近くの集落ラブルとも繋がっており、井戸の水が溜まらないとの報告もあった。
今はまだ枯渇してはいないため、今ある水を大事に使いながら対策を考えているらしい。
しかしラブルの人が集まって対策や原因を探ってもいい答えが見つからず、隣の都市ハルクートからの調査団を待っている状態との事。
それを聞いてからシラハは最近地震はがなかったかを尋ねる。
大きな地震があったあとは、地殻変動によって地下水の流れが変化する可能性があるため、水が溜まらなくなる可能性もある。
しかしファルズから返ってきたのはなかったという言葉と、ラブルだけでなく周辺地域でもそんな大きな地震があったとは聞いていないという事だった。
このままではファルズ達だけでなく、集落に住む人全員がこの場所を離れなくてはならなくなる。
どうにかできるならしてほしいとシラハもシズハも頼まれたが、現場を見て見ないことには何も言えなかった。
今日はもう日が暮れているため、それぞれ自分達の場所で休んで、明るくなってから地底湖の場所へと案内してもらうことに。
ファルズの好意で夕食を一緒に食べ、この地域の歴史や言い伝えなども教えてもらった後、馬車へ戻り朝が来るまで休んだ。
次の日、太陽から日が差し込み始めてすぐ2人は目を覚ます。
持っていたパンと作ったスープを食べた後、またファルズとグロシのところへと向かった。
早速合流すると、家の裏にある小さな崖の割れ目から中に入る。
人一人通れるほどの大きさの入り口で狭いものの、中に入り奥に進むにつれて通路は広がっていった。
150mほど進んだところで天井からポチャポチャと水が滴る音が洞窟内に響き、目的地に到着する。
ファルズも地底湖がここに存在するという事は知っているのだが、持っている明かりだけでは全容を把握することはできないらしい。
それならと、この際大きさや深さも把握してしまおうと、シラハとシズハで分担することになった。
シズハは杖を取り出し呪文を唱える。
「我が杖よ、眩い光でこの場所を照らせ!シャイニングライト!」
呪文と共に杖地底湖の中心に向かって移動していくと、少し時間を置いてピカッと光った。
地底湖の水面より上は思ったよりも広く、奥のほうにはチョロチョロと水が滴っている壁も見える。
奥の壁まで30mくらいはあるだろうか。
地上の大きさが大体把握できたところで、今度は水の中がどうなっているかを見なくてはならない。
【汝に命を与えよう…。目覚めよ…捜査機械、”アステロペ”】
シラハが出してきたのは、この間の捜査機械とはまた別の形をしたアステロペという機械だった。
ヒレがついており水中捜査専用のようだ。
アステロペが中に入ってから地形や深さを把握して帰ってくるまでには時間がかかるとの事だったので、それまでシズハの明かりを頼りに辺りを探索してみる事になった。
明るくなって分かったのは、最近水がある部分が下がっただろう水位変化の線が壁にあったことと、誰かが足を踏み入れ石に布をひっかけただろう切れ端が残っている事だった。
ファルズの家の裏だけでなく、他にもこの地底湖へつながる入口があるという事になる。
あるいは、この水を通って誰かが入ってきている可能性も考えられた。
「そういえば1週間くらい前に、ワーラが洞窟の方を見て唸り声をあげていた気がする」
一緒についてきていたグロシがそう言った。
オオカミは人間よりもはるかに耳がよく、人間では聞き取れない音を聞ける。
もし洞窟内に人がいたとなれば、いつもとは違う気配を感じ取りワーラが唸り声をあげた事にも頷けた。
「うーん…」
「どうした…?」
近くを探索していたシズハが何かに気付いたようだ。
「微かにですが…魔力が残っているような気がします」
「そうか…、俺には感じ取れないがシズハは感じ取れるんだな?」
「人が来たことがわからないようにしたかった…っていう意図が感じられるんです。見て下さい」
シズハが指さす方向を見ると、カモフラージュされてはいるが水が通っていただろう穴が塞がれている事がわかる。
ある程度魔力が使える人がこの地底湖に来たあと、何かの目的があって水の穴を塞ぎ、それを分からないように周りの壁に合うように装ったようだ。
「なるほど…、ある程度の明かりだけではこれが限界だったらしい」
「うまく隠そうとして頑張った感じはありますが、地底湖全体を照らせる程の光を出せる程ではなかったようです」
では人がこの場所へやってきて穴を塞いだ目的は何だろうか?
そしてそれを人為的に見せないようにしたのは何故だろうか?
その人はどこからやってきたのか?
いろいろな疑問が浮かぶが、これはもう少し集落での情報収集や井戸等の見回りを終えてからになりそうだ。
そのことをファルズとグロシに共有しているうちに、水中に入って捜査していたアステロペが帰ってきた。
回収してから情報を分析すると、どうやら水中に一度戻ってから反対側にもう一つ洞窟が存在するらしい。
地底湖の深さはおおよそ20mくらいあるようで、反対側の洞窟に続く入口はここよりも狭くなっている。
人が通るには十分な大きさがあるが、アステロペは水中専用のためそこで引き返してきたようだ。
「よし、ここで得られる情報はこんなところだと思う、一度引き返して集落へ向かおう」
シラハの言葉で地底湖のある洞窟を皆で後にし、必要なものだけ持つとアルクを馬車から離し二人で乗りラブルの中心へと向かった。
ファルズとグロシは日々の日課を終わらせるというので、調査が終わり次第またあとで合流することになる。
酒場に向かい、マスターに話を聞く事にした。
「絶対に…俺から離れるな。なんなら腕を掴んでてもいい」
酒場に入る前、シラハはシズハに向けてそんなことを言う。
情報こそ入手しやすい場所ではあるが、酒というものは人を変えてしまう。
どんな場所で危険がある事を知っているからこそ、一国の姫に何かあったら自分の身が危うい。
ファルズとグロシのところでシズハに待っていてもらうという選択もあったが、自分の目の届かないところに行ってしまう不安を前回覚えたため、その選択をしなかった。
「おいおい…お前ら入ってくる場所間違えたんじゃねーか?」
酒場のマスターがカウンター越しに2人を見て入店時に声をかけた。
それにつられて、昼間から飲んでいた客もジロっと二人を目で追う。
そう言われながらもシラハはカウンターの隅にシズハを連れて行き、その前に自分が守る形で立った。
「昼間はレストランだと思っていたんだが…違ったのか?」
「そりゃ表だけの話だ…、まぁ客なら注文してくれりゃ俺はかまわねぇけどよ」
「なら、酒以外のマスターのおススメで」
「ほお…いいぜ、二人分出してやるから待ってろ」
酒場のマスターも馬鹿ではない。
色々な客が滞在し見聞きしているのであれば、注文する客のメニューによって何を考えているかくらいはわかる。
酒を注文しないということは、食事ではあるが他の目的があるのだろうと気付いたようだ。
「お前さんら二人とも…気を付けろよ…。女性連れてるってだけじゃねぇ…二人とも顔立ちがいい、この辺になってくるとな男でもいいっていう物好きもいるんだ…」
そんなことを後ろを向きながら小声でマスターがシラハに伝えた。
「ふん…、もしそうなっても返り討ちにするだけだ…、問題ない」
「威勢がいいな…腕に自信ありげじゃねぇか」
「じゃなきゃ酒場になんてこない」
「はは!それもそうか!」
シズハが少しぎょっとした顔をしてしまうと、それに気づいたグロシが安心するように言ってきた。
そのオオカミの名前はワーラ、他にも敷地内にいたオオカミの名前をグロシが一気に教えてくれたのだが、さすがに一度聞いただけではどのオオカミがどの名前かまでは覚えられそうになかった。
ファルズの話を聞いていくと、一週間ほど前から水がたまらなくなっていったのだと言う。
この家の後ろにある崖の割れ目には洞窟があり、その中に湧き水が出ている地底湖が存在し、ファルズより前に先祖が住み始めてからずっと枯れることはなかった。
しかし一週間ほど前、その水位が下がっている事を確認し、おかしいと思い周辺を探索したものの、原因がなんなのかは分からなかったのだと言う。
その地底湖は近くの集落ラブルとも繋がっており、井戸の水が溜まらないとの報告もあった。
今はまだ枯渇してはいないため、今ある水を大事に使いながら対策を考えているらしい。
しかしラブルの人が集まって対策や原因を探ってもいい答えが見つからず、隣の都市ハルクートからの調査団を待っている状態との事。
それを聞いてからシラハは最近地震はがなかったかを尋ねる。
大きな地震があったあとは、地殻変動によって地下水の流れが変化する可能性があるため、水が溜まらなくなる可能性もある。
しかしファルズから返ってきたのはなかったという言葉と、ラブルだけでなく周辺地域でもそんな大きな地震があったとは聞いていないという事だった。
このままではファルズ達だけでなく、集落に住む人全員がこの場所を離れなくてはならなくなる。
どうにかできるならしてほしいとシラハもシズハも頼まれたが、現場を見て見ないことには何も言えなかった。
今日はもう日が暮れているため、それぞれ自分達の場所で休んで、明るくなってから地底湖の場所へと案内してもらうことに。
ファルズの好意で夕食を一緒に食べ、この地域の歴史や言い伝えなども教えてもらった後、馬車へ戻り朝が来るまで休んだ。
次の日、太陽から日が差し込み始めてすぐ2人は目を覚ます。
持っていたパンと作ったスープを食べた後、またファルズとグロシのところへと向かった。
早速合流すると、家の裏にある小さな崖の割れ目から中に入る。
人一人通れるほどの大きさの入り口で狭いものの、中に入り奥に進むにつれて通路は広がっていった。
150mほど進んだところで天井からポチャポチャと水が滴る音が洞窟内に響き、目的地に到着する。
ファルズも地底湖がここに存在するという事は知っているのだが、持っている明かりだけでは全容を把握することはできないらしい。
それならと、この際大きさや深さも把握してしまおうと、シラハとシズハで分担することになった。
シズハは杖を取り出し呪文を唱える。
「我が杖よ、眩い光でこの場所を照らせ!シャイニングライト!」
呪文と共に杖地底湖の中心に向かって移動していくと、少し時間を置いてピカッと光った。
地底湖の水面より上は思ったよりも広く、奥のほうにはチョロチョロと水が滴っている壁も見える。
奥の壁まで30mくらいはあるだろうか。
地上の大きさが大体把握できたところで、今度は水の中がどうなっているかを見なくてはならない。
【汝に命を与えよう…。目覚めよ…捜査機械、”アステロペ”】
シラハが出してきたのは、この間の捜査機械とはまた別の形をしたアステロペという機械だった。
ヒレがついており水中捜査専用のようだ。
アステロペが中に入ってから地形や深さを把握して帰ってくるまでには時間がかかるとの事だったので、それまでシズハの明かりを頼りに辺りを探索してみる事になった。
明るくなって分かったのは、最近水がある部分が下がっただろう水位変化の線が壁にあったことと、誰かが足を踏み入れ石に布をひっかけただろう切れ端が残っている事だった。
ファルズの家の裏だけでなく、他にもこの地底湖へつながる入口があるという事になる。
あるいは、この水を通って誰かが入ってきている可能性も考えられた。
「そういえば1週間くらい前に、ワーラが洞窟の方を見て唸り声をあげていた気がする」
一緒についてきていたグロシがそう言った。
オオカミは人間よりもはるかに耳がよく、人間では聞き取れない音を聞ける。
もし洞窟内に人がいたとなれば、いつもとは違う気配を感じ取りワーラが唸り声をあげた事にも頷けた。
「うーん…」
「どうした…?」
近くを探索していたシズハが何かに気付いたようだ。
「微かにですが…魔力が残っているような気がします」
「そうか…、俺には感じ取れないがシズハは感じ取れるんだな?」
「人が来たことがわからないようにしたかった…っていう意図が感じられるんです。見て下さい」
シズハが指さす方向を見ると、カモフラージュされてはいるが水が通っていただろう穴が塞がれている事がわかる。
ある程度魔力が使える人がこの地底湖に来たあと、何かの目的があって水の穴を塞ぎ、それを分からないように周りの壁に合うように装ったようだ。
「なるほど…、ある程度の明かりだけではこれが限界だったらしい」
「うまく隠そうとして頑張った感じはありますが、地底湖全体を照らせる程の光を出せる程ではなかったようです」
では人がこの場所へやってきて穴を塞いだ目的は何だろうか?
そしてそれを人為的に見せないようにしたのは何故だろうか?
その人はどこからやってきたのか?
いろいろな疑問が浮かぶが、これはもう少し集落での情報収集や井戸等の見回りを終えてからになりそうだ。
そのことをファルズとグロシに共有しているうちに、水中に入って捜査していたアステロペが帰ってきた。
回収してから情報を分析すると、どうやら水中に一度戻ってから反対側にもう一つ洞窟が存在するらしい。
地底湖の深さはおおよそ20mくらいあるようで、反対側の洞窟に続く入口はここよりも狭くなっている。
人が通るには十分な大きさがあるが、アステロペは水中専用のためそこで引き返してきたようだ。
「よし、ここで得られる情報はこんなところだと思う、一度引き返して集落へ向かおう」
シラハの言葉で地底湖のある洞窟を皆で後にし、必要なものだけ持つとアルクを馬車から離し二人で乗りラブルの中心へと向かった。
ファルズとグロシは日々の日課を終わらせるというので、調査が終わり次第またあとで合流することになる。
酒場に向かい、マスターに話を聞く事にした。
「絶対に…俺から離れるな。なんなら腕を掴んでてもいい」
酒場に入る前、シラハはシズハに向けてそんなことを言う。
情報こそ入手しやすい場所ではあるが、酒というものは人を変えてしまう。
どんな場所で危険がある事を知っているからこそ、一国の姫に何かあったら自分の身が危うい。
ファルズとグロシのところでシズハに待っていてもらうという選択もあったが、自分の目の届かないところに行ってしまう不安を前回覚えたため、その選択をしなかった。
「おいおい…お前ら入ってくる場所間違えたんじゃねーか?」
酒場のマスターがカウンター越しに2人を見て入店時に声をかけた。
それにつられて、昼間から飲んでいた客もジロっと二人を目で追う。
そう言われながらもシラハはカウンターの隅にシズハを連れて行き、その前に自分が守る形で立った。
「昼間はレストランだと思っていたんだが…違ったのか?」
「そりゃ表だけの話だ…、まぁ客なら注文してくれりゃ俺はかまわねぇけどよ」
「なら、酒以外のマスターのおススメで」
「ほお…いいぜ、二人分出してやるから待ってろ」
酒場のマスターも馬鹿ではない。
色々な客が滞在し見聞きしているのであれば、注文する客のメニューによって何を考えているかくらいはわかる。
酒を注文しないということは、食事ではあるが他の目的があるのだろうと気付いたようだ。
「お前さんら二人とも…気を付けろよ…。女性連れてるってだけじゃねぇ…二人とも顔立ちがいい、この辺になってくるとな男でもいいっていう物好きもいるんだ…」
そんなことを後ろを向きながら小声でマスターがシラハに伝えた。
「ふん…、もしそうなっても返り討ちにするだけだ…、問題ない」
「威勢がいいな…腕に自信ありげじゃねぇか」
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