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30.新しい姿
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前の二人と同じようにソファに腰掛ける。
姫歌が座ると同時に曲が流れ始め、姫歌は目を閉じた。
不思議な感覚に襲われる。
少し身体がふわっとするような…自分が今座っているのは本当にソファだっただろうかというような、宙に浮くような感覚だ。
それと同じくして、姫歌の頭の中に声が聞こえる。
『やっとここにきてくださったのですね…』
『誰…?』
『私は魔石そのもの…あなた方がマイストーンと呼ぶ源の石です。あなたの事をお待ちしていたのですよ』
『どうして…?』
『あなたはもともと私たちの主に選ばれし存在。今はまだその力を発揮できてはいませんが、いずれ覚醒するでしょう』
『私…が?』
『そうです。さぁ…時は来ました。あなたのそばにいる仲間たちと共に、新たな主としてこの地球を、この世界を守る時です。かつてのあなたがそうしたのと同じように』
『私が…かつてそうした…?』
『さぁ…今はまだ小さき姫君、目覚めなさい』
施設内が不思議な光の波で騒めく。
「なっ…なんだ?」
内部にいた研究者たちが慌てふためいている。
モニターを見ていた研究者も動揺を隠せない。
「おいおいおい…!これはどういうことだ…!」
「わかりません、地下に眠っている石達が全部…反応しています!」
「こんなこと前代未聞だ…。彼女は…いったい。」
「あ…、腕時計が一つ勝手に…上にあがってきます…!」
「何!?なんだ…!」
「わ…ワールド…」
「ワールド…だと!?あれは今までで一番強い石なんだぞ…!」
姫歌の前に現れた腕時計を、姫歌は取り腕につける。
【地球を守護せし宝珠よ、我と共に轟け、WORLD!】
姫歌の身体が光と霧につつまれ、その場で姿が変わっていく。
惑星を模ったアクセサリーとリボンの付いたベレー帽。
アイドルが着るステージ衣装のような後ろの部分が長いスカート。
胸にはハートに翼の付いたアクセサリーを付け、バレエシューズに似た靴を履いて姫歌は変身を完了する。
「わ…なんか自分でもびっくり…」
綺麗でもあり可愛い衣装を纏えて少し嬉しい。
『似合ってる…』
頭の中で白羽にそう言ってもらいたい願望なのか、空耳が聞こえた気がする。
勝手に想像して顔を赤くする姫歌は顔を横に振ると、気を取り直して部屋から出た。
「姫歌…!」
空と亮が駆け寄ってくる。
姿の変わった姫歌を見て、二人は目をキラキラさせている。
「姫歌すっごいすっごい可愛い!!」
「綺麗な衣装だし似合ってます!いいな…僕も早く変身できるようになりたい」
「ありがとう…自分でもちょっとびっくり」
3人で話していると研究者が近づいてきて姫歌に声をかけた。
「桜川さん、今特に自分の身体に変わったことはない?気分がすぐれなくなったり、身体が重いと感じたり」
そう言われて一通り身体を気にするが特に変わったことはない。
「特にありません、むしろ身体が少し軽くなったような感じです」
「そうか、それならよかった。その石はね…この研究所の中で、いや現在存在する石の中で一番強い力を秘めた石なんだ。潜在能力や力のない物がそれを身に着けたら、身体や精神が壊れてしまうほどにね」
「君があの部屋に入ってからびっくりすることだらけだよ。そもそも前の二人なら僕ら研究者が腕時計を承認して、目の前に来るように機械を動かすんだけど、その腕時計は何の力も与えず、自ら桜川さんの前に出てきたのだから」
腕時計が自ら自分の目の前に出てきた事にびっくりする。
姫歌は研究員が出してくれたものだと思っていたからだ。
ただ、あの部屋の中で話しかけられたことを思い浮かべると納得する。
「私、あの部屋の中で誰かに話しかけられたんです…。その声の主は、源の石だと言ってました。私がここにくるのを待っていたと…」
「なんだって!?」
「ちょ…ちょっとその話、詳しく聞かせてもらえる?」
「わ…あの、でも…私が聞いたのはそこまでで…そのあとはご覧の通りです」
「そうか…くそ…、文献と何か関係があればと思ったんだが…」
なんとなく全部話してはいけない気がした。
『話すなら…白羽くんに相談してからにしよう…何があるかわからないし』
「もしかしたらまたここに来てもらうかもしれないけど、協力してもらえる?」
「お役に立てるかどうかは分かりませんが…」
「また何かあったら話して欲しい。この石にはまだまだ謎が多いんだ」
「わかりました…」
そう話していた矢先。
ードオオォン!ー
と上で何かが爆発するような音が。
「何っ?!」
「どうした!なんだ、何があった!」
「上層部から連絡、敵襲です!」
「何だって!?この研究所にはバリアがあるはずだろう!なぜだ!」
「それが、敵陣はミサイルのようなもので強行突破をしてきた模様で…!」
「くそっ、軍にすぐ連絡させろ!下に来ないようにさせるんだ!」
いきなり慌ただしくなる研究所内。
授業はもう終わっているし、部活も今日は休みの日だ。
寮に人間はいるだろうが、ここへ来るにはまだ時間がかかるだろう。
地下にいる為状況が掴めない。
魔物は何か、どのくらいの数がいるのか、早く確かめなければ。
「私行きます。上に行くエレベーターか、階段は近くにありますか?」
姫歌が案内を求めると、緊急時用のエレベーターがあるとの事で、そこへ案内され、姫歌だけが乗り込む。
空と亮は地下まだ覚醒していないため、そのまま地下で避難している事になった。
エレベーターを地上へと動かす。
数十秒で地上へ付くと、連絡を受け待っていた研究員が外まで案内してくれた。
「研究所内に居た警備員が応戦しています。とにかく数が多くて、研究所内に入らせないようにするのが今はやっとです。すみません、覚醒したばかりのあなたには少し負担かも知れませんが、私達では手に負えないのです。お願いします」
「わかりました、全力を尽くします」
研究所の2階から少し外の様子を見た。
爆風のせいで、研究所の窓が割れている。
ミサイルのような物が落ちた敷地内には、大きめのクレーターが出来ていた。
敷地内にいたのは小さいが数が多く、黒くアリのようにもスライムのようにも動く敵の大群。
姫歌のちょうど腰くらいのサイズだが、これだけの大群では、並の戦闘員は四苦八苦する事だろう。
「うぅ…数が多いなぁ」
倒せる事は出来そうだが、油断したら最後だ。
今まで祖母から幾度となく魔物との戦闘は行ってきた。
数十体相手にすることもあった。
でもそれは祖母が近くにいて、助けもあったからだ。
1人で倒すにはいささか不安がある…。
『……呼んだら、来てくれるかな…』
少し躊躇しながらも、耳に付けていたスイッチを押した。
数秒もしないで変身した白羽が瞬間移動してくる。
「…どうし…た?!」
移動してきた白羽が、姿の変わっている姫歌に驚いた。
今日マイストーンを手に入れる事は姫歌から聞いていたので、頭ではわかっていたのだが、実際に見るのは初めてだったからだ。
「ごめんね急に、敵の数が多くて…。私1人だと不安だったから…」
「敵?」
白羽もその場から見える敵を確認する。
無数とも言えるような多さに白羽の顔も曇った。
「爆発音が聞こえたからもしかしてとは思ってはいたが、数が多すぎる…。この間の富山城の時より多い」
敷地内のミサイルで強行突破された事を白羽もわかったようだ。
そのミサイルを中心に、敵が湧き出している。
急がなくては手に負えなくなってしまう。
白羽はLimeのグループ通話で徹と楓真に連絡をとった。
姫歌が座ると同時に曲が流れ始め、姫歌は目を閉じた。
不思議な感覚に襲われる。
少し身体がふわっとするような…自分が今座っているのは本当にソファだっただろうかというような、宙に浮くような感覚だ。
それと同じくして、姫歌の頭の中に声が聞こえる。
『やっとここにきてくださったのですね…』
『誰…?』
『私は魔石そのもの…あなた方がマイストーンと呼ぶ源の石です。あなたの事をお待ちしていたのですよ』
『どうして…?』
『あなたはもともと私たちの主に選ばれし存在。今はまだその力を発揮できてはいませんが、いずれ覚醒するでしょう』
『私…が?』
『そうです。さぁ…時は来ました。あなたのそばにいる仲間たちと共に、新たな主としてこの地球を、この世界を守る時です。かつてのあなたがそうしたのと同じように』
『私が…かつてそうした…?』
『さぁ…今はまだ小さき姫君、目覚めなさい』
施設内が不思議な光の波で騒めく。
「なっ…なんだ?」
内部にいた研究者たちが慌てふためいている。
モニターを見ていた研究者も動揺を隠せない。
「おいおいおい…!これはどういうことだ…!」
「わかりません、地下に眠っている石達が全部…反応しています!」
「こんなこと前代未聞だ…。彼女は…いったい。」
「あ…、腕時計が一つ勝手に…上にあがってきます…!」
「何!?なんだ…!」
「わ…ワールド…」
「ワールド…だと!?あれは今までで一番強い石なんだぞ…!」
姫歌の前に現れた腕時計を、姫歌は取り腕につける。
【地球を守護せし宝珠よ、我と共に轟け、WORLD!】
姫歌の身体が光と霧につつまれ、その場で姿が変わっていく。
惑星を模ったアクセサリーとリボンの付いたベレー帽。
アイドルが着るステージ衣装のような後ろの部分が長いスカート。
胸にはハートに翼の付いたアクセサリーを付け、バレエシューズに似た靴を履いて姫歌は変身を完了する。
「わ…なんか自分でもびっくり…」
綺麗でもあり可愛い衣装を纏えて少し嬉しい。
『似合ってる…』
頭の中で白羽にそう言ってもらいたい願望なのか、空耳が聞こえた気がする。
勝手に想像して顔を赤くする姫歌は顔を横に振ると、気を取り直して部屋から出た。
「姫歌…!」
空と亮が駆け寄ってくる。
姿の変わった姫歌を見て、二人は目をキラキラさせている。
「姫歌すっごいすっごい可愛い!!」
「綺麗な衣装だし似合ってます!いいな…僕も早く変身できるようになりたい」
「ありがとう…自分でもちょっとびっくり」
3人で話していると研究者が近づいてきて姫歌に声をかけた。
「桜川さん、今特に自分の身体に変わったことはない?気分がすぐれなくなったり、身体が重いと感じたり」
そう言われて一通り身体を気にするが特に変わったことはない。
「特にありません、むしろ身体が少し軽くなったような感じです」
「そうか、それならよかった。その石はね…この研究所の中で、いや現在存在する石の中で一番強い力を秘めた石なんだ。潜在能力や力のない物がそれを身に着けたら、身体や精神が壊れてしまうほどにね」
「君があの部屋に入ってからびっくりすることだらけだよ。そもそも前の二人なら僕ら研究者が腕時計を承認して、目の前に来るように機械を動かすんだけど、その腕時計は何の力も与えず、自ら桜川さんの前に出てきたのだから」
腕時計が自ら自分の目の前に出てきた事にびっくりする。
姫歌は研究員が出してくれたものだと思っていたからだ。
ただ、あの部屋の中で話しかけられたことを思い浮かべると納得する。
「私、あの部屋の中で誰かに話しかけられたんです…。その声の主は、源の石だと言ってました。私がここにくるのを待っていたと…」
「なんだって!?」
「ちょ…ちょっとその話、詳しく聞かせてもらえる?」
「わ…あの、でも…私が聞いたのはそこまでで…そのあとはご覧の通りです」
「そうか…くそ…、文献と何か関係があればと思ったんだが…」
なんとなく全部話してはいけない気がした。
『話すなら…白羽くんに相談してからにしよう…何があるかわからないし』
「もしかしたらまたここに来てもらうかもしれないけど、協力してもらえる?」
「お役に立てるかどうかは分かりませんが…」
「また何かあったら話して欲しい。この石にはまだまだ謎が多いんだ」
「わかりました…」
そう話していた矢先。
ードオオォン!ー
と上で何かが爆発するような音が。
「何っ?!」
「どうした!なんだ、何があった!」
「上層部から連絡、敵襲です!」
「何だって!?この研究所にはバリアがあるはずだろう!なぜだ!」
「それが、敵陣はミサイルのようなもので強行突破をしてきた模様で…!」
「くそっ、軍にすぐ連絡させろ!下に来ないようにさせるんだ!」
いきなり慌ただしくなる研究所内。
授業はもう終わっているし、部活も今日は休みの日だ。
寮に人間はいるだろうが、ここへ来るにはまだ時間がかかるだろう。
地下にいる為状況が掴めない。
魔物は何か、どのくらいの数がいるのか、早く確かめなければ。
「私行きます。上に行くエレベーターか、階段は近くにありますか?」
姫歌が案内を求めると、緊急時用のエレベーターがあるとの事で、そこへ案内され、姫歌だけが乗り込む。
空と亮は地下まだ覚醒していないため、そのまま地下で避難している事になった。
エレベーターを地上へと動かす。
数十秒で地上へ付くと、連絡を受け待っていた研究員が外まで案内してくれた。
「研究所内に居た警備員が応戦しています。とにかく数が多くて、研究所内に入らせないようにするのが今はやっとです。すみません、覚醒したばかりのあなたには少し負担かも知れませんが、私達では手に負えないのです。お願いします」
「わかりました、全力を尽くします」
研究所の2階から少し外の様子を見た。
爆風のせいで、研究所の窓が割れている。
ミサイルのような物が落ちた敷地内には、大きめのクレーターが出来ていた。
敷地内にいたのは小さいが数が多く、黒くアリのようにもスライムのようにも動く敵の大群。
姫歌のちょうど腰くらいのサイズだが、これだけの大群では、並の戦闘員は四苦八苦する事だろう。
「うぅ…数が多いなぁ」
倒せる事は出来そうだが、油断したら最後だ。
今まで祖母から幾度となく魔物との戦闘は行ってきた。
数十体相手にすることもあった。
でもそれは祖母が近くにいて、助けもあったからだ。
1人で倒すにはいささか不安がある…。
『……呼んだら、来てくれるかな…』
少し躊躇しながらも、耳に付けていたスイッチを押した。
数秒もしないで変身した白羽が瞬間移動してくる。
「…どうし…た?!」
移動してきた白羽が、姿の変わっている姫歌に驚いた。
今日マイストーンを手に入れる事は姫歌から聞いていたので、頭ではわかっていたのだが、実際に見るのは初めてだったからだ。
「ごめんね急に、敵の数が多くて…。私1人だと不安だったから…」
「敵?」
白羽もその場から見える敵を確認する。
無数とも言えるような多さに白羽の顔も曇った。
「爆発音が聞こえたからもしかしてとは思ってはいたが、数が多すぎる…。この間の富山城の時より多い」
敷地内のミサイルで強行突破された事を白羽もわかったようだ。
そのミサイルを中心に、敵が湧き出している。
急がなくては手に負えなくなってしまう。
白羽はLimeのグループ通話で徹と楓真に連絡をとった。
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